今年もブログ上でいろいろ良い作品との出会い、めぐり逢いがありました。皆さんに感謝です。

今年もあとわずかとなった所で、また良い作品に出会えました。

 

 

聴覚障害がある人・家族の真実と現在・過去の事件が織り成す上質のミステリー。

 

いや、全然上手く言い表せていないので、解説のエッセイスト三宮麻由子さんの最後の一文がとっても良かったのでお借りします。

 

 まるで本全体が聴覚障害の世界を通訳してくれているような

 爽やかな距離感をもち、優しい愛に満ちた作品

 

カバーの言葉も借りて、

 絶対に読んでおくべき作品だと胸を張ってオススメしたい

です。

 

「ろう者」と「聴者」という言葉、手話にも複数あること、刑法40条、救急車が呼べない、お坊さんの読経・説教も雨音も聞こえない、そして「コーダ」・・・知らない・気付かない事ばかりでした。

 

そう私もついついメールで『困ったことがあったら気軽に聞いてください』と書いてしまってから、どう表現すればいいか悩んだ挙句『・・・お知らせください』に書き換えることしばしば・・・

 

実は今年から聴覚障害の方と職場で一緒になりました。

ほぼメールでのやり取りなのですが、コロナで常時マスクになって読唇術が使えなくて困っているとのことで、『手話も少し勉強しようかな?とても十分に上達しないだろうから手話通訳士さんを呼ぼうかな?』っと思っていた所に、その方からスマホの筆談アプリ(筆談と音声文字変換が同時にできる)を教えてもらい、それでなんとかコミュニケーションを補っています。

 

それに触発され、パソコンの標準的なソフトに音声変換機能が組み込まれているのを知って、いろんな場面で活用を始めた所でした。

一方、私は英語のリスニングが苦手なのですがこれを応用すれば字幕化でき、外国の方とのWeb会議が苦にならなくなった、という副次効果もあったりしてにひひ

 

作品中で「ろう者」のことをバイリンガルと表現していたのが、まさに対外国語となった時と同じなんだなあと実感してしまいました。

 

閑話休題、

丸山正樹さんのデビュー作とのこと。

登場人物の名前が覚えきれずミステリーの部分は結構難しく感じたのもあり、聴覚障害の世界もしっかり理解したいのもあり、もう1回読み直してみます。

そして、続編も読んでいきたいと思います。