「デフ・ヴォイス」シリーズ3作目。4編からなる短編連作。

それぞれ考えさせられたり、心に沁みたりグッド!

1話ずつ書いていきたいと思います。

 

 

第1話 慟哭は聴こえない

 1作目で気付かされた「ろう者は緊急通報できない」と、

 2作目での「医療の場面での対応の不十分さ」がテーマ。

 しかも最もデリケートな妊娠・出産。

 最後の筆者あとがきで、緊急通報の仕組みは進んでいるとあり少し安心でした。

 

第2話 クール・サイレント

 「聴こえない」タレント。

 やっぱり人気タレントや映像作品の影響力は凄くて、世に広く知らしめることができる。同時に、「ショー」としてのクロに近い演出で誤解も広がってしまう諸刃の剣。当事者もそれに苦しむ。忘れかけていた過去のあのドラマも引き合いに出しながら・・・

 同時に、主人公に迫られる人工内耳の選択。。。

 

第3話 静かな男

 唯一何森刑事の目線で進む唯一のミステリー。

 殺人か自殺かはたまた・・・な謎の死体。かすかな手掛かりからある地方へ・・・ひらめき電球

もう何年も前ですが松本清張「砂の器」を読んだ時の感覚が蘇って来ました。その名作に匹敵する深い真実とかすかな救い拍手

 

漸くここで何森刑事のイメージが定まりました。

丹波哲郎さんビックリマーク(映画「砂の器」の刑事役でした。念のため)

これは何森刑事が主人公のスピンオフ作品も読まねばなりませんw

 

更に、この前に読んだ「まぐだら屋のマリア」の舞台は”亀嵩(かめだけ)”近くの出雲沿岸なのかもと思い至りました。前記事に追記しますにひひ

 

第4話 法廷のさざめき

 ろう者に対する職場の無理解。

 これが書かれて数年ですが技術は大きく進歩し、スマホ等の音声変換が誰でも使える、YouTubeやテレビの動画配信は字幕付きが当たり前になり、助けにはなっているのかも知れません。でもあくまで「補えるだけ」。

 この編では「互いに歩み寄ること、それを感じ取ること」の大切さが描かれていました。これは変わらない!