2025年10月1日掲載
2025年11月15日改訂
埼玉県日高市北平沢・新堀に自生するナラガシワを探しに行きました。また、今の時期は巾着田のヒガンバナが綺麗なので併せて訪ねました。
【巾着田】
2005年以来、20年ぶりの訪問です。平日にも関わらず、多くの人が来ていました。
河川の増水等により流れてきた漂流物の中に混じってきた球根が漂着し、根付いたものと考えられています。秋の彼岸には500万本のヒガンバナ(マンジュシャゲ)が咲き、日本一の群生地とされています。
クヌギ・ニセアカシア・ケヤキ・エノキ・ムクノキなどが河畔林を構成します。
ヒガンバナは場所にもよりますが、全体的に見頃を迎えていました。
上から見上げた様子。
開花時には葉がありませんが、花が終わると細長い葉が出てきます。
シロバナマンジュシャゲ(ヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種)とヒガンバナ。
また、日高市は埼玉県随一の栗の産地であり、「高麗川マロン」、「日高ぽロン」としてブランド化されています。市内には直売所もあり、利平が安く売られていました!この時期は巾着田のヒガンバナと併せて訪ねると良いかもしれません。
【日高市・北平沢のナラガシワ】
日高市のナラガシワは5年前にも探しに来ましたが、その時は見つけられませんでした。今回は新堀のナラガシワは見つけられませんでしたが、北平沢の自生地は見つけることができました!航空写真を見ながら、高麗川沿いで河畔林がある場所を探しましたが、川沿いに道がない場所が多いです。
ナラガシワは、八高線の線路の北東(下流)の高麗川左岸にありました。周囲は耕作放棄地?や栗畑になっています。写真左の個体は、ナラ枯れで枯死したナラガシワ?です。
ナラガシワ(左)とクヌギ(右)。
クヌギ(左)とナラガシワ・オオバコナラ?(右)。
クヌギ(中央)とナラガシワ(右)。
明るく開けた場所に生えるナラガシワ。
ナラガシワかオオバコナラ(ナラガシワ×コナラ)か判断に悩む個体が3本ありました。

オオバコナラと思われる個体。ナラガシワより葉が小形です。ここにはコナラはありませんでしたが、コナラは広く分布する上に風媒花なので花粉が飛んできてナラガシワと交雑したのだと思います。ナラガシワと戻し交雑を繰り返すと、限りなくナラガシワに近くなっていくと思われます。
ナラガシワは6本、オオバコナラ(疑惑含む)は6本あり、クヌギ・ヤマグワ・ケヤキ・エノキ・ネムノキなどが混生していました。優占種はナラガシワ・オオバコナラで、第二優占種はクヌギです。文献ではナラガシワは2本と書かれていましたが、実際には6本ありました!(文献に書かれている場所とは違うのか?)
アクセスは、高麗川駅・高麗駅・飯能駅から埼玉医大行きまたは埼玉医大国際医療センター行きバスに乗り、北平沢運動場で下車します。レンタサイクルは、越生駅と東飯能駅の東にある森泉サイクルにあります。
ナラガシワは、「埼玉県レッドリスト2024植物編」では絶滅危惧ⅠB類(EN)となっています。ここの群落は、「埼玉県の希少な植物群落」には記載されていませんが、毛呂山町・秩父市の自生地とともに貴重な群落と言えるのは間違いないでしょう。
※2025年11月15日追記
読者からの情報によると、北平沢の宿谷川沿いにもナラガシワが2本あり、おそらくこのナラガシワが文献に記載されているものではないかとのことです。いつか再訪しようと思います。
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〈参考文献〉
・須田大樹 関東地方におけるナラガシワの分布とその生育立地 埼玉県立自然の博物館研究報告 2018年3月























