河鍋暁斎の娘・暁翠を描いた、澤田瞳子さんの直木賞受賞作。

読了しました。

 

 

葛飾北斎の娘・お栄さんと同様、偉大な父への尊敬、偉大であるが故の苦悩を抱えながら、雑事、人間関係、天災、時代・社会の変化の中懸命に絵に取り組む姿には心が熱くなりました。

 

しかし、河鍋暁斎自身、北斎・お栄の父娘を意識していたとは面白いです。

 

 

先に「日輪の賦」を読んでおいて良かったのが、澤田瞳子さん独特の作風、リズムが良く分かったこと。

 

その1つ、登場人物の名前。

主人公、河鍋暁翠は一貫して「とよ」。

兄、河鍋暁雲は周三郎、兄弟弟子(?)の真野暁亭は八十五郎。

 

後世評価されている絵師ではなく、その時生きていた1人の人間であり、生活者であったことを名前から表したかったのではと思いました。

 

「日輪の賦」で、「持統」ではなく「讃良」だったのも同じだったんだとじんわり来ました。

 

お栄さん(葛飾応為)にしろ、男尊女卑の時代に素晴らしい作品を残してくれたことに感謝です。

 

いつかその作品を観に行きます。

 

(因みに今日の「英雄たちの選択」は、持統天皇の再放送!また観ねば)