いよいよ手術日当日

 

 

前日の夕飯以降は絶食おにぎり

当日朝も食事なしショボーン

(でも緊張感からか

そんなに

空腹感は感じ無い)

 

 

前日から下剤を渡され

当日朝に通じがなければ

 

「浣腸です」うんち

 

泌尿器科の看護師さんは

その辺

全然当たり前

 

 

(朝

看護師さんが

出ましたかぁ

と訊きに来る)

 

幸い(?)

昨日の夜と

今朝とちゃんと出てるうんち

 

 

 

ここで

事前に渡されていた手術着に着替える

 

ちょっとゴワゴワした厚手の

割烹着みたいセーター

 

首回りがすれて痛い

 

 

 

点滴用のルートを

朝に準備され

(この時は意外にもすんなりとれた)

 

騒動な話しはこっち

白内障と黄斑上膜の手術3

 

 

圧着ソックスも穿いて

準備を終えたころ

 

かみさんが到着

 

(立ち合いのためだけに

朝早くから無理をして来てくれるので

すまないと思う)

 

 

 

9時5分前に出棟

(出陣ではない)((笑)

 

ちなみに戻って来る時は

帰室というらしい

 

?なぜ棟を出て室に帰るのか?

 

今はどうでもいい

 

 

 

 

担当の看護師さんが

「そろそろ行きましょうか」

と連れもって

 

かみさんも一緒に

患者も歩いて手術室へ向かう

(点滴スタンドを一緒にコロコロして行く)

 

そこは

「手術室」

と表示された

よく見るドアの前

(生まれて初めての体験である)

 

 

緊張感

ほぼこの辺がピークまじかるクラウン

 

 

そのまま

手術室の自動ドアを入り

前室まで

 

ここで手術室の看護師に引き渡し

(患者はモノ扱い)

 

 

付き添いのかみさんとも

ここでお別れ

(この先は部外者立ち入り禁止)

 

付添人は手術終了まで

(手術時間はおよそ3時間ほどの予定

院内で待っていなければいけない

 

(何か不足の事態が発生した場合に

備えるため手術室を使用する場合は

原則そうする規定らしい)

 

 

手術終了まで

ちょっとその辺

遊びに行ってきます

 

駄目なのだえー

 

 

 

 

「じゃあね…………」

「がんばってね」

 

 

もしかしたら

もう二度と逢えない

可能性だって

無い事はない

 

(麻酔外来で散々脅された話はこれ)

腎臓がんになってしまった7(麻酔科外来の恐怖)

 

 

 

こんな時

 

「愛してるよ」

みたいなこと言えばカッコイイのかもしれないが

 

 

 

そんなこっぱずかしいこと

言えるわけがないチュー

 

 

代りにちょっと手を振るくらいが

関の山だが

 

 

実際

こんな時

身近な近親者がいることを

実感して

 

ちょっとした

幸せし感じてしまうピンクハート

 

 

 

もちろん

そんな感傷的なことなど

 

現場の看護師さんは

一切配慮などしない

(もっと重大な手術なら

あるかもしれないが)

 

 

 

更に自動ドアを越えて入った部屋で

最終的な名前の確認

施術のファイルの確認などがされる

 

(例の腕に取り付けられた

診察カード代りのテープの

バーコードがチェックされる)

 

 

 

 

しばらくここで待機させられ

更に自動ドアを入ったところが

手術室の区画になる

 

 

ここの病院は

見える限りでは

9室程の手術室が

廊下の左右に並んでいる

 

 

照明の(そらぞらしい)明るさと

ちょっと(効き過ぎの)冷房とが

 

寒々とした感触を増幅して

ゴワゴワの手術着に染みる

 

(周囲には準備に忙しくされている

人々の中で

患者一人

疎外感が半端ない

 

 

ただ

 

どこかで見たような雰囲気だな

と思っていたら

 

仕事柄

食品工場の内装工事も多いので

そんな工場のクリーンルーム

みたいだと思い至った

 

 

 

「さながら食品工場の

捌き場みたいなもんか…………」

(今日

その捌かれるのが

自分なのだが)

 

 

 

現在使用準備の部屋が幾つかあり

その一室に案内される

 

今日の執刀医はT先生

(女医さんである)

主治医は外来で話を進めてきた

I先生で

他にK先生と

三人のドクターで施術すると

説明される

 

 

ここでも本人確認と

手術内容を

患者自ら言わせる

 

「えぇーっと

腎臓がんの摘出手術です

…………よね?」

(ちょっと頼りない)

 

 

「はいそうですね

ではこちらの台に寝てください」

(違ったらどうするんだ

というツッコミを入れる余裕など

有る筈がない)

 

思ったより小さい寝台が中央にあり

周囲に機材が並んでいる

 

 

横向きに寝ると

サポートの看護師さんが

数人テキパキと準備を進めてゆく

 

腕の点滴が別の管に付け替えられ

血圧計

胸には心電図用の

端子が付けられ

足首にも

何か付けられる

 

 

 

マスクを口に当てられ

 

「ゆっくりと数回

深呼吸してください」

 

「スーハ―」

 

「気分が悪くなったりしませんか?」

 

「はい別に何とも…………」

 

そう言い終わらないうちに

 

 

 

 

意識が無くなる⁉

 

 

(本当は麻酔がかかって来る感覚が

どんなものか興味があったのだが

瞬殺状態であった)(残念)

 

 

……………………

 

 

 

「終わりましたよ」

 

どこからかそんな声が聞こえてきて

 

気が付いた時は

既に病室であったびっくり

((笑))