民主党マニフェスト年金部分


16.年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する

【政策目的】

○年金記録問題の被害者の補償を一刻も早く進める。

○年金記録問題の再発を防ぐ。

○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。

【具体策】

○「消えた年金」「消された年金」問題への対応を「国家プロジェクト」と位置づけ、2年間、集中的に取り組む。

○年金記録が誤っている可能性の高い受給者等を対象に、記録訂正手続きを簡略化する。

○コンピューター上の年金記録と紙台帳の記録の全件照合を速やかに開始する。

○年金記録を訂正した人が、本来の年金受給額を回復するまでの期間を大幅に短縮する。

○全ての加入者に「年金通帳」を交付し、いつでも自分の年金記録(報酬月額を含む)を確認できるようにする。

【所要額】

2000 億円程度


17.年金保険料の流用を禁止する

【政策目的】

○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。

○保険料流用を禁止することで、年金給付の水準を少しでも高める。

【具体策】

○年金保険料は年金給付だけに充当することを法律で定める。

【所要額】

2000 億円程度


18.一元化で公平な年金制度へ

【政策目的】

○公的年金制度に対する国民の信頼を回復する。

○雇用の流動化など時代にあった年金制度、透明で分かりやすい年金制度をつくる。

○月額7万円以上の年金を受給できる年金制度をつくり、高齢期の生活の安定、現役時代の安心感を高める。

【具体策】

○以下を骨格とする年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる。

<年金制度の骨格>

○全ての人が同じ年金制度に加入し、職業を移動しても面倒な手続きが不要となるように、年金制度を例外なく一元化する。

○全ての人が「所得が同じなら、同じ保険料」を負担し、納めた保険料を基に受給額を計算する「所得比例年金」を創設する。

○消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、全ての人が7万円以上の年金を受け取れるようにする。「所得比例年金」を一定額以上受給できる人には、「最低保障年金」を減額する。


19.年金受給者の税負担を軽減する

【政策目的】

○年金受給者の負担を軽減し、高齢者の生活の安定を図る。

【具体策】

○公的年金控除の最低補償額を140 万円に戻す。

○老年者控除50 万円を復活する。

【所要額】

2400 億円程度


20.歳入庁を創設する

【政策目的】

○年金保険料のムダづかい体質を一掃する。

○年金保険料の未納を減らす。

【具体策】

○社会保険庁は国税庁と統合して「歳入庁」とし、税と保険料を一体的に徴収する。

○所得の把握を確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入する。




それぞれにコメントしたいと思います。

まず根本的に、この内容はこの選挙だから作りました、という内容ではないですね。以前のマニフェストにもほぼ同じ内容が書かれています。政権政党ではないですので、実現化ができておらず同じ話の繰り返しになる、というのはわからないではないですが、少し時代遅れな部分もあるように思います。


16.「一括補償」を実施の件

いずれも実現が不可能なことではないでしょう。

ただし「国民の皆様のご協力があれば」という前提で、です。

年金記録の未統合に関しては、どんなに政府(社保庁)サイドが頑張っても、絶対に限界があります。

御自身の過去の記録がわかるのは御自身のみ、と考えるべきです。仮に社保庁が勝手に統合し、それが間違えていた場合、どれほどの騒ぎになるのか?を想像すれば、容易にわかることかと思います。

まずは、国民の皆様に、年金記録は御自身のものとして自分の責任で確認しなければならないものなのだ、という認識を持っていただく必要があるでしょう。

それ以外に大きな問題として、絶対的に作業人数が必要なことですので、その部分をどうされるおつもりなのか?が疑問です。今後公務員の数を減らすのであれば、なんらかの手立てが必要となります。それをどうされるのか?「【所要額】2000 億円程度」の範囲内で賄えるのか?が問題です。

尚、最後の「年金通帳」が疑問です。現在の年金手帳とどう違うのか?また今後、毎年送られる予定のねんきん定期便との関係はどうなるのか?仮にねんきん定期便をそのまま継続して、新たに年金通帳を作成するのであれば、経費の無駄遣いではないのか?という部分が疑問です。また、わざわざ社会保険事務所へ出向いて記帳するのであれば、実行されない方の方が多いでしょう。ねんきん定期便の方が有効です。


17.年金保険料の流用を禁止するの件

正直言いまして、この件に関しては全く経費はいらないでしょう。現在ある年金保険料を流用させるための法律を廃止すれば良いだけの話です。例えばマッサージチェアを買ったとかという話も、そもそもそういう法律があるからこそ起きた問題であって、そういう法律を無くせば済むだけの話です。


18.一元化で公平な年金制度への件

ここまで全てに「公的年金制度に対する国民の信頼を回復する」と入っているところが笑ってしまいますが…。なぜ年金制度に対する信頼が無くなってしまったのか?を考える必要があるのではないでしょうか。

さて、一元化ですが、そもそも昭和61年の改革の時に基礎年金を導入したのは、全年金制度を一元化させることが目的だったのですが、その後20年以上(その時に生まれたお子様がすでに成人されています!)経っても、実現化できていません。それが何故なのか?を考える必要があるでしょう。

例えば、記録が整理できていないのもその一つでしょう。各制度間での成熟度の違いの問題は大きな問題として存在します。また、共済組合側の協力の問題もあるように思います。これらを踏まえた上での公約なのか、少し疑問に思います。

そして「所得比例年金」と「最低保障年金」ですが、この部分はもう随分前から変わっておらず、もう一度検討し直された方が良いように思います。現実問題として、それらの基礎となる収入(保険料であれば保険収入、税金であれば税収)をどうされるのか?が少なくともこのマニフェストでは不明ですので、このままでは納得がしにくいでしょう。

「最低保障年金」は月7万円ということですが、それでは生活ができる額とは言えず、「最低保障」とは言えないでしょう。もっと違う形の年金制度を考え直す必要があるように思います。

また、生活保護費との関係が述べられていないのも不十分です。


19.年金受給者の税負担を軽減するの件

少し、得票対策的な色合いがあるように思います。

高齢者の税負担を軽減するということが今後どういう結果に結びつくのかを考えると、ちょっと甘いように思います。

少なくとも、収入や資産がある方とそうでない方とで分ける必要はあると思います。


20.歳入庁を創設するの件

歳入庁の創設自体は悪くないと思います。

ただ、その前提として社会保障に関する費用をどのようにするのか?の議論がなければ、単純に取り立て屋を変更しただけの話で終わりかねないでしょう。

社会保障に必要な費用のうち、どの程度を税金で賄うのか?、保険料制度を利用し続ける場合、所得との関係をどうするのか?、そもそも保険料制度である必要があるのか?など、もっと議論を重ねないといけないように思います。


マニフェストはどうしても細かいところまで書くことができないのでしょうが、それでも隔靴掻痒の感覚があります。言っていること自体はそんなに悪くはないけど、でも実際はどうするの?というところが、イマイチ見えない感じです。

「ねんきん定期便」や「ねんきん特別便」の専用ダイヤルは、一般的なことに関するお問い合わせには答えられますが、個別の問題に関しては殆ど対応できていません。また、個人情報に関わる部分になりますと、電話での対応はどうしてもできなくなってしまうようです。抜けや間違いを本当に間違いなく訂正してもらおうと思われます場合には、やはり社会保険事務所までおいでいただくしかないようです。



一時期は社会保険事務所が非常に混みあい、特に首都圏のベッドタウンとなる地域の社会保険事務所の込み具合はひどく、3時間待ちはザラで酷い時には朝に整理券を取って夕方…などということもあったようですが、現在ではそこまでひどい混雑にはなっていないようです。

しかし、やはり日や曜日、時間帯によっては混んでいることもあるようです。

社会保険庁のwebサイトには、各社会保険事務所及び年金相談センターの込み具合についての情報があります。


http://www.sia.go.jp/sodan/madoguchi/nenkin/konzatu.htm

これはあくまでも過去の集計でしかありませんので、おいでいただく御予定の日・時間に混んでいるかどうかの確約にはなりませんが、御参考になさってみて下さい。



一般的に、年明けすぐ、お盆、GWなどの連休の谷間は非常に混みあいます。もしおいでになられるのでしたら、この時期は外された方が賢明です。

逆に比較的すいているのは、雨の日、雪の日、台風が来ると言われた日など、あまり出歩きたくないと思ってしまう日です。

また、夏は暑い昼間、冬はまだ薄暗い朝やもう暗くなった夕方などは比較的すいています。

曜日では、あくまでも一般的な状況としてですが、月曜日は非常に混みあいます。週中の水曜日、木曜日は比較的すいていて、金曜日はまた少し混みます。

月に1回、土曜日に開庁していますが、地域によってはこの日がすいていることもあるようです。



交通の便の良い事務所は混みやすい傾向にあります。また、管轄する世帯数が多い事務所(管轄区域が広い、ベッドタウンがあるなど)も混みやすいようです。御相談に関しましてはどこの事務所・相談センターでも対応されますので、すいているところへ行かれた方が良いでしょう。ただし、御手続はお住まいの社会保険事務所など管轄している事務所でないとできないことがありますので、御注意下さい。



老齢年金の受給までは時間がある方の場合、慌てて訂正をする必要はありませんが、万一の可能性を考えれば、すでにわかっている抜けや間違いはできるだけ早くに修正された方が賢明です。わざわざ御足労いただくのも大変かとは思いますが、可能であれば、社会保険事務所で御確認・御訂正されますことをお勧めいたします。









今、仕事しながらTVの再放送を見てたんですけど(^^;)

某シンスケ氏が司会の法律番組で、

遺族年金が内縁の妻に支払われるか?、正妻に支払われるか?

という問題をやっていました。




悪いけど、なんでも弁護士&裁判所で決まると思ってもらっては困ります。

これは社保庁が決定することであって、弁護士も裁判所も基本関係ありません。


確かに、遺族年金を受け取ることができる遺族には内縁の妻も含まれます。

しかし、これは戸籍上の妻が居ない場合限定です。

戸籍上の妻が居た場合は、内縁の妻には支払われません。

戸籍上の妻が居る場合、内縁の妻の地位は重婚関係となるので、その存在は認められないのです。

内縁の妻がその存在を認められるのは、あくまでも、法律上妻となることは可能だけれど、諸事情(子供の反対など)で籍を入れることができなかった方の場合のみです。

もちろん、籍が入っていないだけで実質夫婦同然であることと、それが証明できることは必須です。


一度内縁の妻への支払いが決まっていた遺族年金が、正妻からの異議申し立てで正妻へ支払われるようになった事例など星の数ほどあります。 

年金の支払いは、他の遺族間の争いと同列に考えると大間違いが起きます。


いい加減なマスコミの情報を鵜呑みにされることのありませんよう…。


蛇足ですが、この番組の事例では子供は居ないことになっていました。
もし亡くなられた御主人さんが国民年金しか加入していなかった場合、そもそも遺族年金はありません。 

そのあたりの説明もなかったあたり、やはりTV番組は危険ですね。