卍(まんじ)(’64)
![日本](https://emoji.ameba.jp/img/user/ii/iinanihon/22279.gif)
原作:谷崎潤一郎の同名小説
監督:増村保造
今回は、原作しっかり読み込んでからの鑑賞。
もう “谷崎ワールド” にどっぷり浸かって、何がノーマルなのか
何がアブノーマルなのか、感覚が麻痺して、わかりませんっ(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151020/16/pyscipks/e0/1a/j/o0600042213459903597.jpg?caw=800)
弁護士の夫・孝太郎(船越英二)のある身でいながら、美術学校で知り合った
若き令嬢・光子(若尾文子)との愛に耽る園子(岸田今日子)
園子を愛していながらも、男たちの愛を弄ぶ光子。
光子の婚約者と名乗る綿貫(川津祐介)という男が現れ
さらには、園子の夫・孝太郎をも巻き込み、卍(まんじ)絡みの愛欲の世界へ・・・・・
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151020/16/pyscipks/45/7f/j/o0492034213459903596.jpg?caw=800)
「こんな綺麗な体してて、ああ、憎たらしい、うちあんた殺してやりたい!」
「殺して、殺して、うちあんたに殺されたい!」
絵のモデルとして裸体を見せて欲しいと園子に頼まれた光子が
二人きりの部屋で白い肌をさらし、女と女の殺したいほどの愛が頂点に達する。
若尾文子さんの出演作は、溝口健二の 『祇園囃子』 や 『赤線地帯』 とか
二十歳そこそこの、少女のあどけなさが残った姿しか観たことがなかったので
女ざかりの、しかも、男はおろか女までも翻弄する色情狂の若尾さんの前に
岸田今日子の台詞じゃないですけど
「あんた、こんなに綺麗やのんに何で今迄隠してたん?」(笑)
知った原作の映像化作品を観ると、もう、がっかり~ イメージが崩れた~
なんていうことが少なくないですが、今回は、若尾さんをイメージしながら
原作を読んだということもあったり、新藤兼人の脚本をはじめ
増村保造が織りなす映像が、原作にかなり忠実だったということもあり
文章と映像とが、卍(まんじ)のごとく、いい感じに絡み合ってくれました(笑)
園子による氏名不詳の老作家「先生」に対する告白形式で物語が語られるところも
原作どおりで、岸田今日子が「先生」に、これまでの愛憎劇を赤裸々に語る。
オーラスの涙ながらに吐き出す、原作とおんなじ台詞に思わずシビれてしまった。
今後も “谷崎文学+映像化作品” で攻めてみようかしらん。
谷崎潤一郎の原作を得て、当時タブー視されていた女性同士の愛を瑞々しく描いた傑作!
弁護士の妻・柿内園子は美術学校で出会った若き令嬢・徳光光子に恋心を描いていた。
学校内で同性愛の疑いを掛けられた二人は、それがきっかけで仲良くなるが…。
卍(まんじ) [DVD]/若尾文子,岸田今日子,船越英二
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F417qJpVXtUL._SL160_.jpg)
¥3,024
Amazon.co.jp
卍 (新潮文庫)/谷崎 潤一郎
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51B12QNRZ6L._SL160_.jpg)
¥529
Amazon.co.jp