完全に忘れていました、「松本サリン事件」。
私も当時その人が犯人だと思ってました。自戒を込めて。
27年前のちょうど6月下旬。
私は学生で、事件直後はエアコンのない部屋だったのにしばらく窓を開けるのを止めるほど、その異様な恐怖と暑さを鮮明に思い出せるのに。
有機化学の授業では、一流の”専門家”である講師でさえ『変なおじさんが変な薬品を混ぜてしまって毒ガスを発生させた』と騙されてたのを間近で体験したのに。
(そして、”専門家”と称してメディアに登場する人物のいい加減さをこの時知ったのに)
その後地下鉄サリン事件に危うく巻き込まれそうになったのに。
そして、数ヶ月前松本に行ったのに。
これを観る前に事件を調べ直してみると、現場は松本城の直ぐ北、お蕎麦屋さんを探してウロウロした辺りのようです。
この映画も全く知りませんでした。
中井貴一、寺尾聰、石橋蓮司と大好きな役者さんが出演しているのに。
まあ、被害者を犯人に仕立て上げたメディアを断罪する内容なので、メディア側はあまり取り上げなかったのでしょう。
松本の美しい風景のいいシーンを。
石橋蓮司さんと初々しい北村有起哉さん。旧開智学校にて。
松本城太鼓門前。こちらも初々しい遠野凪子さんと中井貴一さん。
夕暮れの松本城天守と堀端を去っていく中井貴一さんの背中(小さくて見えないけど)。
これだけの事件をこれだけの役者陣で映画化した監督・脚本が熊井啓さん。
これまた全く知りませんでした。が、これは私の完全な無知。
三船敏郎×石原裕次郎の伝説的名作「黒部の太陽」の監督さんでした。
「帝銀事件」も観たことがあります。
「下山事件」も作品化していました。これもいずれ観てみます。
しかも松本育ち!
大事件を扱って来たところに自身の地元というべき場所で起こった事件。
この映画までの必然性も分かりました。
「イチケイのカラス」からのいい巡りでもあり、もう忘れることはないです。