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ベンチャー創業者が教える特許翻訳者になる戦略的思考

ベンチャーな特許翻訳者のフリーランサーな日常。特許翻訳者になりたい方をビジネス戦略で使われる手法を応用して応援するサイト。

「根拠に基づいた実践(EBP)」とは、「根拠に基づいた医療(evidence-based medicine)」のパクリです。



「根拠に基づいた医療」とは、1992年にGuyattという人が提唱した言葉と言われており、その後医学分野だけでなく、社会科学の研究分野にも大きな影響を与えた考え方です。


著者名: Guyatt, G. et.,al.

タイトル: Evidence-Based MedicineA New Approach to Teaching the Practice of Medicine

掲載誌名: Journal of the American Medical Association, 268, 2420-2425, (1992)


ステッドマン医学辞典には、「単純な科学法則と常識を情報の妥当性に適応することと, その情報を臨床に応用することである」と書かれていますが、実例で説明した方が分かり易いかもしれません。


有名なのは、「CAST study」と言われる心筋梗塞後の抗不整脈薬の使用について研究です。


心筋梗塞は、急性期が過ぎた後で不整脈を起こす可能性があり、それを予防するために、心筋梗塞の患者には抗不整脈薬を投与しておくべきだという「常識」が医者の間にあったようです。


しかし、その「常識」を検証するために臨床実験を行なったところ、最も死亡率の低いのは抗不整脈薬を投与しない非投与群だったことが判明し、以後は抗不整脈薬が心筋梗塞の患者に「なんとなく」投与されることはなくなったと言われています。これが「根拠に基づいた医療」の実践例です。


「心筋梗塞の患者が不整脈を起こしやすい」と「抗不整脈薬が不整脈を予防できる」ことから、「心筋梗塞の患者に抗不整脈薬を投与することは、患者の利益になる」と考えるのは、一見論理的な考え方に思えますが、現実は異なっていたのです。


いつも「なんとなく」していること、「もっともらしく」思えることについて、「その根拠は何?」「それって本当か?」ともう一度見直すと、「常識型」思考から「目的指向型」思考への転換ができるかもしれません。


私も「根拠に基づいたブログ」を心がけていきたいと思います。



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【事業計画書18】弱者が強者に勝つための戦略その4 では、もしあなたが「弱者」であるなら、取るべき戦略は「ニッチ戦略」又は「差別化戦略」であることを書きました。


「マイケル・ポーターの差別化戦略」(マイケル・ポーターは、経営戦略の神様みたいな人です)によると、差別化の方法は、基本的には以下の3つであると言われています。


1)商品・サービスそのもので差別化する


2)提供方法・付帯サービスで差別化する


3)顧客対応力で差別化する


差別化は、他者が簡単にまねできないものである必要があります。しかし、1)~3)を特許翻訳に当てはめて検討してみると、「他者が簡単にまねできない」という点で難しさを抱えています。


1)の場合は、例えば翻訳品質を向上させることが当てはまりそうですが、他者がまねできないほど質を向上させるのは至難の業です。


2)は、例えば、コメントの質の向上などが考えられますし、3)は、いつでも連絡が取れ、急ぎに案件にも柔軟に対応するなどが挙げられますが、これらも1)と同じで、相対的な効果しか期待できそうにありません。


ではどうしたらいいのか。ここではもうひとつ大事な差別化を考えて見ます。


4)イメージで差別化する


抽象的ではありますが、「自分らしさ」そのものを差別化に利用しようとことです。


例えば、車の例で言えば、ベンツなどは高級車として高い価格で販売されていますが、車そのものの性能で考えれば、トヨタのカローラの方がよっぽど高性能だったりします(ちょっと言い過ぎ?)。それでも高い価格で売れるのは、あのベンツのブランドイメージがあるからだでしょう。


であれば、あなた自身を「ベンツ化」してしまいましょう。あなたは、SMAPの歌の通り、元々「オンリーワン」の存在ですから、誰にも真似されることはありません。絶好の差別化の対象になりますよね。


もちろんブランドイメージは、企業によって作られるものではありますが、顧客によってその価値が認められなければ成立しません。いくら「私は特許翻訳界のベンツです」といったところで、「変人」と言われて逆効果になりかねません。


自分をベンツ化するには、それなりの「ストーリー」が必要です。そしてその「ストーリー」に沿って、上記の(1)商品の差別化(翻訳品質の向上)、(2)付帯サービスの差別化(コメント等の向上)、(3)顧客対応の差別化を展開すれば、きわめて高い相乗効果が得られるのではないでしょうか。



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「【事業計画書17】弱者が強者に勝つための戦略その3 」の続きです。


弱者が強者に勝つために最も大切な戦略は、第1法則が適用される戦場を選ぶことだ、というランチェスターの法則をビジネスに当てはめるとどうなるのでしょうか。


第1法則に従って弱者がとるべき行動は、軍事的に言うと、局地戦、接近戦、一騎打ちということになります。これをビジネスに当てはめると、局地戦の場合は、例えば、「ニッチ戦略」(大企業(強者)が手を回しきれない小さな市場(ごく狭い領域)で、ナンバーワンになること)が考えられますね。


同じことかもしれませんが、「差別化」(他者がまねできない強みを持つこと)も、第1法則に従って弱者がとるべき行動といえるかもしれません。


ここで取り上げたのは、単なる例に過ぎません。ビジネスに当てはめると何を意味するのか、あなたらしいオリジナルな解釈をぜひ考えてみてください。


一方で第2法則に従って強者がとるべき行動は、広域戦、遠隔戦、確率戦となります。例えば、強者の戦略=追従戦略(競合他社と同じことをすること)が考えられます。物量・力技で相手をねじ伏せるという感覚ですね。



【ランチェスター法則のまとめ】


1.弱者が勝つには第1法則が適用される戦場(市場)を選択すること。そうすれば武器性能(翻訳能力等)の向上による効果がより有効に機能する。


2.弱者の戦略の典型的な例は、ニッチ戦略/差別化戦略(他者と違うことをすること)をとること。


3.強者の戦略の典型的な例は、追従戦略(他者と同じことをする)をとること。



よくテレビの経済ニュースで、「差別化」という言葉を耳にします。ランチェスターによると、これは「弱者の戦略」ということになります。


でも、もしあなたが「強者」であるならば、「差別化」など余計なお世話です。それよりも「追従戦略」をとって、他者と同じことをするほうが、効率よく他者を圧倒することができるはずです。


自分が特許翻訳分野で「強者」であるのか、「弱者」であるのかを見極めてください。例えば、理系大学出身で、研究/留学経験があり、知財の実務経験がある方は、「強者」に分類されるかもしれません。


そのような人が取るべき戦略は「追従戦略」であり、一般的に言われている(本や雑誌やネットに書かれているような)「特許翻訳者になるため」のノウハウに従えばいいわけです。


一方で、文系出身、研究/留学/実務経験がないという場合、追従戦略で強者と戦うのは、いばらの道かもしれません。


「差別化」とか「セルフブランディング」が大切だというと、特に目新しいことではないと思われるかもしれませんが、「なぜ大切なのか」という自分なりの裏づけを持っているかどうかは、行動の動機付けに影響すると思います。


「なぜ」を繰り返して物事を掘り下げていくことの大切さは、「【事業計画書6】特許翻訳者になる!モチベーションを高く保つ仕組み 」をどうぞ。




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