パレスチナ人移住計画をトランプが主張
2月8日追加
トランプのパレスチナ人移住計画発言の後、早速イスラエルから計画実行を示唆する発言が出た。
●イスラエル国防相、パレスチナ人のガザ退去に備えるよう計画策定を軍に指示
「イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は6日、パレスチナ・ガザ地区の住民で「ガザを出たいと希望する住民は全員そうできるよう」にするとして、イスラエル軍に計画の準備を指示した。」
注目点ーーー
「ガザを出たいと希望する住民」
トランプの言うガザの所有とは以下のものだ。
「戦闘終了後にイスラエルがガザ地区をアメリカに「引き渡す」」
これではっきりしたわけだ。戦闘終了というのは、イスラエルが宣言するときか、アメリカに引き渡したときだろうな。
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2025年2月4日、トランプ節の一つがさく裂した。それは、ガザの復興のためのパレスチナ人移住である。
パレスチナ人移住計画は、トランプが言い始めたものではなく、2023年11月にイスラエルの大臣が発言していたものである。
トランプは、ネタニヤフとの会談前からパレスチナ人移住計画をイスラエルから聞いていて、イスラエルの代弁をしたわけである。
2023年のイスラエルのガムリエル情報大臣
●『ガザ市民の「自主的移住」支援呼び掛け イスラエル情報相』
2023年11月20日 15:47
イスラエル情報相ーーーガムリエル、11月19日
「国際社会はパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)再建を経済的に援助する代わりに「(同地区の)パレスチナ人に対し、世界各国への自主的な移住」を推進するべきだと主張した。」
情報大臣の発言は、トランプの発言内容に酷似している。
なぜトランプはイスラエルの代弁をするのかと言えば、以前から指摘しているイスラエルがなぜガザに侵攻したのかその理由に通じている。
世界中には、イスラエルのガザ侵攻は、ハマスがイスラエルを襲撃して人質を連れ去り、1200人を殺害したことだと言われているが、実際のところ、ハマスを監視していたイスラエルにとっては、ハマスの襲撃を察知して未然に防げなかったのだ。
しかし、実際には、襲撃をガザ侵攻のきっかけにしたかったためだと考えている。
イスラエルのネタニヤフはある目的のためにハマスの襲撃を事前に阻止しなかったのである。
ネタニヤフの狙いは、ガザ沖のガス田開発をイスラエルの利益にすることにある。
ガザ沖のガス田のためには、ガザにいるハマスは邪魔なもの以外の何物でもない。さらに邪魔になるのは、パレスチナ自治政府もそうだ。
だから、イスラエル軍のガザでの非人道的な戦争のやり方には、世界各国は非難するだけで特別制裁などは、ほとんどしなかったのだ。---バイデン政権が少しだけやった程度。
●ガザ沖のガス田開発計画●
そこでネタニヤフは、多少の人的損害を見越してハマスの襲撃を泳がせ、ガザ侵攻とガザ占領を段取りしたのである。
それをトランプは、ガザ沖のガス田についてアメリカ政府もかかわっていたからイスラエルのパレスチナ人移住計画をすんなりと代弁したわけである。
イスラエルはガザ侵攻後間もなく、ガザを南北に分断するような横断道路を建設した。ガス田からのパイプラインの通り道のために。
●ガザを南北に二分するイスラエルの道路、地中海に到達 衛星画像分析
アメリカがガザ沖のガス田開発にかかわっていることは次の記事でも明らかだ。
●『イスラエル大統領、ガザ地区のガス開発を容認、安全保障の確保を求める』
(大統領と記載しているサイトだが、正しくは首相)
ガザ沖のガス田開発は、イスラエルにとっても安全保障する対象である。そこにハマスの存在があったわけである。
だから、ガザ沖のガス田開発には、ガザにいるハマスを駆逐するしか他に方法がないわけである。
ガザにハマスがいる限り、また、戦後のガザにハマスがいる限り、基本的に安全が保障されないものとなる。
ハマスの襲撃事件は、安全保障を言う上では、格好の証拠でもあったのである。
今度はトランプが大統領になったら、トランプは、イスラエルのガザ戦後処理計画を代弁しているわけである。
つまり、トランプの言うガザの所有という言葉に惑わされてはならないことである。
トランプが言っているのは、ガザの戦後復興事業をアメリカ主導で行うというものでそのためには、ガザからできるだけ多くのパレスチナ人を周辺国に移住させ、復興中の労働力や資本をイスラエルを含めてガザに投入しやすくすることである。
ガザの復興をアメリカ主導で行うことは、たくさんの労働力と資本を投入する必要があるから真っ先にイスラエルが乗り出せる環境を整えるためにパレスチナ人を移住させて人口を減らす必要があるということだ。
トランプがガザの復興で求めている人口は、復興にかかわる頭数であって、ガザの住民の頭数ではないことだ。
しかもトランプの目論見は、ガザの復興をアメリカが主導しやすいようにあえて所有という言葉を使っているわけである。
所有という言葉は、イギリスの二枚舌のBBCでは、次のように正しく表現している。
●アメリカがガザ地区を「引き取る」とトランプ氏が発言、ネタニヤフ氏との会談後
トランプ節の所有という言葉は、「引き取る」という言葉が示している。
だから、所有という法的な問題ではなく、アメリカがガザの復興責任をイスラエルから引き取るということである。
それは、イスラエルが1200人殺されたから、戦争でガザをめちゃめちゃに破壊した責任をアメリカが引き取ることである。
実質、イスラエルの戦争責任をアメリカがガザ所有という表向きの言葉でアメリカが復興責任を引き取れれば、所有と同義になることである。だから、所有云々の国際法違反とか何とかの話ではないことである。
トランプの奴は、それを念じているから所有のための手続きなどの具体的な話は、一切公言する必要がないことになるわけである。
それと似たようなものは、パナマ運河の所有でもグリーンランドの所有(買い取り)でも同じことである。
法治的な管理をトランプが言っているわけで、ガザの場合は、イスラエルの戦争破壊責任の引き取りを意味するものである。
さすがに二枚舌の母国イギリスから独立したアメリカ人らしい発想をしているのがわかる。
トランプの場合、二枚舌は、ビジネス風に取り仕切ろうとするわけである。
ガザからのパレスチナ人の移住は、アメリカがエジプトやヨルダンなどに個別に打診することになるだろうから、今は、拒否している国も、トランプ流のビジネス外交で変わる余地がありうることを意味する。
特にエジプトのシナイ半島は、パレスチナ人移住の第一候補だろう。
要は、ガザ沖のガス田開発と並行してガザの復興を行うことであり、そのためには、ガザからハマスの残党は一切駆逐しなければならないことだから、パレスチナ人の移住と言っても全員ではないという意味だと考えられる。
ガザ復興の結果は、アメリカもイスラエルもガザ沖のガス田から得られる利益を分配するものである。
---ガザ復興の姿は、リビエラのようにガザの復興を果たすのではなく、ガス田開発で安全保障されたガスの輸出を達成すればそれでいいことになる。
後は、イスラエルがアメリカの承認を経てガザに入植すればいい。そのためには、ガザのパレスチナ人をできるだけ減らしたほうが何かと安全だといえるのである。
ガザ沖のガス田開発には、アメリカのほか、イスラエルとエジプトとパレスチナ人の一部がかかわっている。それについては、前掲のアラブニュースの記事に書いてある。
「パレスチナ、イスラエル、エジプト、アメリカ」
なお、ガザ復興の話よりも前に、停戦中に、おそらくイスラエルは、ガザにハマスに代る統治組織を立ち上げるはずだ。それについては以下の記事がある。
●ガザでの停戦交渉、9割が完了 パレスチナ高官がBBCに説明
記事の表題からは別個のことをその記事に書いてある。
(停戦の)「最終段階では、ガザ出身のテクノクラート(専門知識をもつ官僚)からなる委員会がガザを指導する」
トランプもイスラエルの魂胆を知っているはずだ。イスラエルを代弁するトランプだから当然その方向なのはほぼ確定だろう。
逆に言うとその通りに進まない場合は、ガザの戦争は、終戦しないことになりえる。
どれでも共通しているものは、ガザを占領する代わりにガザを管理することである。
だから、BBCの記事のように「ガザ出身のテクノクラートがガザを指導する」と書けるのである。むろん、最終段階以降のガザの復興の姿をトランプがリビエラだといったのである。
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