いくら新聞の部数が減ったとはいえ、スーパーのメイン顧客である主婦層の来店は、やはり折り込みチラシに左右される。特に田舎ではそれが顕著だ。
チラシを新聞に折り込む際「折り込み料」なるものが発生する。実はこれチラシの印刷代より高いのが普通で、総経費が1件10円とすれば、4円が印刷費、6円が折り込み料、こんな感じ(エリアで変わる)。
新聞販売店の重要な収入であるこの手数料は、それぞれの地区を束ねる「広告とりまとめ会社」(山梨では一社のみ)が一括して扱うことになっている。
家庭がどの新聞を取っていようが、広告主は合計部数を指定するだけで、代理店がその配分を決めて各販売店に搬入する。加えて広告主が各販売店に直接持ち込んでも、価格はさほど安くならない、いわば独占企業である。
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先代の大赤字を引き継いだ私は、そのバカ高い折り込み料を値引いて貰おうと、一人その代理店に乗り込んだ。以前、大きな部数を抱えている個人販売店とチラシ枚数と実部数との違いで揉めた時「お前のチラシはもう入れてやらん💢」と怒られ土下座させられた苦い思い出がある。その時から私の「ぶっ◯すリスト」に入れてある!
私「うちのスーパーは週に2回もチラシを入れてます。沢山入れるのだから安くしてください🙏🏻キャベツだって沢山仕入れたら安くなるんだから!」
私の相手をした恰幅のいいおじさんは、私を睨んで私に言い返した。
「あんた、本気で言ってる?こっちもギリギリで経営してるんだわ」
もちろん本気である!赤字の解消には大きな経費の削減が不可欠だ。
「あんた、ここが『そういう』業界だと知ってて来たのか?大した度胸だな」
(こうなりゃこちらも引くに引けない…)
私「あなた元新聞社の役員でしたよね?地元のポスティング会社にプレッシャーかけるのも、そういう業界だからですか?」
…双方沈黙…
おじさん「あんたのその目が気に入った!料金を前払いするなら、年間2%値引きしてやる。その金はあんたの個人口座に振り込んでやってもいいぞ」(任侠映画かっ!)
(笑わせるな💢→心の中)
私「あっ、ありがとうございます!そうさせて頂きます、助かります〜m(_ _)m💦」
もちろん値引き分を差し引いた金額を払う条件で、年間300万円の純利益を確保した👍🏻
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こういう話を自分だけで留めてはいけない!おじさんは「他社には言うな!」と言ってたが、ライバルとはいえ同業他者にも教えるのが「社会正義」というものである。
私「(県内最大手スーパー役員に)、チラシの折り込み料、前金で払えば2%値引きして貰えますよ!話してみてはどうですか?」
役員「ハッハッハ〜、オタクも値引いて貰ったのかい。ウチはもうずっと前から3%値引きして貰ってる。それにしてもよくあそこに一人で行ったな君も (笑)」
……チッ、まあいい、大きな経費を削減できた。
私はその時の経験から、何でもダメ元でお願いすると、たまにご褒美が貰えることを覚えた。少しの勇気で大きな成果だ!他の人はやらない。
先日、紙の新聞をやめてWeb版単独に替えたら、料金がほとんど変わらないことに驚いた。新聞社は全てネット配信になれば利益は大きい。しかし販売店やチラシの代理店は要らなくなる。携帯電話の販売代理店も同じ。
いろんな意味で振り子は返る…🙏🏻