「くじけないで」の柴田トヨさん | むばたまの夜の衣を返してぞ着る

むばたまの夜の衣を返してぞ着る

~いとせめて恋しきときはむばたまの夜の衣を返してぞ着る~
平安時代の歌人小野小町の歌から。
愛しい人にどうしようもなく会いたくてしかたのないときは、
寝間着を裏返して寝るわ
(寝間着を裏返して寝ると恋しい人の夢を見ることができるという説があったそうで)



昨年末、仕事の大先輩から薦められた
99歳の詩人柴田トヨさんの詩集「くじけないで」


なんて瑞々しい感性の持ち主なんだろうと思った。
なんて優しい風を起こしてくださる人なのだろうと思った。

90歳を過ぎてから詩作と出会い、現在99歳のトヨさん。

「くじけないで」の最終章には

・・・だからどんなにひとりぼっちでさびしくても
考えるようにしています。
「人生、いつだってこれから。だれにも朝はかならずやってくる」って。

とある。
柔らかでいてしかも強い
こんな99歳に励まされているんだよね・・・。


「被災者の皆様に」と題された詩より



 ・・・

 もうすぐ百歳になる私

 天国に行く日も

 近いでしょう

 その時は 日射(ひざ)しとなり

 そよ風になって

 皆様を応援します

 

 これから 辛い日々が

 続くでしょうが

 朝はかならず やってきます

 くじけないで!