淡い、ピンク色の恋。
それが、昨日で終わってしまった。
はじめて話したあの日、何とも感じてなかった。
普通に話す仲ではあったけれど、そこまでだった。
だけど、今になっては、あれが貴重な時間だったんだと思う。
「ごめん、消しゴムとってくれる?」
あの時の一言からすべてが始まった。
その時に先生にあてられて、ポケットにしまわれた消しゴム。
あの時の消しゴムもすり減って、もうこんな大きさになってしまった。
だけど、二人の思いは反比例するように増えていった。
手が悴むような夕焼け、君は自分の手を息で暖めてから私の手を包み込んでくれた。
あれが、本当の初恋だったんだと思う。
悴んで赤くなっていた手、代わりに頬が赤らんだ。
手をつないで帰った。あの時。
隣の席になって、話すことも増えた。
はしゃいでた時も、勉強してる時も、ふと見ると横顔があった。
笑顔の時も、真剣な顔の時も。
そんな瞬間【とき】が楽しくて楽しくて。
だけど、別れは唐突に訪れた。
いや、本当なら分かっていたはずなのに。
逃げていた。
現実から。
こんなことになってしまうなんて。
あの時、思いを打ち明けていれば。
逢いたい。
忘れない。
ありがとう。
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
歌から短い小説を考えてみました。
高校生か中学生くらいのイメージですが。
唐突な別れ、っていうのはどんなのにしようか迷ったけど結局イメージが判らなかったから曖昧なままで(=◇=;)
いやぁ、難しいものですねえ。
いい曲なので、聴いてみてください。