かけたることも なしとおもへば
(藤原道長)
2012年3月12日-13日
いよいよ、待ちに待ったオレの誕生日旅行(第二弾)である!
朝早くでて、旅立とうね!
と浮足立っていた我々であるが、そこはそれ、ほら二人とものんびりとした性格である。
ゆっくりと朝食を楽しんでいたら、
予定1時間押しで新大阪駅。
良いんです、良いんですょ。
そこからのぞみで、
なんと小倉まで行くんだってよ、奥さん!
小倉ってぇとー、なんと本州を超えるってのかい!
九州大陸に足を踏み入れるのは、
幼少期ぶりたい。
のぞみの中では、お約束、
私はビール、嫁はチューハイで乾杯


ひとはしゃぎして気づけば二人で寄り添って爆睡。
ぼかぁ、幸せだなぁ、、、
なんてボケていたら、もう小倉じゃありませんか!
なのに厠へ行こうとする嫁。
もう降りなきゃ!、、、と、
いきなりのハプニングもまた楽し。
小倉からは山陰本線で下関へ戻る。
下関からは山陽本線で川棚温泉へ。
ぐるっとするわけですな、あのあたりをね。
車窓からは、あの名作『世界の車窓』からに出しても
立派に視聴率を稼いでくれそうな、
キラキラと光る東シナ海。
まばゆいばかりの光が、
碧い海面に乱反射しておる。
昨日の日本海とは、
同じ海でも色が違う。
わぁーーーーーーー・・・・・っ!
と子供のように目を輝かせていたら、
あっという間に川棚温泉着。
ふんふん、看板ひとつとっても風情がありますなぁ。
みてよほら、隣の駅なんて「村」だぜ「村」!
駅からは歩いても30分らしいが、
既にチェックイン時間も過ぎていたし、
早く温泉に入りたい!とはやる気持ちで、タクシーへ。
運転手さんの九州訛り、まったく分からず。
が、嫁は適当に話を合わせている。
やっぱり関西弁は上品な言葉だなぁ。
と、他の地方の方言を聞くと思う。
けれど、嫁いわく、関西弁はべつに上品ではないらしい。
それでも上品に聞こえるのは、
やっぱり嫁自体が上品な女だからなんだなぁ、ほっほっほっ。
そうこうしているうちに、
鄙びた温泉街へ車は突入。
正直、嫁に聞いていた宿のような、
イケてる雰囲気の宿は全くなく、
本当にここなの?感をひとり感じる私。
しかし!
そう、この鄙びた温泉街のキラ星、
「小天狗 さんろじ」
は、わざと人目につかない、
奥まったところに入口があったのです!!!
東京の高級料亭のようだ・・・。
小粋だねぇ、っかーーーーーー!
ロビーも洒脱でほの暗く、
私好みの雰囲気である。
私はこうした、
柔らかい光と影のコントラストで彩られた、
木の表情を楽しめる部屋の雰囲気が好きだ。
嫁はきっと、
私のそうした好みもしっかりと把握して、
この宿を選んでくれたのだろうなぁと考え、
じんとした。
お部屋の入口には、
これまた風情ある部屋札がかかっておる。
その名も、
「壱之庄」。
なんとまぁ、ナンバーワンが大好きな、
この私にピッタリな部屋ではあーーーりませんかぁ!
お部屋の中に入ると、なんとすごい!
部屋に風呂がっ風呂がーーーーー!
いや、お部屋に風呂はね、
当たり前なんですけどもね、奥さん!
なんてこったい!
露天風呂
がね、ほらこの通り、ついてるんでやすよ!
なんてこったい!べらんめぃ!
お部屋もなんてまぁ、
落ち着ける、
良い風情じゃあないかい!
嫁いわく、
「薄暗い」とのことだが。
ベッドルームもね、
この通り、清潔感があってオシャレで。
新婚夫婦の営みも活性化されるってぇもんじゃないのかいっ!
てへってへっ!
ねぇ、奥さん!
2時間ほど、さっそくお湯につかって、
さぁっ!いよいよお待ちかねの河豚のフルコースと来たもんだ。
お料理は料亭の個室にて提供される。
これがまた、良い風情の料亭でねぇ、、、
こうして、丁寧に品書きがあってね。
そして、ホラ!
なんてこったい!
嫁は、河豚を食べ慣れていない私のために、
てっさをがっっっっ!とまとめて食べろという。
ええええーーーーーーーーー!
良いの?そんな贅沢なっ!!!!
お言葉に甘えて、
てっさをまとめてざざざーーーととり、
ザザーッと口へ運ぶ。
・・・・・
・・・・・
うんまーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!
こんな食感、はじめて!
目の奥がチカチカするほどんまい!
舌の上でぴちぴちと、河豚の身が踊る。
生きているようだ。
何枚か重ねてあるはずなのに、
サクッ、、、と噛みきれるいさぎよさ。
江戸っ子でーィ!てやんでぃ!
とはいえね、
思えばね、
河豚って食べ物は実に関西らしい食べ物だね。
きりっと見た目も半透明で
しつこくなく上品で、
舌の上ではしっとりと肌触り良く、
甘くてすっきりとして。
そして、毒がある。
まるで関西人(女子)のようではないか!
そしてそこへ、やっぱりこれ!
美しい器だなぁ・・・。
この美しい酒器で、
美人妻を前に飲む日本酒の、
なんと美酒たらんことよ。
ふぁふぁふぁ。
そして、これがまたたまらない!
くつくつとほどよく煮える新鮮なお野菜とフク。
ほんとにね、ほんとにね、ほんとにもう、、、
うんまいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
の一言でしか表現できない、このボキャブラリーが恨めしい。
シャッキリしたねぎや白菜、
えのきと一緒に、舌の上でほどけるフクの甘み。
あつっ、、、あつっ、、、
と、ほふほふしつつほおばるフクの身の、
なんともぷりっと引き締まった旨みだこと。
そこへ流し込む日本酒の芳香。
至悦、ここに極まれり。
至悦、そしてまた至悦。
最後、また至悦。
これがまた、泣けるほど暖かい味なの。
きっとね、
嫁は今回の旅行、
いっぱい私のことを考えて、
どんな内装が好きかとか、
趣味(風呂)とか、
関東に住んでいるから食べられないものを、
とかね。
いろいろいろいろ、
考えて企画してくれたんだぁって。
雑炊食べてたら思い起こされて、
泣けてきた。
嫁も引越や閉店を目前に、
疲労MAXで頑張ってるの知ってるから、ね。
なおさら、ありがたくて。
そんな大変なときなのに、
オレのために、、、うぅ、オレのために、、、
そして、締めのケーキで、
また、泣いた。
甘いものはお互いに好きじゃないけれど、
ケーキがあるってだけで豊かな気持ちになれるから、
と用意をしてくれる嫁。
ありがとう。
忘れないよ、この日のこと。
二人で食べた蟹や河豚。
蟹をひっつかんでおどけたこと。
猛吹雪の中、寄り添って歩いたこと。
河豚を食べながら、微笑みあったこと。
涙の味がした雑炊のこと。
夕方、流れていく雲を、
風呂につかりながら見たこと。
明け方、夜も明けきらぬ露天で語り合ったこと。
ケーキの生クリームを夜中、使ったこと。
あなたがくれたこと、全部。
あっ、忘れてた。
(忘れないよ、といったそばから。)
ちなみにこれは、アペタイザー。
美味しそうでしょ?
楽しい露天時間はあっという間に過ぎてしまい、
帰りの時間に。
・・・と、感傷に浸る間もなく、
名物瓦そばを食べては浮かれ、
ひかりレールスターでは、
浮かれるあまりに
ワインをラッパ飲みし、周囲のひんしゅくを買うオレであった。
いいんだよ、ね?
幸せだもんなっ★
ね、うちの世界で一番すてきな、
お嫁ちゃまへ。
ありがとう。
空蝉の 世は憂きものと 知りにしを
また言の葉に かかる命よ
(光源氏)
(空蝉の世は憂きものと感じておりましたが、
あなたの言葉・愛情をいただいて、また命をつないでいくことでしょう)






