民主党がマニフェストに掲げたことに年金制度の改革があります。

現在の年金制度が行き詰るであろうことはほぼ確実と思われますのでこれ自体は非常に重要なことであり、また制度改革の時期としても今が一番良い時期であろうと思われます。

(これ以上遅くなると手遅れとなる可能性があります)


しかし、現時点ではどのような制度になるのか?はまだ不明です。

と言いますより、現時点で決まっているのはむしろおかしな事で、これから新しく制度を作っていくべきものなのだと思います。

その過程で、どのような制度にするのか?をオープンにされ、誰からも見れるガラス張りの状況の中で、誰もが「なるほど」と思えるような制度を作っていっていただきたいと思います。

(もちろん、全国民がOKとする制度を作ることは不可能ですが)


が、それ以前の問題として、現制度の整理がまず先決です。

新制度がどのようなものになるとしても、現制度での年金額を確定させないことには先へ進むことができません。

社会保険庁では新しく決まられた長妻厚生労働大臣のもとで、まずこれを2年で解決されることになるのだと思います。

しかし、そのためには必ず国民の皆様のご協力が必要です。

どの記録がどなたのものなのか?は、御本人に確認しない限りは確定できないからです。

新制度となっても、今まで掛けてきた保険料をなかったことにはできませんので、今までの年金はそのまま維持され、二つの制度が並存する形になると思われます。

それであれば、今までの記録の確認も必ずしなければならないのです。

こんなに記録がめちゃくちゃになってしまったのは誰が悪いのか?という議論はそれはそれとしまして、御自身のお金に関することなのですから、正しい年金額を受け取ることができるように御自身の目と手で、必ず間違いのない記録となるよう確認と訂正をなさって下さい。

政権交代選挙で民主党が圧勝して1週間。

新しい閣僚が決まるには、まだ1週間以上掛かるかと思いますが、すでに、いろいろなところで、民主党の年金制度はどのようなものか?といった話が出ているようです。


大変残念ですが、現時点では、まだ具体的なことは何もわかりません。

民主党内部ではなんらかの制度設定を考えていらっしゃると思いますが、外部へ出てくる情報としては、マニフェストの内容以上のものはありません。

政権が変わったのだから、大きな問題点である年金制度について、少しでも早く実態を知りたいと思われるお気持ちはわかりますが、まだ民主党政権は始まってもいない状態です。

この時期に制度の細かい運用に関することまで決められないというのは、当然といえば当然なことです。

今後、この政権が国会運営をしていく中で、何度も国会で審議され、国民の皆様の御納得も得られた上で、新しい制度を決めていくのが正しいあり方なのではないかと思います。


ただ、すでにわかっている点で、多くの方々が誤解をされている点があるようですので、少しお話をさせていただきます。

尚、私自身は民主党とは関係ありませんので、お問いあわせいただきましても、ここに書きました以上のことはお答えいたしかねます。

また、もし違っている箇所がありましたら、御容赦下さい。

間違いにつきましては、御指摘をいただきましたら訂正させていただきます。



まず、制度の形ですが、今までは基礎年金があった上に厚生年金などが乗る形でしたので誤解があるようですが、基本は「所得比例部分の年金」とのことです。

職種・業種・就労形態その他あらゆる仕事に関係なく、所得が多ければ保険料も多く、受け取れる年金額も多くなる、というシステムです。

ただ、それでは所得が低い方につきましては年金額が少なくなり、場合によっては年金が0円となってしまうので、7万円の年金は必ず支給するようにしよう、というのが「最低保障」ということです。

仮に20歳から60歳まで、ずっと収入がない方の場合は、7万円の全額が税金から支給されるということになります(この財源が消費税)。

そうでなければ、いくらかの保険料は必ず支払っていることになり、またいくらかの所得比例部分の年金があるということになります。

保険料は所得比例となるため、その根拠を明らかにするためにも現在の国税庁と合せた歳入庁を設置することになったようです。


この最低保障の7万円が、今まで保険料を支払わなかった人にも支給されるのは納得できないと仰る方も多いようですが、民主党の年金制度は、今までの年金制度とは全く別の制度ですので、今までの制度での未納は全く関係ないという考えのようです。

実際の運用面でどのようにしていくのかは課題だとは思いますが、例えば、2013331日までは今までの制度、201341日からは新しい制度、として全く切り分けて考えることとなります。


全く新しい制度となりますので、昭和61年の改正時のような制度の移行期間というものは設けないこととなるようです。

これは、私個人は高く評価すべきことと思っています。

なぜなら、仮に10年も20年もかけて移行した場合、移行途中で世の中が変わってしまい、制度がそぐわなくなる、ということが現実に起きているからです。

(昭和61年からの移行はまだ完全には終了していません!)

但し、二つの制度が並存する時期は当然に生じると思われます。



現時点では、保険料や支給額等の実際の運用に関する細かい部分はまだ何も決まっていません。

逆に言えば、今後の国会をきちんと監視することによって、おかしな制度をつくらせないようにすることが可能とも言えます。

今までのような無関心ではなく、自分の権利に直結することとして国政に強い関心を持ち続ける必要があるように思います。


また、この民主党の制度に変更となったとしても、その年金だけで暮らしていくのは難しい可能性が高く、自分で老後資金の手当てをする必要はあると思われます。

今後も自助努力は続けた方が良いでしょう。

自民党マニフェスト年金部分


年金記録問題への徹底対応

基礎年金番号に見統合の5000万件の記録の解明・統合に努めつつ、インターネットなどの利用により残された記録の内容をプライバシーに配慮し、国民に開示する。すべての受給者・加入者について、コンピュータ記録と約85千万件の紙記録との突合せを計画的に進める。社会保険庁の様々な問題を一掃するため、平成221月に日本年金機構を設立する。日本年金機構においては、業務の適正かつ効率的な実施を徹底しつつ、年金記録問題への対処と迅速な救済を行う。

年金記録問題については解決に向けて着実に進め、来年末を目途に解決させる。


将来とも安定した年金制度の構築

年金制度が将来にわたって国民の老後の生活を支える柱となるよう、年金制度を安定させ、充実させる。その上で3年以内に無年金・低年金対策のための具体的な措置を講じる。また、非正規で働く方への年金保障に向けた見直し、在職老齢年金の見直し等を行う。なお、被用者年金制度の一元化については、早期に実現する。

年金制度については政争の具とすることなく、超党派による協議機関を早期に立ち上げる等党派を超えて議論を行い、財源問題も含めた社会保障制度の一体的な見直しと整合的なものとして見直しを行う。



すみません。マニフェストとかなんとかという以前に、文章を書く基本として、提案書は箇条書きにして下さい(苦笑)。

それで、たったこれだけです。民主党と比べて、あまりに簡素で驚いてしまいました。

以下、個別にコメントいたします。


インターネットを利用する件

このマニフェストを書いた人は、年金記録がどのようなものか、またインターネットがどのようなものか、理解して書いていらっしゃるのでしょうか?データーベースをインターネットに繋ぐなど、ありえないことです。「プライバシーに配慮」なんてネットに繋げたら、その瞬間、情報が漏洩するのは目に見えています。年金記録は悪用しようと思えば、どのようにでも使える情報の金鉱脈です。この記録が欲しくてたまらない業者は山ほどいるでしょう。年金記録をインターネットに繋いだら、全日本国民の全てのプライバシーは全て無くなるとお考え下さい(現在の年金記録は独立したホストコンピュータから独立回線で各社会保険事務所等に繋がれています)。

よくぞ、こんな恐ろしいことを言えたものだと思います。何があろうと、絶対に阻止しなければなりません。

マスコミの皆様はお金面ばかり報道されていますが、その裏でこんなに恐ろしい内容が公約されています。月数万円やそこらの比較の問題ではありません。全ての資産を悪徳業者に持って行かれる可能性のあることを公約しています!これだけは、何があっても絶対に行わせてはいけません!!


コンピュータ記録と紙記録の突合の件

何かズレていますね。年金行政の現場を御存じないのでしょうか?

件数が約85千万件となっていますが、これは所謂「宙に浮いた5,000万件」の件とは別の話なのでしょうか?確かにコンピュータ記録は紙記録の不備もあって正確に入力されていない部分もありますが、これの突合に意味があるとは思い難いのですが…。

すでに書いていますように紙記録が絶対なものというわけではありません。すでにこの段階でミスは存在します。またミス(読み仮名違いや誕生日のズレなど)によっては、すでに基礎年金番号に正しく登録されていれば発見したとしても無意味です(もっとも正しく登録されていれば修正されていますが…)。また、その突合結果が真実とあっているのかどうかについては、いずれにしろご本人様にご確認いただかなければならないこととなります。

であれば、現在行われているねんきん特別便やねんきん定期便が正しく機能すれば解決する話です。

非常に無駄なことを考えているとしか思えません。このために掛かる費用はどのように考えているのでしょうか?


日本年金機構の件

すでに決まっていることです。前回のマニフェストへの総括ならともかく、今後行うことについての公約として意味があるのでしょうか?


来年末を目途に解決させるの件

何を「解決」されるのでしょうか?どう「着実に」進めるのでしょうか?何を「来年度末を目途に」解決させるのでしょうか?その為の手立てはどのようなものなのでしょうか?これでは検討ではなく質問ですね。これだけでは全く検討できないです。


年金制度を安定させ、充実させるの件

ですから、何をどうされるのでしょうか?

「年金制度の安定」とは何を安定させるのですか?もし現状が不安定なのなら、それはなぜなのですか?今までどうされてきて、それがどう悪かったのですか?それをどう変えていこうと考えていらっしゃるのですか?

「充実」とは何を充実させるのですか?年金の支給内容についてですか?今後に見込まれる支給増大に対してですか?それとも収入(保険収入・税収)を充実させるのですか?


3年以内に無年金・低年金対策のための具体的な措置を講じるの件

現時点では具体案が何もない、ということなのでしょうか?どういう措置になるのかもわからないのに、どう検討すれば良いのでしょうか?


非正規で働く方への年金保障に向けた見直しの件

これも、何をどうするのか、全くわかりません。「マスコミを賑わしている話題を組み込みました」というだけに見えてしまいます。

非正規社員の方でも条件が当てはまれば厚生年金・健康保険への加入義務があります。そうでなければ国民年金・国民健康保険への加入義務があります。加入義務のある非正規社員の方が厚生年金に加入されていないのであれば、それは企業への告知不足ですし、国民年金の保険料滞納が問題なのであれば滞納しないような保険料制度への変更か保険料を納付させるような教育あるいは年金制度への信頼回復が必要なのでしょう。

それとも障害以外の理由で収入が無くなった方への全く新しい年金制度を創設するのでしょうか?その場合、雇用保険制度・生活保護制度との関係はどうなるのでしょうか?また当然に支出が増えるわけですが、それに対する財源はどうされるのでしょうか?保険料を増額するのでしょうか?税金投入を増やすのでしょうか?税金を投入する場合は増税するのでしょうか?

全く違う議論をしなければならないことについて一括りに書かれましても、あまりにも漠然としすぎていて、全くわからない話になっています。検討のしようがありません。


在職老齢年金の見直しの件

これも、何をどう見直すのか、わかりません。

仮に、今まで行われてきた在職中の年金をカットしていることをカットしない方向へ見直すのであれば、今までの政策は失策だったということになります。それに対する反省もないまま見直すのでしょうか?いままで在職中の方(=個別に収入がある方)の年金をカットしてきたのは、今後見込まれる支給額の増大(団塊世代が受給すること)への対応であったはずです。少なくとも現時点で、問題としていた不足が解消されたとは聞いておりませんが…。

実は在職老齢の制度には様々な問題点があります。例えば、仮に収入があったとしても厚生年金に加入していないのであればカットされないという点です。これでは、本来の在職老齢年金を導入した意味がありませんし、何より不公平です。もしこの点の改善を考えているのであれば、各人の収入の把握とそれを年金にどう結び付けるのか?という議論をしなければなりません。突き詰めていけば、厚生年金と国民年金の不公平性への問題も含んできます。

あるいは、在職であっても低賃金であれば年金が支給されますので、高齢者の低賃金化を促進させていたりします。こちらになると、雇用問題や最低賃金の問題とも絡んできます。

しかし、どういったことを見直すのかすらわからないまま「見直しをします」と言われても、どう検討したら良いのかわかりません。


被用者年金制度の一元化の件

尚書きで書かれると、民主党が出したマニフェストへの対抗策なのか?と思ってしまいます。

これも何をどうするのか、一切わかりませんので、検討のしようがありません。


超党派による協議機関の件

これはどう考えたら良いのでしょうか…?呆れるとしか言いようがありません。

これでは、「自民党では年金制度の改革は行いません」と言っているのと同じです。超党派で決めることが「党の公約」なのでしょうか?

これが政権政党を謳う政党のマニフェストなのでしょうか…?



全体的に具体的なことは何一つ書かれておらず、「あぁします、こうします」では検討の対象とはなりえません。小学生が夏休みの最初に「夏休み中に○○をします」と約束するのと同じレベルです。

正直なところ、民主党のマニフェストにも不十分なところが沢山ありますが、自民党のマニフェストは論外としかいいようがありません。

私は民主党党員ではありません。もし自民党のマニフェストがキチンとしたものなら、正しく評価したいと思います。しかし、この内容では、どう考えてもまともな評価はできません。残念です。