【学校給食・納入業者の悲哀】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→最年少山梨県教育委員長→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は全国の経営者に寄り添う日々

 

 

 


☝️まず初めに、一度契約した仕事、とりわけ入札でライバル業者よりも低い価格で受託した事業を途中で投げ出すことは「言語道断」であり、同情の余地さえない。

それが子供達や従業員の成長や健康を支える「給食」や「社食」の外部委託ならなおさらである。民間の給食業者の破綻で、現場が大混乱とのニュースを見た。

私もかつて学校給食や病院食の食材を納入していた者として、ニュースの裏側から思ったことを書いてみる。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

昨今の材料や燃料の値上がりは誰でも知っている。しかし入札で決めた給食の価格は簡単には変えられないのだ。赤字になっても(その社会的責務から)企業努力でなんとかせい!の現実…。

燃油サーチャージやガソリンの差額補填は無い。そうなればその分は業者が泣くか、良くないことを考えてしまうしかない。

現場の栄養士や発注主の要求はキツい、それは当然である。口に入るものには厳しさと正直さが求められる。

しかし中には口の利き方さえ知らない人もいる。むかし話を言えば、市立病院の栄養士の要求(突然の数量や仕様変更・勝手な値下げ処理・私的な買物の配達)がヒドくて、業者が市に抗議したこともあった。
→彼女(あだ名は女帝)は処分。今はどこでもそんなことありませんよ!

👥親も子供に温かいものを食べさせたいけど、これ以上の負担はしたくない。それも当然のこと。どうしたってそのしわ寄せは委託業者がカブることになる。

知り合いの議員に泣きついたって、余計に金を使うことなど誰も聞いてくれない。優先順位を考えれば絶対上に来るはずの「給食」なのに。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

それでもこの業者の良くない所は、現場の手当てもせず、予告無しに事業停止したことに尽きる。会社が潰れることは不幸なことだが、『潰れ方・畳み方』というものがある。

16億円という大きな負債額から見て、長年の累積赤字もあったのだろう。無理して落札した給食も多いはずだ。身売りしたくても相手が居なかったんだと思う。負債17億円の私が偉そうに言うのもなんだが🙏🏻

さあ、行政や学校・事業所は急いで次の給食会社を探さなきゃならない。もし入札しても、その価格は足元を見て(いや、適正価格の)2倍くらいに跳ね上がるかも?それより誰も入札しない可能性が高いんじゃないのかな?

👤もしかしたらここの社長さんは「極悪人」かも知れないが、私はお会いしたこともないので一概に「無責任‼️」などと責めることはできない。

少し前にここで書いた「山梨のリネン業者が、GW前に倒産して観光地のホテルが困って行政に泣きついた話」を思い出した。(破綻の原因は再三の値上げ要求に応えてくれなかったため)

まあ弱い立場からの意見なのでご不満もおありでしょうが、こんな側面もあるという参考程度に留めておいてください🙏🏻

#こんな時こそ使うのが予備費です