【創作話 : 大型ショッピングモールの作り方〜前編】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→最年少山梨県教育委員長→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は全国の経営者に寄り添う日々



どんな企業も成長し続けなければ、明るい未来も関係者の幸せも手に入らない。


スーパーだって同じこと、賃料が高くても効率の良い好立地の物件は既に空きは無い。


こうなりゃ地方の郊外の土地をまとめて、巨大なショッピングモールを作ってしまった方が早い!

攻め込まれる同業者は堪らない💦人口も使うお金も減っているのに、飽和状態の商圏に爆弾(店舗)を投下し、限られた売り上げを分捕っていく大手企業。

しかし法律で許されている以上、それを阻止することはできない。新しいプレーヤーに「そこをどけ‼️」と言われたら「無駄な抵抗」をして誰かのように退場するか、その前に撤退して被害を抑えるしか生き残る術はない。

さて、そんなどこにでもある田舎街に、大型ショッピングモール建設の話が持ち上がった。

さあフィクション(作り話)の始まり…。

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👤大手スーパー開発部員①
「このエリアに何店舗か出店しろ!って役員は簡単に言うけど、もうそんな条件のいい敷地なんか残ってないよ💧地場のスーパーが幅を利かせてるしさ」

開発部員②『じゃ、いつもの手でいくか?』

開発部員③ 「そうだな、俺たちもそれが仕事だからな…💦」

開発部員は狙いを定めた土地の、息のかかった不動産屋に掛け合う。

👤「手放してもいいと思われる、郊外の農地をまとめてください!土地は持っているだけ借り上げる。20年は賃料保証もするから、これを機に農業を止めるように後継者を口説けばすぐに落ちるから!」

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さて面白い様に土地はまとまった!まあ他に使い道も無いからな…。


次はその地域の『首長さん』にご挨拶だ。与党系なら商店街の古株がバックについてるから手強いぞ。野党系ならチョロいんだが(^^;

✅『雇用の創出』『固定資産税』『地域との連携』
とにかくこれだけプッシュしろ!そして「地元の商店街とも上手くやる」と言うんだ。

ダメなら隣町に誘致されていると匂わせろ。

テナントも地元企業を優先する!と言っておくんだ。その方が何かと話がうまく運ぶ。


どうせ長続きはしないから2、3年で撤退してくれる。その後はいつもお馴染みのテナントに入れ替えればいい。でもちゃんと契約の違約金と現状回復は守らせろよ。

自治体に出す「出店計画」の売り場面積は1.3倍で出しておけよ。どうせ調整が入るから、その後に3割削減すれば、当初の計画通りさ(笑)

「増床の禁止」や「業種の制限」そして「撤退条項」は絶対に飲むなよ!逃げる時は素早く、これは鉄則だ。全部が成功する訳じゃ無い。

それと近くにあるヨーカドーが撤退店舗候補に入っているかよく調べておけよ。

撤退後にディスカウントストアが入店したらやり辛いからな!

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👤いよいよ工事着工か!意外にスムーズに運べたぞ。そもそも時代遅れの商店街に飽き飽きしていた消費者は、新しいものに飛びつくからな。これも世の流れだ。

万人の幸せのためなら、少しくらい犠牲が出ても仕方ない。こっちもビジネスでやってんだから、いちいち悪者にされちゃ敵わんぜ。俺たちは都会の風をこの田舎町に吹き込んでやるんだからな!

(中編に続く)
⚠️この話はフィクションです。