【困った時はお互いさま!】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→最年少山梨県教育委員長→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は全国の経営者に寄り添う日々

 

 


私の会社が6年前の暮れに倒産した翌朝、明日をも知れぬ悲しみや苦しみに襲われながら、従業員たちが店の後片づけをしていた。そんな時このヤマザキパンのトラックが店舗に横付けされた。

トラック後ろのドアを観音開きにすると、スーパーやまと担当だった女性と配送のドライバーが、見慣れたグレーの「コンテナ」を下ろしていく。

👤「色々大変でしょう、少しですが皆さんで召し上がってください!お腹が空いてちゃ元気が出ませんよ」

20枚、いや30枚以上のコンテナの中は、菓子パン・サンドイッチ・ハンバーガー・惣菜パンが山盛りに入っていた。

ご迷惑を掛けたのはこちらの方なのに、彼らはそんな話題にも触れず、「今まで本当に長い間お世話になりました。感謝の気持ちです!」と笑顔で一緒にパンを食べ、うちの従業員と涙でハグを交わして帰って行った。

それ(倒産)より前に、他のスーパーからのガセネタを信じ、夜間私の自宅まで取り立てに来た「某社」のことと合わせて、「このご恩と屈辱は一生忘れない」と心に誓っている。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

こういうことをすると、やれ「売名行為」とか「普段からやれ!」などと無責任なことを言う人もいる。

私もよく現役時代には「売名行為」と揶揄されたものだ。レジ袋有料化もホームレスの雇用も潰れたスーパーの再生も、みんな「売名行為」だと言う。今さらどうでもいいことだが。

👤「保存料だらけのパンを被災者に配るなんてけしからん💢」などと言ってる人もいるという。それも自由だが友達にはなりたくない。

「ヤマザキパンは災害時には自社のパンを無料で配ります!」なんていう「災害時協定」は結んでいないはずである。企業の多くはその地域と「災害時協定」を結んで、首長さんと笑顔で記者会見している。まさに今こそ御社の底力の見せ所です。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

豊洲のマグロの初セリで、億を超える「初値」が付いたニュースを聞いた。宣伝効果を考えれば、1億1400万円でも安いと言われる。まさにある種の「売名行為」であるがそれもいい。お金の使い方はそれぞれである。

被災地に向けてヤマザキの「アンパンマン」は自分なりの想いを行動で示した。「やまとマン」はもういないが、皆ができることが必ずあるはず。

熊本地震に続き、ヤマザキパンの今回の行動もまた「売名行為」なら、私はまんまと作戦に引っ掛かった。本にも書いたし、ここにも書いて相当な人に思い出をご披露してしまっている。


困った時はお互いさま。みんな絶対忘れない。

 

https://www.kobayashihisashi.com