幕末の東軍あるいは赤穂事件の筋を通した脇役の実像に光を当てるという超私好みの短編集
しかもその人物、場合によっては昭和まで続く子孫の後日譚がまた良かった
(ブログで教えて頂きました。ありがとうございました!)
1編ずついきます。
男は多門伝八郎
江戸城松の廊下での刃傷の場に居合わせ、浅野内匠頭処分の仕方について上役にかみついた硬骨漢。
ちょっと軟派な梶川与惣兵衛と対比的にこのタイトル通りに描かれてました
最後の黒頭巾
幕末の大泥棒と言うべきか、華麗な詐欺師と言うべきか、青木弥太郎のお話。
これは共感部分なかったです。
渡辺豹吉の嘘
長岡藩もう一人の家老山本帯刀の従者、渡辺豹吉。
恥を忍んで主人の最期をきちんと済まし、その後は堂々と自分も。涙モノでした。
そして、末弟の渡辺廉吉。苦心の末政府の顕官になり、山本家を再興。
それが山本五十六(リンク付き白字にしておきます)。
この件は何度かどこかで見聞きしてたはずですが記憶に残ってませんでした。
これでしっかりと刻まれました。
巨体倒れるとも
生き残った新選組隊士、島田魁(さきがけ)。
永倉新八にしろ斉藤一にしろ、生き残ってしまったともいうべき人達。気迫、悟り、想像もつかない境地だったと思ってます。
島田魁の終のお仕事が西本願寺の夜警。それを粛々と務める姿がよかったです。
名剣士と照姫さま
名剣士=飯野藩士森要蔵。どこかで聞いたことがあるようなないようなでした。
飯野藩は全く知らず、その藩主保科家も。保科の姓を持った家が会津松平家の分家にあったんですね。そして、照姫さまはそこの出。
江戸より東、その後戦場となった北関東~東北から外れた房総諸藩も様々なご苦労があったことが知れました。
藩主の林忠崇自ら脱藩したという請西藩もチラッと出て来ます。
(この話は同じく中村彰彦氏が作品にしているので読まねばです)
(照姫さまと容保公との淡い・・・は全くなかったのでこれはまた別で)
時代は昭和になって要蔵のひ孫2人の名剣士ぶりで終わるいいお話でした
やっぱり幕末は面白い!!
し、まだまだ知らない人物、物語があります。
旧暦ですが、ちょうど会津戦争が本格化し白虎隊が自刃したのが155年前の今頃。
8月23日がその日で、白虎隊の日となっているそうです。
また幕末ものにハマっていきます