0.長い前書き
昨年は家にいるとぼーっとすることが多くて、大晦日になって、あれ今日って大晦日だわと慌てる始末。その前に何気に適度に掃除したからいいけど、年賀状を作るなどをいくつか忘れてしまう始末で。まあいいかって過ごせてしまうものばかりだからいいけど。
年末の夜には例年のように近所の神社に出かけて2年参り。その後、除夜の鐘が鳴る中、以前に行ったちょっと遠い神社も行ってみるかと思って暗い夜道を歩いて行ったけど、どこにあるかわからなかった。以前には甘酒をふるまってくれる人もいたから灯が付いていて簡単にわかったのだけれど、この角を曲がればと思ったら、そこには何もなく暗い林があっただけ。以前は狐か狸に化かされてしまったのだろうかと思いながら帰ってきた。2時間ほど歩き回って帰ってきたので、腹減ったわと思いながら、きな粉餅を用意して炬燵にあたりながら食べたら、炬燵に潜り込むように疲れて眠ってしまった。
という新年早々の行いだったけれど、こんなで今年もマイペースで行きたいと思います。今年もよろしくお願いします。
元旦の昼を過ぎた頃にいつもながらにぼーっとして起きたら、あれもう昼過ぎてるわと慌てて着替え、部屋の隅にある箱が気になって開けたら、湯ノ沢鉱山の石たちが。久しぶりに気が付いてくれよと言ってきたような。で、早速箱を開いて、お節も食べずに新年早々に石を眺める。
石を見ていて2時間ほど経っていたから疲れてめまいがしてきたのかと思ったら、北陸、能登で大地震があ。新年早々とんだ災難が。皆さん無事でいられますように。
1.眺めた湯ノ沢鉱山の石たち
湯ノ沢鉱山の位置については以前に書きました。参考に。
まあ、行っても不毛な産地になってしまっていますし、坑道に入るのは水が滴り落ちていたりしており、崩れやすいので危険です。絶対入らないでください。
湯ノ沢鉱山の鉱物と言えば、津軽鉱、ヨルダン鉱、グラトン鉱、ウルツ鉱が有名です。いずれもレアな鉱物で所有している人も少ないはず。けれど今回はそれらでなく、普通に採れるもので。また今回の石たちの採集場所は、坑道やズリでの採集ではなく、ここから少し離れた場所で、硬い岩盤を叩いて採集したものです。
写真1 方鉛鉱(PbS、青森・湯ノ沢鉱山産、2012年11月採集)
ちょっと腐食気味で汚いけれど、八面体がわかる。
写真2 方鉛鉱(PbS、青森・湯ノ沢鉱山産、2012年11月採集)
八面体の方鉛鉱がいくつも見える。普通立方体の場合が多いのに。
写真3a 方鉛鉱(PbS、青森・湯ノ沢鉱山産、2012/11採集)
八面体の結晶が少し埋もれて見える。
写真3b 写真3aの試料を別角度で撮影
写真では黒くなってしまったが、八面体がわかる。
写真4 黄鉄鉱(FeS2、青森・湯ノ沢鉱山産、2012/11採集)
黄鉄鉱の八面体が集まってる。
写真5a つまらない石(実はウルツ鉱)、青森・湯ノ沢鉱山産
2012/11採集)
写真5b 写真5aの石
つまらない石だなあと思って、紫外線ライトを照らしてみると、橙色に光るわ。なんだろうなあ。少し水色に光る所も。あとで調べてウルツ鉱という結論に。
写真6a 写真5のつまらない石を裏返してとってみた。
写真6b 写真6aの石に紫外線ライトを照らしてみると水色に光る。よく見てみると玉滴石があった。
2.おまけ
で、紫外線ライトで橙色のところを拡大してみるとなにかコケライトのように見えるし、さらに別の試料をいくつも見ると紫外線ライトで橙色に光る石が他もある。いろいろ眺めてみると新しい断面も光るところがある。湯ノ沢鉱山で紫外線ライトを当てたら光るという話、そんな話聞いたことがない。また玉滴石があるなんて聞いたこともないよなあ。
とにかく方鉛鉱がどの石にもついているね。それにしても六面体の方鉛鉱が少なくて、八面体の方鉛鉱が多いし、黄鉄鉱まで八面体でびっくり。
と、新年早々に驚きの観察でした。
ほんとは、湯ノ沢鉱山の石として、津軽鉱、ヨルダン鉱、グラトン鉱を示したかったのですが、そちらは別の機会に。どこかでアップした写真があったような気がするけど、忘れてしまったので。
で、東北遠征(参)はまだ書きかけ。いつアップできるかなあ。
(追補記 2024/1/4)
あの紫外線ライトで光るものは何だろうと思いながら、今日は 残りの湯ノ沢鉱山の石を眺めていると、ウーム、これはもしかしたらウルツ鉱ではないかと思い始めて、ネットで調べたら出てきました。
このサイトには、最後に湯ノ沢鉱山のウルツ鉱が橙色に光るとありました。なので、ウルツ鉱に変更しました。閃亜鉛鉱もも同様に紫外線ライトで光るらしいですが、紫外線を当てないときの色が大概の場合、あんな色していないはずで、ウルツ鉱の方が近いので。