約8年前広島県立美術館で買った栞に相応しい作品に、漸く出会えました
お栄さんこと葛飾応為、
北斎の娘というより、一人の画家(絵師)としてこんなに凄い人が居たなんて知りませんでした。
この本の表紙の『吉原格子先之図』。
パッと見た時、本の装丁として現代の方が描いた絵だと思ってしまいました。
江戸時代にこのような陰影表現がなされていたとは
それに、
綺麗な幾何学的格子越しに見え隠れする絢爛な花魁、
「応」「為」「栄」の文字を忍び込ませる洒脱さ、
所蔵する太田記念美術館、絶対に観に行かねばなりません
他の「春夜美人図」(メナード美術館蔵)や「三曲合奏図」も他の浮世絵とは一味違う構図や動きに魅入ってしまいました。
小説の方は、そんなお栄さんがいろいろ雑事に患わせられたり、偉大で尊敬する親父さんと関わりを通したりしながら作品を完成していく様が丹念に描かれていました。
「眩」を使った表現がポイントで使われているのが面白かった