放射能関連用語の整理 その2 | PygmalionZのブログ

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3.11に誘発された福島第一原発事故(通称、福一)以来、放射能、放射性物質、放射線、放射線量、ベクレル、シーベルトなどの用語が、一般の新聞や雑誌、ネットなどで多く取り扱われる事態となった。

 

しかしながらネットではこれらの言葉が正しく理解されていないケースが数多く見られる。

そこで、ここでは放射能に関わる用語を出来るだけ平容な言葉で解説する。



(続き)

【主な放射線の種類と性質】

主な放射線について下記に説明する。

放射線

説明

性質

関連物質

α

α崩壊時に原子核から放出される高エネルギーの正電荷の陽子×2+中性子×2(ヘリウム原子核)

粒子が大きいことと荷電粒子であるため透過性は低い。紙一枚程度で遮蔽可能。

透過性低いα線だが人体に対するダメージは大きいため内部被曝については特に注意が必要。

U-238

β

βー崩壊時に原子核から放出される高エネルギーの負電荷の電子

荷電粒子であるため透過性は低い。数ミリ程度のアルミの板や1cm程度のプラスチック程度で遮蔽可能。

β線を発する放射性物質の内部被曝では、放射性物質から10mm程度透過する。β線を放出するCs-137は化学的性質が細胞に広く取り込まれるカリウムと似ており、多量に摂取すると全身の被曝を招く危険性がある。

Cs-137

Sr-90

Kr-40

γ

X

原子核崩壊の過程で余ったエネルギーが波長の極めて短い(高エネルギー)の電磁波として放出されたもの

高エネルギーの電磁波のため透過性が高い。遮蔽には鉛、鉄、コンクリートなど比重の重い物質で一定の厚みが必要。鉛10cmで1/100~1/1000に減衰。

 

中性子線

核分裂で放出された中性子(一般的な自然崩壊では中性子線は発生しない)

電気的に中性な粒子線で、重たい物質(重元素)に対しては透過性が高い。しかし軽い水素原子を含む水などには吸収され易い。原子炉内では水は効率よく核分裂反応を起こさせる為の高速中性子の減速材として利用される。

U-235

 

 

【半減期】

放射性物質の半減期には物理学的半減期と生物学的半減期がある。

半減期

 

半減期

物理学的半減期

放射性物質は原子核が不安定なため放置状態で自然に原子核が崩壊する自然崩壊を起こす。そのスビードは物質により異なる。物理学的半減期はその放射性物質の量が自然崩壊で減少し、半分になる期間を言う。一般的に放射性物質の半減期という場合は物理学的半減期を指す。

Cs-137 30年

Sr-90 28.8年

生物学的半減期

外部から取り入れられた放射性物質が体内で半分の量になる期間を生物学的半減期と言う。生物は外部から取り入れた放射性物質はその原子番号により決まる化学的性質により利用される部位や役割が異なり、それにより生物学的半減期が大きく異なる。また、代謝現象による半減期はある程度の個人差も想定される。

例えば

・セシウム(Cs)はカリウムに似た化学的性質を持つ。このためセシウムはカリウムと同様に細胞内に多く蓄えられるがカリウム同様に代謝により一定期間で対外に放出される。

・ストロンチウム(Sr)はカルシウムに似た化学的性質を持つ。このためストロンチウムはカルシウムと同様に骨の形成に利用され長期間体内に留まる。

Cs-137100日程度

Sr-90 50年程度