それについて、もう少し綿密な調査とダメージ乱数計算の訂正などをちょろっと書き留めておく。
近接物理弱点の鈍器ボーナスについてはこちらの記事↓
URL : http://blog.plaync.jp/pwwrbdsd/252536
近接物理弱点の細かい仕組みについてはこちらの記事↓
URL : http://blog.plaync.jp/pwwrbdsd/238714
近接物理弱点(パッシブ)とはその名のとおり、近接物理攻撃をしかけると、通常より大きなダメージを与えることができる特性である。
バルカシレノス駐屯地、悲鳴の沼、野獣の庭園やスタッカートの巣など、近接クラス向けに用意された狩場のMobに付与されるものであり、効果はPCの使うことができるスティグマオブシーレンや、ジャッジメント(トライビューナル・・・以下ジャッジメント)と似ている。
これらの効果は互いに重畳されるが、優先度存在し、
近接物理弱点(パッシブ) > スティグマオブシーレン > ジャッジメント
の順に優先度が高く、2個目以降の効果は1/2になり、3個目は1/4の効果となる。
つまりパッシブ、スティグマ、ジャッジメントの3個が同時に適用されているときの効果は優先度に従って左からダメージ1.3倍、1.2倍(1/2)、1.05倍(1/4)のようになる(スキル効果は最高Lvのものとする)。
この近接弱点は上記スキルと効果は似ているものの、どちらかというと武器弱点に近いものがある。近接物理弱点(パッシブ)は弓はもちろん、槍にも効果がないため、このような狩場では十二分に力を発揮できないだろう。しかし、弓の場合は変身することで恩恵を受けることができ、槍はスティグマ、ジャッジメントの方の効果は適用される。そして近接物理弱点(パッシブ)限定で鈍器は他の武器よりさらにボーナスを得ることができる。他の武器での効果はダメージ+30%で共通だ。
【鈍器ボーナス検証】
検証の仕方はいたって単純である。
武器のダメージ乱数によって取る値の上限、下限から平均を出し、Mobの防御力を算出するだけである。より精密な値を得るには、少数以下やダメージ1~2の誤差を相対的に小さくする必要があるので、比較的大きいダメージで実験を行う。
【実験準備】
用意したのは、62デストロイヤー。(ダンサーのサブで都合がよかった。)
レイジを使用することで単純に攻撃力を高くでき、同時にSSを使用することで誤差は小さくなる。また、この実験結果を踏まえた上で、ゴダード、ルウン地域の優秀な荘園種植えキャラである。
1.まずはMobの基本防御力を知るため、近接弱点の影響の出ない槍を用意。
2.槍で基本防御力を算出したら剣に持ち替え、与ダメージの上限下限を確認。
3.次に片手鈍器に持ち替え同様に与ダメージの上限下限を確認。
4.最後に前回ハッキリと分からなかった両手鈍器と片手鈍器に差があるのかを確認するため、与ダメージの上限下限を確認する。
ダメージ乱数は、
・槍→10%
・剣→10%
・鈍器、両手鈍器→20%
ダメージの上限は、
・平均ダメージ*(1+ダメージ乱数)
ダメージの下限は、
・平均ダメージ*(1-ダメージ乱数)
となる。つまり鈍器の場合は、
・ダメージ上限=平均ダメージ*1.2
・ダメージ下限=平均ダメージ*0.8
となる。今までの計算ではダメージ下限は 平均ダメージ÷1.2 とやっていたが、
実はゲームシステム的には上記の 平均ダメージ*0.8 の方が正しい。(そのせいで乱数の大きい検証ほど誤差は少し大きかった。)
よって、ダメージ上限は、ダメージ下限からみると、鈍器の時は、
ダメージ上限=ダメージ下限*1.25*1.2 = ダメージ下限*1.5
(今までは下限*1.44倍で計算していた。)
剣(乱数10%)の時は、
ダメージ上限=ダメージ下限*1.11*1.1 = ダメージ下限*1.222....
(今までは下限*1.21倍で計算していた。)
となるのでここに訂正しておく。ついでにレイピアの場合、上限は下限の2.333...倍になる。
【実験】
精密な値をとるための細かい注意は以下のとおり。
1.背後判定の値を取らないように初弾のダメージは対象にしない。
2.実験対象Mobは固定する。
3.力のハーブをとると攻撃力が上がるので、面倒にならないようマイトLv3はあらかじめ使用しておく。
4.その他Buff変動に注意。(今回は初心者Buff+マイトジュースなので問題なし)
使用武器は4つ。
・量産ドラゴンスレイヤー(装備時攻撃力1154)
・タラムグレイブ(装備時攻撃力962)
・量産エリージャン(装備時攻撃力962)
・アイスストームハンマー(装備時攻撃力1025)
・対象Mobは、近接弱点アイコン1つのアンテロープ(Lv68)。
・実験中にLvがあがりそうになったので、少し妥協したが、一応誤差は1%以下に収まっている。
武器\ダメージ | 攻撃力 | 下限 | 上限 | 平均 | 算出DEF | 上昇倍率 |
タラムグレイブ | 962 | 298 | 363 | 330.5 | 448.254 | 1.000 |
ドラゴンスレイヤー | 1154 | 464 | 567 | 515.5 | 344.745 | 1.300 |
エリージャン | 962 | 400 | 595 | 497.5 | 297.785 | 1.505(1.158) |
アイスストームハンマー | 1025 | 426 | 637 | 531.5 | 296.99 | 1.509(1.161) |
・( )の中は剣(その他武器)との比較。
・DEF算出方法は、
攻撃力 * 77 / 平均 = 算出DEF
・タラムグレイブで攻撃したときのDEFがMobの基本防御力である。
・近接物理弱点(パッシブ)は剣の場合、1.3倍のダメージを、鈍器の場合1.5倍のダメージを与えることができるのがわかる。
・Lineage2のダメージ計算は単純に比例、反比例が多く、防御力の値の変動を近接物理弱点の効果として置き換えることができる。
ちなみに属性に関してはこの類ではなく、コレを利用して属性値の正確な値を算出するのはで難しく、大まかに判断するくらいが限度である。
・片手鈍器、両手鈍器の倍率を見るに、前回の実験で分かりにくかった片手両手の差はないといえる。
実験結果からアンテロープ(Lv68)のDEFは448であることがわかった。
アルゴスのバレーアンテロープ(Lv68)のDEFも448である。
火炎の沼のハーメスオークスカウト(Lv68)のDEF・・・は軽装備タイプなので測らなかったが、
マーシュプレデターは(Lv69)のDEFは460、グローウィスプ(Lv67)のDEFは440である。
このようにLvに応じてMobのDEFはある程度決まっている。
このことは属性云々にも使えるのだが割愛。
ちなみにこのDEF論はHB浅瀬のような強化タイプ1と、鋼鉄の城の迷路隊長のような強化タイプ2でも変わってくる。ベースとなるステータスが変わってくるというべきか・・・。
とりあえず、鈍器ボーナスがあるらしいことは分かった。これをどう活用するかである。
実はこのボーナスはスキルにも乗ってくれる。
例えばフェイタルストライクは剣、鈍器、両方で使用することのスキルである。
剣で使うより、鈍器で使用したほうが16%ほどダメージが高くなる。デストロイヤーのスキル:クラッシュオブドゥームも両手鈍器で使用すると同様にダメージが高くなる。まぁ、ダメージ乱数が高くなるのでダメージ上限と平均が高くなるくらいだが、オーバーヒットは非常にしやすくなる。
悲鳴の沼のBOTが鈍器デストばっかりだったのはこのためかなぁとさえ思える。(BOTが蔓延っていたネクカタ、帝国では量産鈍器が出るので偶然か・・・。)
要するに持っている武器によってスキルの武器属性が変わるということだ。
Lv61~78という最近ではあまりPTが見られない期間をさっさと稼ぐのに、鈍器を使うのも悪くはない。
と、鈍器の隠れたパワーを発見したものの、高Lv帯での鈍器のパワー差はこれでは到底埋まらない。鈍器はクリティカル倍率1.5倍とか、HP消費でDEFあがるスキルとか追加して、リスキーOPを使いやすくする能力をドワーフにつけてもいいと思う今日この頃。