「ヒトは今も進化している」(R・フーパー著 調所あきら訳 新潮社刊)に次のような一節があります。
略して引用させていただきます。
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日本人はなぜ長生きなのだろうか?
良質な食事、質の高いヘルスケア、行き届いた高齢者支援などが重要な役割を果たしているが、私(著者)はほかにも理由があると思う。
それは、日本文化の「しかたがない」の思想である。
自分にコントロールできない事態が起きると、日本の人々はよく「しかたがない」というセリフを口にして状況に甘んじる。この日本人のどうにかなるさ的性質が、長寿を、少なくとも部分的には説明してくれると考えている。
その理由の一つは仏教思想にあるが、この考えを支持する証拠がある。
「アメリカン・ジャーナル・オブ・カーディオロジー」(2005年5月1日号)によると、高血圧症の患者の中で、超越的瞑想を行っているグループは、そうでないグループよりも死亡率が低く、平均余命が長くなることが示された。
勿論、超越的瞑想と「しかたがない」と呟くことは同じではないが、でも同じ土俵でのことと言ってよいのではなかろうか。
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パットでミスしたときにくよくよするのとしないのでは、後者のほうがその後に続くゴルフの結果が良くなることはどなたも経験している通りです。
「ミスったことは仕方がない」と現実を受け入れて、そのように思うことでミスしたことを意識の外に置くことで、後へ引きずらないゴルフを続けることが出来るからだと思います。
これらのことから、長生きできる日本の文化というのはゴルフをやるうえでも貢献してくれるという考えが成り立ちます。
少々誇張して言えば「日本人はパットが一番上手くなる文化を持っている」と言えます。
その証拠に、「パットの神様」と言われる青木功はよく「しゃあない」とか「しゃあんめえ」という言葉を口にしています。
これはまさにR・フーパーさんの言う「しかたがない」の意味ですね。
さしあたっては、パットの神様の爪の垢でも煎じて飲むことにしますか。
→「青木功の決断力を身につけよう!」