【倒産社長の遺言(1/7) やまとを愛してくれたお客様へ】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト

 

👤5年前、創業105年の家業(スーパーやまと : 負債総額17億円)を倒産させた私が、その顛末を著書「こうして店は潰れた」に綴った。その後、6刷の初版本は出版社の倒産で絶版となり、電子書籍の販売も終了してしまった。

加筆して「続・こうして店は潰れた」を出版したが、ページの都合でカットされてしまった箇所がある。それは私が一番伝えたかったこと。

ここで一度初心に戻って「ameblo」に遺したいと思います。しばしのお付き合いをm(__)m

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【倒産社長の遺言(1/7) やまとを愛してくれたお客様へ】
 
韮崎で生まれた魚屋のやまとを105年の長きに渡り愛してくださり、心より感謝しています。三代目の私は商家に生まれ、皆様のおかげで大きくしてもらいました。
 
昨年末、諸般の事情で店を閉じることとなり大変なご迷惑をおかけしてしまいました。生活のライフラインとも言える移動販売車が止まり、社会問題にまでなりました。

県境を越えて電車で買物に行く高齢者のニュースもテレビで観ました。家庭生ゴミもペットボトルもそのキャップもアルミ缶も古着も古紙も、今後は別の処理方法をお願いしなければなりません。
 
幸いやまとの店舗は成績も悪くなかったので、いろんな会社がその跡地へ入居したいと申し出ているようです。できれば地元の業者が望ましいと思いますが、私にはその決定権がありません。

ともあれどんな業者が入っても、今後は引き続きその店をご贔屓にしてあげてください。そうしないとまた同じことが起きてみなさんの地域にご迷惑をかけてしまいます。

失ってからその大切さに気づくことはよくあることです。「地域の商店は地域が守る」、どこで買うか迷ったら地域の店で買う!こんな感じで結構です。
 
店を閉めてからたくさんの激励を頂いたことに感謝します。店はもう片付けてしまいましたが、これら全て私の宝箱に入れてあります。これは(換金できない)最高の資産です。
 
町で私を見かけることがあったらまた気軽に声を掛けてください。いつものように呼び捨てで構いません。やまとはこれまで「さん付け」で呼ばれたことはありません(笑)。

それと「早くやまとを再開しろ!」と言われますが、それはもう叶わぬことです。「去る者日々に疎し」皆さんの記憶とともに消え去ることこそ諸行無常なのです。

👤私はどこにも行きません、ずっとこの街を離れませんから!「原文まま」  (続く)