追想（’７５）
監督：ロベール・アンリコ
古典ラブ・ロマンスのような邦題ですが、とんでもない復讐劇です。
さすがは 『トラウマ映画館』 収録作品（笑）
ヨーロッパを代表する大女優ロミー・シュナイダーが
火炎放射器で生きたまま丸焼きにされてしまうのですから・・・・・
1944年、ナチスドイツ占領下のフランスの小都市モントバン。
町の病院で働く医師のジュリアン（フィリップ・ノワレ）は、家族の身を案じて
妻のクララ（ロミー・シュナイダー）と娘を自分の郷里の村に所有する
古城へ疎開させることを決意する。
ところが数日後、彼らを訪ねて郷里に戻ったジュリアンは
ナチスたちに惨殺されていた村人たちの死体の山を目の当たりにする。
そこには、愛する妻と娘の変わり果てた姿もあった。
怒りに燃えたジュリアンは、復讐に立ち上がる。
『地下鉄のザジ』 『ニュー・シネマ・パラダイス』 でも知られるフィリップ・ノワレは
復讐だの殺人だのとは無縁な温厚で人のいいオジさん、というイメージだけど
平凡なオジさんだからこそ、ナチスへの復讐劇がより壮絶に感じるんですよね。
で、何でまた 『追想』 なんていう、ふわっとした邦題つけたんでしょう。
原題は「古い猟銃」で、お父さんが昔、狩りに使った猟銃を復讐に使うというもの。
映画自体、ナチス親衛隊をひとりひとり殺していく壮絶なる復讐劇なのですが
その合間にフィリップ・ノワレが過去の幸せだった日々を “追想” するんです。
“追想” の中に出てくるロミー・シュナイダーがとくかく美しいっ！
映画の最初と最後に出てくる、家族三人自転車で並木道を走るシーンの幸福感！
“復讐” は、あくまで後から付随する二次的なものであって
本当の意味で、彼の中に占めるものは “追想” なんです。
だから、日本の配給元がつけたこのタイトルが正解です！ ピンポ～ン。
タランティーノの 『イングロリアス・バスターズ』 の元ネタでもあり
クライマックスのシーンは 『追想』 からパクった、いや引用したもの（笑）
熱狂的な映画小僧がそのまま大人になったもんだから
少年時代の想いごと映画にしたいんでしょうねタランティーノは・・・・・
炭化するまで焼かれ衝撃的な死を遂げたロミー・シュナイダーですが
実生活での晩年も壮絶だったようですね。。。。知的な美しさが好きでした。
妻と娘を惨殺された男の、狂えるナチの暴挙への凄絶な復讐!
怒りの火炎放射器が炸裂する、史上最高の復讐映画!!
追想 [DVD]/フィリップ・ノワレ,ロミー・シュナイダー
￥4,298
Amazon.co.jp