昨日から、ずっと「どうして彼女が…」と引きずっていたのですが、ミケーラが急逝した件について続報です。

 

 

 

 

ご家族からの投稿によれば、ミケーラが亡くなったのは9月10日、そして翌11日に養母エレーヌさんもお亡くなりになられたそうです。

エレーヌさんは、手術を受ける準備中に息を引き取られたそうで、ミケーラが亡くなったことはご存知なかったとのこと。

 

最初に報道を知ったとき、真っ先に育ての母であるエレーヌさんのことを思ったのですが、大切な娘さんの死を知らないままということであれば、少し救われた気がします。

 

 

そして、育ての父であるチャールズさんは、2020年6月、パーキンソン病で亡くなられたとのこと。

当時は、コロナ渦だったため、ミケーラは、最後のお別れのために、オランダから家族がいるアトランタへ行くことができなかったのだそうです…。

アトランタの治安が悪化したことから、女性が1人で隔離生活を送ることも難しく、諦めざるを得なかったのだとか。

お父様を失ったショックから、ミケーラは、しばらくセラピーに通っていたそうです。

 

 

昨日、映画「ファースト・ポジション」を見返しました。

 

エレーヌさんが、ミケーラの肌に合うようにって、夜遅くまで、チュチュのパーツを染め直している様子に泣かされました。

 

 

「黒人は、バレリーナになれない」と、他の親から冷たい言葉をかけられたこともしばしばあったそう。

「実の娘ではないから、私が傷つかないと思ったのかしら?」というコメントからは、愛情がひしひしと伝わってきました。

 

 

ユース・アメリカ・グランプリでは、客席から息を止めるようにして娘さんの踊りを見守られていたご夫婦。

 

 

 

 

終演後、ご夫婦が、「私たちの自慢の娘よ」と思っている様子が伝わってきて、涙なしには見られませんでした…。

 

 

 

 

映画でも登場した、決選でのパフォーマンス。脚の痛みを乗りこえて、素晴らしい出来ばえでした。

 

 

 

エレーヌさんのインタビュー(2017年)。彼女のお人柄がよく分かる素晴らしいインタビューです。

 

エレーヌさんは、ミケーラを引き取る前、3人の息子さんを養子に迎えられています。

(実のお子さんも、お2人いらっしゃいます。)

 

1人目は、血友病を患い、聴覚も失っている小さな男の子。

友人からは、「病気の子を引き取るの?」と言われますが、「いいじゃない。新しい家族の一員にぴったりだわ」と引き取ることを決意。

 

更に2人、血友病を患っている男の子を引き取りますが、血漿分画製剤がきっかけで、3人全員がHIV陽性となってしまいます。

そして、引き取った男の子のうち、2人を9か月の間で亡くされました。

(最後の1人は、2004年に23歳で亡くなるまで、生きることができたそうです。)

 

しばらくは、更に子どもを迎えることはできないと思っていましたが、亡くなったマイケルが、「アフリカから養子を迎えてほしい」と言っていたことがきっかけで、養子縁組を決意。

こうして巡り会ったのが、ミケーラとミアでした。

 

 

ミケーラとエレーヌさんのインタビュー(2017年)。

 

インタビューの最後、「ミケーラのご両親に伝えたいことはありますか?」と問われたエレーヌさん、こんな回答をされていました。

 

 彼女のお母さんに、あなたの娘さんは、立派な人間に育ったと伝えたいわ。

 彼女は、(白斑のせいで)ミケーラが周りから軽蔑されることをずっと心配していた。

 この子は、その逆境を乗りこえたのよ。

 

 

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ミケーラとエレーヌさんの自伝