【レジ袋有料化に思う…】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→最年少山梨県教育委員長→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は全国の経営者に寄り添う日々

 

私がスーパーを経営していた山梨県では、2010年から全国に先駆けて「レジ袋有料化」を全県で実施していた。環境への配慮というスローガンに納得がいかず、そもそもお客様から代金を取る(ペナルティにも似た)ことによって、マイバッグの持参率を上げようとする試みに賛同できなかったが、県からの強い要請で、嫌がる他のスーパーをまとめて有料化の先鞭をつけた。

環境への貢献はさておき、それまで経費で支出していたレジ袋をお客様に買って頂くことによる企業の利益は莫大なものだった。当時一枚2円で仕入れたレジ袋をほぼ全てのスーパーが5円で売った。2円の仕入れ経費がなくなった上に、差額の3円が儲かる。そして購入する際には消費税も加算されるのだ。「環境のためにレジ袋辞退を!」と言いながら、心の底では「沢山買ってくれ!」と願っていたかも知れない。

スーパーの純利益など売上げの1〜2%くらいのものだ。そこにレジ袋有料化特需で棚ボタの利益が流れ込む。私はそのことを強く訴えて、自社では一枚2円の原価で売り、辞退してくれたお客様には仕入れ分の2円をポイントでバックした。それでも納得がいかず、各レジに一円玉を用意し、それでレジ袋を買ってもらい「実質無料」を続けていた。家庭に残ったどんなレジ袋も一袋1円で下取り、再生して2円で販売もした。すべては「レジ袋有料化で利益を出してはいけない!」との思いがあったからだ。

県内大手スーパーは、億を超える利益があったにも関わらず、その地域還元は1%の植林程度。県の担当者に「有料化の利益の使い道を協力してくれた県民に公開せよ!」と言っても無視され続ける始末。おかげで競合他社からは総スカンを食らい「余計なことを言うな!」と脅かされた。

私は12年前、山梨県で有料化の先鞭をつけたが、今でも反対である。有料にしなくても、消費者が自主的に辞退したりマイバッグを持参する社会にするのが本来の姿だろう。その意味でもこれからの子供達への教育が大切だと思う。

これは「レジ袋有料化」ではなく、「レジ袋商品化❗️」
それが「中の人」だった私個人の結論です🙇🏻