【自宅に取り立て⁉️】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→最年少山梨県教育委員長→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は全国の経営者に寄り添う日々


「お父さん、玄関に変な人が2人来てるよ!」夜9時過ぎ、夕食も済んでホッとしている我が家に、50代くらいのイカつい男性が2人訪ねて来た。聞けば大手の製パンメーカー(営業所の社員)だった。

男①「明日おたくのスーパーが潰れるとの情報が入りました。今すぐ売掛金を払ってください!」

私「ちょっと!ウチは明日倒産する予定もないし、何よりオタクへの支払いは月末のはず。誰がそんなこと言ってるんですか?💢」

男②「本社の上の方です。払ってもらうまで帰りません!」

私「出ました『本社の上の方』(-。-; それより社長の自宅まで取り立てに来るのも上の指示ですか?」

男①②「……。」

私「いいですよ、払いますよ!契約にはないけど、払わなきゃ納品しないんでしょ?(優位的地位の濫用じゃん)、明日朝一に振り込むから、今夜は帰ってください!」

男達「必ずですよ!」(写メを撮って帰る)

翌朝、気に入らなかったが月末分の支払い(100万円位)を振り込んだ。それからそのメーカーとは現金取引となり、キツキツの資金繰りを圧迫していった。翌日私はその本社に抗議したが「本社は伺い知らぬこと」と言われたのみ。娘には嫌な思いをさせてしまった🙏🏻

チッ、やっと赤字を解消して金融機関も評価してくれる今、なんで自宅まで取り立てに来るんだ?ドラマや映画じゃあるまいし。

それを機に他の業者もウチに対して、
・もっと保証金を積め
・支払いサイトを短くしろ
・月の取引上限額を引き下げる
・月の締め日を3回にする
・はたまた、取引を終了する

などの要求が頻発するようになり、益々資金繰りがタイトになっていった💧

「ウチ(私)が復活することを望まない人たちがいるんだな…」私は直感的にそう感じた。
とき、弊社が倒産する半年前。

倒産後、メーカーに悪い噂を流した個人(競合他社幹部)がいたことを知る。理由は想像に難くない。確かにウチは連続赤字の改善中だったが、金融機関の支援(リスケ)も得て黒字転換したばかり、キャッシュに余裕はなかったけど、県内の取引業者に同じ様な噂を流されたらなびく問屋だって出てくる。

これが最後には、年末の主要問屋の一斉納品停止に繋がっていくとは…。全てはそうさせる要因(信用不安)を作った経営者の責任であるが、赤字から黒字に転換したタイミングでの手持ち資金流出は痛い!

そこから「倒産」へのジェットコースターはさらに加速していくのだった↘️↘️ (続く)

※ 私はその時から、夜自宅にまで取り立てに来たパン屋の商品は意地でも食べません!

皆さんは食べてください、とても美味しいパンです。パンに罪はありませんから(^O^)/