みなさんは軍隊の「階級」ってよくわかりますか?
戦争映画に限らず、映画やドラマを見ていると「中尉」だとか「軍曹」だとか出てくることが多いと思いますが、いったいそれがどのくらいの地位なのか気になったことってありません?
今日は旧日本軍を例にしてその解説を。
軍隊の階級は大きく分けて 「士官」 「下士官」 「兵」 の3つに分かれます(偉い順)。
まずは「士官」から。下から順に、
少尉・中尉・大尉(尉官)、少佐・中佐・大佐(佐官)、少将・中将・大将(将官)となります。このうち特に将官のことを陸軍では「将軍」、海軍では「提督」と呼びます。
※ 「元帥(げんすい)」というのは大将の上ということになりますが、日本の場合これは名誉称号で、大将のうち特に功労のあった人に与えられます。正式には「元帥海軍大将 山本五十六」というふうに呼びます。
次に下士官はいったん置いておいて「兵」の方。下から、
二等兵、一等兵、上等兵、兵長 となります。
海軍では当初、四等兵、三等兵、二等兵、一等兵と呼び、四等兵と陸軍の二等兵が同格としていましたが、紛らわしいので途中から陸軍と同じ呼称に変更しています。
最後に「下士官」。「兵」と「士官」の中間の階級です。これは陸海でまったく呼称が違い、
陸軍・・・伍長、軍曹、曹長、准尉
海軍・・・二等兵曹、一等兵曹、上等兵曹、兵曹長
となっています。ちなみに下士官以上が公務員扱いとなります。
ではそれぞれがどのくらいの権限があったのか 一番わかりやすいと思われるところで陸軍歩兵部隊の場合を例に説明してみます。
少尉・・・小隊長。80人くらいの部下を持つ。
中尉・・・中隊長。200人(3個小隊)くらいの部下を率いる。
大尉・・・大隊長。600~800人くらいの部下を率いる。
少佐、中佐・・・直接部隊を率いるより司令官の参謀などを務めることが多い。
大佐・・・連隊長として3千人程度の部隊を指揮する。
少将・・・旅団長として5千人規模の部隊を指揮。
中将・・・師団長として1万人以上の部隊を指揮。
大将・・・軍司令官として複数の師団を指揮。中将が任命される場合もあり。
以上は大雑把な分類で違う場合も多々ありますが、だいたいの感じはつかめるかと思います。今後映画などを観る時の参考にしてみてくださいね。
以上、豆知識でした~