【資産損失(全部損壊の場合)について】
Ⅰ 事業的規模の場合
①対象資産
不動産、事業、山林の事業用固定資産と繰延資産
②損失発生原因
取壊し、除却、滅失等その損失事由は問わない
※譲渡は除く
③損失額
直前簿価 - 廃材価額 - 保険金等の額
※廃材は処分していなくてもマイナスする
※保険金が確定していなくても見積計上する
④取扱い
③の損失額の全額を必要経費に算入
※立退料、取壊し費用は別建て表示する
Ⅱ 事業的規模以外の場合
①対象資産
不動産、雑の業務用資産
②、③→上記Ⅰと同じ
④取扱い
所得金額を限度として必要経費に算入
※所得限度の算式を組むため、必要経費の最後に計算する
(1)総収入金額
(2)必要経費
①立退料
②取壊し費用
③資産損失
(イ)損失の金額
(ロ)(1)-(2)①②
(ハ)(イ)><(ロ) ∴少ない金額
(3)(1)-(2)=×××
≪ポイント≫
事業的規模→全額必要経費→損益通算可能
〃 以外→所得限度あり→損益通算不可 最後に計算する
【貸倒損失について】
Ⅰ 対象者
不動産、事業、山林の事業的規模
Ⅱ 対象債権
貸金等・・・事業遂行上生じたすべての債権
Ⅲ 損失額 3パターン
①法律上の貸倒れ
キーワード→認可決定、協議決定、債務免除通知
損失額・・・切捨額、債務免除額
②事実上の貸倒れ
全額が回収不能が明らかな場合
※担保を処分した場合はマイナスする
※担保がまだある場合は貸引の個別評価
損失額・・・全額
③形式上の貸倒れ ※売掛債権のみ
1 取引停止時以後1年以上経過
2 同一地域の売掛債権の総額<取立て費用
かつ、支払督促しても弁済なし
損失額・・・売掛債権 - 1円
Ⅳ その他
①金銭債権の譲渡損失
実質的に贈与をしたとみとみられる場合を除き、貸倒損失として取り扱う
※譲渡所得とはならない
②事業廃止後に債権が回収不能となった場合
事業廃止年分又はその前年分の必要経費に算入する
1 事業廃止年分
(イ)損失の金額
(ロ)事業廃止年分の事業所得の金額
(ハ)事業廃止年分の課税標準の金額
(ニ)上記の最も少ない金額
2 その前年分(1で引ききれない場合)
(イ)損失の金額-上記1(ニ)の金額
(ロ)その前年分の事業所得の金額
(ハ)その前年分の課税標準の金額
(ニ)上記の最も少ない金額