無事、3公演が終演した「マチュー・ガニオ スペシャル・ガラ」。

 

 

いよいよ、注目の第2部です。

私、宝塚は「ME AND MY GIRL」(2008年)を観たきりの初心者で、今回の公演でようやく柚香光さんを知ったくらいです。

そのため、宝塚がお好きな皆様のようには語れませんし、恐らくズレた見方をしていると思いますが、ご容赦ください。

 

 

柚香 光 新作ソロ「新しき夜明け〜大河を越えて〜」

 

第2部は、柚香光さんのご挨拶でスタート。

ここで盛大な拍手が起こり、「これが宝塚か~」と思いました(初心者すぎてすみません😂)。

2日目以降は、冒頭のマチュー・ガニオの挨拶でも拍手をしてくださった方がいらっしゃったそうで、ありがたいかぎり。

 

この時点で、軽いカルチャーショックを受けつつ、幕が開きまして、柚香光さんのお姿が。

もうね、「これが宝塚のトップ・スターの輝きか!」と思いました。

圧巻でした。

 

私の宝塚のイメージでは、皆様の中央で輝くスターの印象が強く、スターをお一人だけで拝見するのも初。

それでも、スターはスターだと思わせる、圧倒的な輝き、人を惹きつけるオーラ、世界観を作り出す美しさが流石でした。

 

冒頭の十二支のポーズも、どれを切り取っても絵になるのですよね。

バレエファンが言うのもあれですが、バレエダンサーでも「静止画で絵になる人」って、実は希少だと思っています。

ただ「ポーズで止まった」だけではなく、そこから世界観を生み出せるという意味で、柚香光さんは圧倒的でした。

ブロマイド写真があれだけ売れるのも分かります(笑)

 

このまま、モダンバレエのように進む…と思いきや、突如として世界観が一変。

宝塚ど真ん中の世界観に戸惑いつつ、「あれ、めちゃくちゃ楽しいぞ」と思えてきまして!

途中、舞台上から下りてきた、ミラーボールみたいなギラギラのジャケットをオペラグラスで直視して、目を火傷しました😂

 

この言葉選びが適切か分かりませんが、「This is entertaiment!」という感じで、夢が溢れ出る世界観。

バレエって必ずしも「人の美しさ、人生の明るさ」だけを描くものではないですが、こちらのショーは、とにかく楽しい。

とりあえず、バレエ公演であることをすっかり忘れていました(笑)

フェスティバル・ホールを1人で支配できるオーラ、貴重だと思います。

 

そして、ソロのラストは、まさかの「ティファニーで朝食を」より「ムーン・リバー」。

どうしてこの曲?と思いましたが、様々な役柄を生きる「女優」へのオマージュとも思えました。

オードリー・ヘップバーンは、女優へ転身する前、バレリーナを目指していたというところも、柚香さんと共通する部分も。

 

 

 

第一部で、マチュー・ガニオが生きる「バレエの世界」を観たならば、これは柚香光さんが生きる世界、むしろ彼女そのものと思えました。

 

「瀕死の白鳥」

シルヴィア・サン=マルタン

 

これだけ宝塚モード全開のところから、どうやって切り替えるのかと思いましたが、あっという間にバレエの美の世界。

もちろん、「瀕死の白鳥」って偉大なレジェンドが踊り継いできた作品であり、若手が踊るにはハードルが高い部分はあります。

 

それでも、シルヴィア・サン=マルタンの美しいアームスが、まるで詩のように美しい世界を生み出していました。

まだ死というものを理解できないうら若き魂が、最後に夢を見つつ、消えていくようで。

果たして「瀕死」だったかというツッコミどころはありますが、バレエを初めてご覧になる方々にも、「バレエの美」を伝える舞であったことはたしかだと思います。

 

 

「ルネサンス」より抜粋ソロ

パブロ・レガサ

 

間違いなく、このマチュー・ガラで一番のめっけ物(笑)

演目一覧を見た時は、まったく知らない作品でしたが、パリ・オペラ座バレエのセバスチャン・ベルトーが発表した作品で、オリヴィエ・ルスタンが衣装をデザインし、ファッションとバレエの融合として話題に。

 

 

 

 

パブロ・レガサが圧倒的すぎました。

空気を変えるとはこのことよ!

 

 

 

上半身裸でキラキラタイツ✨という、びっくりするような服装ですが、圧倒的な美!!!

メンデルスゾーンに合わせて、舞台を縦横無尽に駆け巡り、この日一番の喝采を起こしました。

終盤のピルエットから拍手が止まらなくなったくらい、客席が惹きつけられていましたよ!

 

 

柚香 光×マチュー・ガニオ 新作デュエット
「A day in the sun」 

 

いよいよ、大注目のマチュー・ガニオと柚香光さんの共演。

 

これまたド直球すぎる選曲はどうよ…と思ってしまったのですが😂

 

冒頭、2つの異なる世界で生きてきた2人が、互いの表現で会話をし、競い合うような振付。

振付としての面白さは微妙な気がしましたが(すみません)、とにかく2人が楽しそう!

 

マチューが踊った「Who cares?」を少しだけ思い出しました。

(この2人だったら踊れた説😂)

 

そして中盤以降、びっくりしたのは、マチューと本格的に組むパートがかなりあったこと。

対面リハ期間は限られていたでしょうし、表現者の土台としての言語が完全一致している訳ではない中で凄いなと思いました。

これぞプロ!

柚香さんがマチューの新たな面を引き出した印象もあり、何より2人が創作過程を楽しんだのが伝わりました。

 

バレエファンとしては、お互いへのリスペクトが見えたことがとても嬉しかったです。

特に、柚香光さんのマチュー、その他の共演者、そしてバレエそのものへのリスペクトに心打たれました。

もちろん、マチューは柚香光さんを立てて、レヴェランスでも前へ送り出すのですが、彼女のマチューへの敬意もとても伝わってきて、とても謙虚な方なのだろうなと。

 

当初、企画が発表されたとき、そして通常のバレエ公演では見られないチケット譲渡方法を見かけた時は、複雑な気持ちがあったことは否定しません。

でも、幸せそうな2人を観ていると、それまでの経緯はどうでもよく思えてしまったのですよね。

この企画を観られて嬉しかったですし、マチューのお相手が柚香光さんで良かったと思える公演でした。

 

そして、生粋のバレエファンは少なかったと思いますが、会場の皆様が、バレエダンサーに対しても温かい喝采をおくってくださったことが嬉しかったです。

「ブラボーおじさん」、「前ノメラー」、「私語」、「鈴の音😂」が、話題になるバレエ界を恥じました。

客席のマナーの良さでは、最近稀に見るレベルの高さで、一切嫌な思いをすることはありませんでした。

あの大喝采、きっとダンサーも喜んでいたと思います。

一バレエファンとして、一緒に素晴らしい劇場空間をつくってくださった皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございました。

 

 

新年早々、素晴らしいパフォーマンスを観られて、幸せいっぱいで会場を後にしました。

 

公演レポート

 

3月にWOWOWで放送されるそうですよ!

ぜひご覧ください!