民主党のマニフェストでは廃止となっていた日本年金機構が
発足されることになったそうです。
私は日本年金機構の廃止は良い案だと思っていたのですが…。
そもそもこの話は、郵政民営化が成功したと思い込んでいた
自民党政権が社会保険庁にも民営化を当て嵌めようとして
始まったことではないかと思います。
しかし、何でも民営化すれば良いというものではありません。
確かに、年金については様々な問題が出てきましたが、
その多くは民営かどうかを争点とすべき問題ではありません。
「年金」という制度そのものが不適切だったために生じた問題を
民営化という問題にすり替えたものが日本年金機構ではないでしょうか?
これは、今までの年金制度を変えさせないための目くらましとも言えます。
日本年金機構では、職員は公務員ではないということですが、
果たして、これが正しいことなのか非常に疑問です。
職員が公務員であれば、その給与は税金から支払われますが、
公務員でなければ、保険料から給与を支払わざるを得なくなります。
これは、取りも直さず保険料の目的外使用の正当化に他なりません。
郵政であればその収入は利益として計上できるでしょうが、
社会保険の場合はそのお金は「保険料」という預かり金に過ぎず、
利益ではないということが忘れられています。
それでなくても少なくなることがあきらかな年金原資を
このようなことでより減らして良いのでしょうか?
「消えた年金」や「宙に浮いた年金」などと言われていますが
その原因は年金制度そのものに原因があります。
これらの記録が基礎年金番号に統合されていないのは、
職員の怠慢ではなく、制度そのものの欠陥に起因しているのです。
もっとはっきり言えば、元々年金制度は正しい額の年金を
支払う気がない制度だった、ということでしょう。
また、50年に及ぶ年金制度の場当たり的な修正が重なった結果、
年金制度は非常に複雑に入り組んだものとなってしまっています。
一時的な措置や変更・廃止となった制度も数知れずあります。
それを過去の経緯を知らない人間が整理することは不可能でしょう。
自民党だろうが民主党だろうが、政治家の方々は、
その事実を御存じないとしか思えません。
すでに採用が決まられていらっしゃる方々の雇用の確保というのは
わからないではないですが、冷静な判断をすべきです。
本当に過去の年金記録を整理をすることが目的であれば、
ただ入れ物の名前を変えただけの「日本年金機構」は
ムダでしかないことがすぐにわかられると思います。
ちなみに、公務員という方々は、上からの指示であれば
それまでと違う方針であっても基本的には従う方々です。
ただ、サボリ体質ではあると思いますので、
その部分だけキチンと制御できるようにしておけば、
今までの職員の方々でも問題はないだろうと思われます。
尚、紙ベースの記録とコンピュータに登録されている記録を
突合させることは、全くのムダ以外の何ものでもありません。
以前にも書きましたが、紙記録そのものの信憑性に疑問があり
DB化された後に、すでに様々な訂正が行われていますので、
紙記録に合わせた場合は却って違ってしまう可能性も高くあります。
また、その記録が本人のものかどうかは、本人の確認がない限り
確定させることはできません。
ただのパフォーマンスのために、無駄遣いをすることは、
絶対に阻止すべきです。
無駄の排除を標榜している民主党が、このような無駄遣いを
しようとしていることに大きな疑問を感じます。
せっかく政権が変わったのですから、
本当に正しく年金制度を修正・改革していただきたいと思います。