【転載】6・13釜ヶ崎弾圧への「抗議声明」
抗議声明
2008年6月13日から6月17日まで、釜ヶ崎で日雇労働者は西成署を糾弾する闘いに起ち上がった。結果的に暴動という形態で起ち上がった日雇労働者らによる闘いに対し、大阪府警・西成署は、大量の機動隊と高圧放水車により、徹底的に力で封じ込めようとした。この結果、機動隊の隊列の中に引きずり込まれて、リンチを加えられた労働者や、高圧放水車の放水により、肋骨を骨折したり放水を右目に受け、手術を受けなければならないほどの重症を負った労働者も現れた。
そして、大阪府警・西成署は18人の労働者を「公務執行妨害」の容疑等で現行犯逮捕し、釜ヶ崎地域合同労働組合(釜合労)の稲垣浩委員長も、6月18日に、「道路交通法違反」の容疑で令状逮挿された。さらに現段階(=2008年6月27日現在)では、すでに4人の労働者が起訴されるに至っている。私たちは、大阪府警・西成署によるこの弾圧を許さない。そして同時に暴動という形態で起ち上がった日雇労働者らを支持する。
今回の日雇労働者らによる西成署を糾弾する開いは、労働者Aさんの訴えが発端となった。2008年6月12日の夕方、Aさんが飲食店での出来事から西成署に連れて行かれ、そこで警察官によって暴行を受けたというのだ。
翌日の2008年6月13日、Aさんから相談を受けた釜合労は西成署前での抗議行動を行った。釜合労が抗義行動を行うと、続々と日雇労働者らが西成署前に集まり、抗議行動に合流。そして労働者は、暴動という形態で西成署を糾弾する闘いに起ち上がったのだ。この労働者の闘いに対し、西成署は「(Aさんへの)暴行の事実はない」というコメントを発表したのみで、後は、大量の機動隊と高圧放水車までをも動員し労働者の闘いを圧殺しようとしたのだ。
多くのマスコミもまた、警察の発表を鵜呑みにして、あたかも釜合労が、今回の労働者の闘いを扇動したかのような報道を続けているし、現場に駆けつけた若者らを「騒動に便乗する若者」と報じ、労働者と若者を分断しようとしている。しかしながら、西成署による労働者への暴行は、釜ヶ崎において決して「突出」したことではない。
2004年12月の西成署内における労働者への暴行事件(この時の抗議行動でも後日稲垣浩さんが逮捕された)、釜ヶ崎内15ヶ所に設置された西成署と直結する監視カメラの存在、西成署内で労働者を指す「450(汚れ)」という隠語、シノギ(路上強盗)にあって西成者に駆け込んでも「お前が悪い」と追い返す警察官…。こういった日々警察から受ける侮蔑と蔑視、さらには、ゼネコンを頂点に手配師・人夫出し業者を末端とする重層的下請構造の最下層で、資本の意のままに使い捨てられる労働力として存在させられている現実の中で、西成署前に集まった労働者らはAさんへの暴力事件を「我が事」と受け止め、自らの意思で、資本=支配権力の象徴とでも言うべき西成署を糾弾する闘いに起ち上がったのだ。
又、「騒動に便乗する若者」とあるが、若者たちが労働者と共に、連日に渡って、西成署糾弾の闘いを続けたのは、若者たちが、今、置かれている状況も、例えば派遣労働に象徴されるように、その本質において釜ヶ崎日雇労働者と同じものである事を、敏感に感じ取ったからではなかろうか。
私たちは警察による弾圧を許さない。暴動という形態も含めて、西成署を糾弾する闘いに起ち上がったすべての人々を支持する。大阪府警・西成署は暴行を加えたすべての労働者に謝罪し、1人1人にきちんと補償を行え!警察・検察・裁判所は、逮捕し起訴した仲間をすぐに釈放せよ!
《皆さんへのお願い》
(1)この抗義声明への賛同を募ります。賛同していただける方は個人、団体名、公表の不可を、2008年7月4日(金)まで【第1次集約期限】、下記のFAXか、Eメールにお知らせ下さい。個人名で肩書きを公表いただける場合は肩書きもお願いいたします。
(2)弁護士費用など、何かと必要になります。たいへん恐縮ですが、みなさまのご支援におすがりするほかない状況です。
カンパへのご協力をどうかよろしくお願いします。
2008年6月30日(月)
6・13救援会
【連絡先】大阪市西成区太子2-1-2 釜ヶ崎医療連絡会議気付
TEL/FAX O6-6647-8278
E-Mail:iryouren@air.ocn.ne.jp
【カンバ振込先】
郵便振替口座 00990-8-302431(加入者名:釜ヶ崎炊き出しの会)
※)通信欄に「6・13救援カンパ」と明記して下さい。
【声明】関西三里塚闘争に連帯する会 関西三里塚相談会
緊急アピール
成田空港強行開港三十年、一坪共有地を守り抜き、空港反対を貫こう!
2008年6月23日
関西三里塚闘争に連帯する会 関西三里塚相談会
一九七八年五月二十日に三里塚成田空港(現成田国際空港)が強行開港されて三十年となりました。成田国際空港会社は「開港三十周年」のキャンペーンを展開しています。発着回数の年間二十二万回から三十万回への増便や、羽田空港の拡充動向に対するけん制など、危機意識からのなりふりかまぬ動きです。
この中で、成田国際空港会社が、空港未買収地の「一坪共有地」の所有権を持つ国内や海外居住者約千二百人に、権利売却を求める手紙を六月から送りつけることが報道で明らかに成りました。一坪共有者からの強奪を図ろうとしているのです。
これは三十周年キャンペーンの一環というだけでなく、二〇一〇年のB滑走路の供用開始、滑走路の拡張と発着回数増とのセットの動きで、成田を超過密の空港・軍事利用の空港へさらに強化する企ての要になっています。
私たち関西三里塚闘争に連帯する会は、再共有運動に全力で取り組みました。このため妨害するものからの攻撃で、負傷したものも出ました。関西の共有者は現在も健在です。新誘導路建設に反対するとともに、空港会社の一坪共有地強奪キャンペーンを許さない取り組みを強化していかなければと考えています。
関西ではこの二、三年、共有地の堅持だけでなく、現実的に迫り来る「相続」問題なども議論してきました。単に堅持するだけでなく、現在の空港反対の闘いに、関西から連帯する取り組みの要として捉え帰そうとしてきました。
反対同盟の柳川さんから、一坪共有者の皆さんに対するアピールが発せられました。
共有者の方は一坪共有地を堅持しましょう。共有者でない方も、東峰現地での住民追い出し策動に反対し、環境破壊・軍事使用の空港拡大に反対していきましょう。一人でも多くの方が現地に再び結集を。一坪共有地を守り抜きましょう。
【声明】一坪共有地を守り抜き、三里塚闘争に連帯していこう
一坪共有地を守り抜き、三里塚闘争に連帯していこう
三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会
成田国際空港会社は5月、一坪共有者1200人に対して共有地の権利売却を迫る手紙を6月から送り付けることを報道(共同通信5/10付)を通じて明らかにしました。
空港会社は現在、暫定(平行)滑走路の北側延長による2500メートル化工事を2010年3月の供用開始を目指して地元東峰住民の反対の声を無視して強行しています。
そもそも暫定滑走路は国・運輸省─公団(当時)が2002年サッカー・ワールドカップのため利用客が増加するという口実で地元住民の反対にも関わらず北側に800mずらして建設し、2180mで供用開始したものです。民家の頭上40mをジェット機が着陸のために進入し、住民に騒音と排気ガスを昼夜の別なく降り注いでいます。また、四方を空港施設で取り囲んで周辺と切り離し、「陸の孤島」のような状態にしてしまいました。
東峰住民はそうした苛酷な環境の中でも空港反対を貫き、農業・生活を営み続けています。
発着回数30万回、空港会社の身勝手な野望を許さない
現在、暫定滑走路は長さの関係で中小型機しか発着できませんが、2500m化されるとジャンボジェット機の利用が可能となり、その騒音、排気ガス、重圧感は現在と比べものにならなくなります。まさに住民の健康破壊、生活破壊をもってする追い出し攻撃にほかなりません。
空港会社は当初計画の2500mの完成では飽き足らず、さらなる滑走路延長を打ち出しています。東峰住民を完全に叩き出した上で南側に延長し、3500m級の滑走路を作ろうというのです。
成田空港は国内外の圧力にさらされ危機感を抱いています。成田は「アジアのハブ空港」を目指していたにもかかわらず、ソウルの仁川空港にその実績で遅れをとり、中国、東南アジアでも機能の高い空港が次々と完成し国際的な地位の低下は明らかです。
国内でも関西、中部空港をはじめ、地方空港でも国際線の便数が増加し、とりわけ羽田空港の再国際空港化がさけばれ、神奈川県、東京都などが強力に推し進めています。「地盤沈下」をおそれる成田空港は来年度の完全民営化(株式上場)を控え、なりふり構わず空港機能の拡大を図らざるを得ないのです。
空港会社は現在、年間20万回の発着数が平行滑走路の完成で22万回に増えても、それでも需要に追いつかないとして30万回に増やす計画を明らかにしました。平行滑走路の離着陸の進入、発進角度をずらすことによって技術的に可能だというのです。発着数の増加、角度の変更によって騒音被害が増大し、騒音地域が拡大します。そのため騒音地域の住民には動揺、不安が広がっています。
東峰地区住民に対する追い出し攻撃を阻止しよう
空港会社と関連企業、県や地方自治体の飽くなき利潤の追及、利権の確保のためにまたもや住民が犠牲にされようとしているのです。
国・運輸省─公団はシンポ─円卓会議の過程で空港建設の誤りを認め、謝罪し、二度とこのようなやり方はしないと確約しました。しかし、今日に至るまで約束はこと
ごとく反故にされ、公団─空港会社は自分たちのやりたいことを一方的にやり続けてきたのです。そのカネと権力があれば何でもできるという姿勢は40年前と何ら変わっていないのです。
空港に反対する闘いの意義は全く変わっていません。政府─資本の横暴に対して住民の生きる権利と土地をまもり、民主主義を追及する闘いは三里塚闘争の原点です。一坪共有運動はそのようなものとしてあったし、現在も変わっていません。
木の根、東峰の共有地は横堀の案山子亭や鉄塔のある反対同盟用地と共に、横風、平行滑走路予定地のど真ん中に存在し、国・空港会社の野望を阻んでいます。一坪共有地は全国の空港に反対する仲間の意志の表現です。東峰の共有地は現に用地内で生活している住民と共にあり、共有地を堅持することは東峰住民への直接的連帯として現時点ではとりわけ重要な意味をもっています。また、木の根の共有地と加瀬勉さんの土地は、木の根ペンションと一体であり、農業のネットワークや国際交流の拠点として多くの人々に利用され続けています。
戦争のための空港の軍事利用・拡大をやめろ
米軍再編下での日米軍事一体化、有事法制、国民保護法など政府は戦争できる体制を着々と進めています。その中で戦争のためのインフラ整備として空港機能拡充は欠かせないものとしてあります。成田空港はすでに自衛隊の恒常的な外国派兵のための出撃拠点として使用されています。成田空港の軍事使用を許さず、これ以上の拡張を阻止する闘いは私たちの主体的課題です。
一坪共有地を堅持し、三里塚農民と連帯し、用地内住民をまもって共に闘いましょう。
2008.6.28