赤線地帯(’56)
![日本](https://emoji.ameba.jp/img/user/ii/iinanihon/22279.gif)
監督は、今作が遺作となった、溝口健二
売春禁止法が何度も国会で審議されていた頃の、“赤線地帯” と呼ばれていた吉原で働く
娼婦たちの生き様が、生々しく描かれいます。
ジャン=リュック・ゴダール監督の 『女と男のいる舗道』 は、
今作の影響なしには存在しないとも言われてる。
公開当時の宣伝文句は
女が知らない女の世界! 巨匠溝口が描く文芸巨編!
すごいものを見せられました。
『雨月物語』 の時にも書いたのですけど
美醜の両極があって中間がない
![$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101217/14/pyscipks/ba/d3/j/o0516029010922786889.jpg?caw=800)
結核で失業中の旦那と赤ん坊を抱え、通いで働く、木暮実千代(画像左から2番目)
あの眼鏡が、逆に艶っぽい。
旦那が絶望して、自殺を企てた時に、彼女が言い放った言葉
「子供のミルクひとつ買えないで、何が文化国家よ。わたしゃ死なないよ。
生きて、この目で見てやるよ。
淫売しかできない “おんな” が、次に何をやっていけるのか、見届けてやるのよ!」
鬼気迫ってました。
その中で赤ちゃんが、うぇんうぇん泣いているんですよね。
![$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101217/14/pyscipks/f3/b7/j/o0300022110922805136.jpg?caw=800)
妾をつくり母親を苦しめた、資産家の父親に反抗して、神戸から流れついた、京マチ子(画像中央)
眉毛のある京マチ子、初めて見ました(笑)
世間体のために彼女を引き取りに来た父親に、2階を指差して
「お父っつぁん、遊んだろか」
父親は身震いして、ぷるっぷるっして帰るんですよね。
「けったくそワル!大メロドラマやわ」
こう毒ついたり、身勝手な行動を取ったりしているのですが
逆に、彼女の哀しさを感じた。意外と情に厚いんですよね。
京マチ子中心に話が回っていくのかと思ったら
更に上がいましたよ。
若尾文子
めちゃ綺麗・・・・
![$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101217/14/pyscipks/74/b8/j/o0400030010922822074.jpg?caw=800)
投獄された父親の保釈金のために身を堕とした彼女
「私は、貧乏が大っ嫌い!」
男を手玉にとり金をふんだくり、仲間の女たちへの金貸しもしながら
貯金を増やすという計算高い女
京マチ子も投げやりに 「あの娘は、賢いんや」
女性に暴言を吐くことで有名な溝口監督が、今作で、若尾文子に対して
「顔の造作が悪い」 と罵倒したそう。
![$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101217/14/pyscipks/8c/2c/j/o0236032710922835956.jpg?caw=800)
溝口監督は、“娼婦” の姿を決して、汚らわしいものとして描いておらず
かと言って寄り添うわけでもなく
そこに生きる女の、厳しさ、残酷さ、哀しさ、そして美しさを
剥き出しの映像で、見せてくれました。
※参考 Wikipedia
赤線地帯にあるサロン「夢の里」で働くさまざまな女性たちを描く群像ドラマ
赤線地帯 [DVD]/京マチ子,若尾文子,木暮実千代
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