放射能関連用語の整理 その1 | PygmalionZのブログ

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3.11に誘発された福島第一原発事故(通称、福一)以来、放射能、放射性物質、放射線、放射線量、ベクレル、シーベルトなどの用語が、一般の新聞や雑誌、ネットなどでで多く取り扱われる事態となった。

 

しかしながらネットではこれらの言葉が正しく理解されていないケースが数多く見られる。

そこで、ここでは放射能に関わる用語を出来るだけ平容な言葉で解説する。

 

【放射能、放射性物質、放射線、放射線量とその単位】

これらの用語の説明と「点滅する電球での例え」を以下に示す。

用語

説明

点滅する電球の例え

放射能

物質がもつ放射線を放出する能力。

電球が持っている光(放射線)を発する能力。

ベクレル(Bq

放射能を表す単位で、放射性物質が一秒間に崩壊を起こし放射線を放出する回数。

電球の単位時間辺りの発光回数。

放射性物質

放射能を持つ物質。

電球。

放射線

放射性物質が放出する放射性エネルギー。

電球が放つ光。

放射線量

放射性物質の周辺で測定される放射性エネルギーの量。

電球の光の強さ。

シーベルト(SV

放射線量の単位で、放射性エネルギーを人体に与える影響度に換算した値。

電球の放つ光に照らされた場所の明るさ。

 

【自然放射線と背景放射線】

地球上にはもともと自然界が発生する天然の放射線が以下の通り存在し、年間約2.4mSVの自然被曝を受けている。

由来

説明

年間被曝量(mSV

宇宙線

太陽やその他の宇宙空間から放出される放射線。多くは磁気圏(磁気圏の地磁気が荷電粒子の侵入を妨げている)、電離層や大気に阻まれ地上に到達しないが一部の放射線は地表面や地中に達する。

0.39

地殻中の放射線

地中に存在する天然の放射性物質から放出される放射線。地中の多くの放射性物質は地球を含む太陽系誕生前に太陽の先祖となる星で製造された。

0.48

大気中の放射線

ラドンなど天然の気体放射性物質から放出される放射線。

1.26

飲食物由来放射線

動植物の細胞内には多量のカリウムが存在する。これは細胞活動の維持にカリウムが必要なため。カリウムは地球上に豊富に存在し、植物に吸収され、食物連鎖により動物に供給されている。このカリウムにはカリウム40と云う放射性物質であるカリウムが0.0117%の割合で含まれており、人間もこの放射性物質による内部被爆を常に受けている。体重60kgの人で約4000ベクレル。

0.25

参考)WIKIPEDIA http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A

 

また、自然放射線に近い言葉で背景放射線というものがある。これは上記の天然由来の放射線に加えて以下の物を含む場合がある。

・過去の地上核実験により散撒かれた放射性物質に由来する放射線。

・チェルノブイリ由来の放射性物質に由来する放射線。


(続く)