彼女の内面の世界には、
彼女の姿って、ないんですね。
たぶん、
客観的に、
自分を見ることができないからです。
自分って、
他人(ひと)の目が、
作っていたんです。
彼女の中に落ちて、
初めて、
わかりました。
僕だって、
きっと、
他人(ひと)の目を通して、
作られているんです。
生まれてから、
親とか、祖父母とか、
(他人じゃないですけどね)
「かわいい」とか「うるさい」とか、
そういうものとして、
僕が作られた。
もし、
他人(ひと)がいなければ、
僕なんて、
なかったかもしれない。
僕は、
今、
彼女の中にいるんですけど、
空があって、
大地があって、
彼女は、
この世界そのものです。
内面こそが、
彼女だからです。
僕だって、きっと、そうです。
僕の中にも、
世界があるんです。
僕が、
僕だと思っている僕は、
他人(ひと)の中だったんです。
僕らは、
互いに、閉じこめ合っているとも、
言えます。
「だったら、
彼女も、
今、
僕の中にいるってこと?」
僕の中に、彼女がいて、
その彼女の中に、
僕がいる。
「絆って、そういうこと?」
だったら、
僕は、内側から、
彼女を口説こうと思いました。
僕は、
容姿にコンプレックスがあるので、
内側からの方が、
口説きやすいです。
それで、
公園の芝生を撫でだしたんです。
「好きです。 愛してます」
って言いながらです。
だって、
この芝生も、彼女です。
芝生を撫でていると、
本当に、
彼女を感じてくるんです。
芝生が、
愛(いと)おしくなってきます。
ガマンできなくなって、
僕は、
服を脱ぎだします。
裸になって、
芝生を抱きしめます。
他人(ひと)が見たら、
ただの、変態です。
今まで、
こんなことをしなかったのも、
他人(ひと)の目を
気にしていたからです。
でも、
僕の手の中には、
彼女の目玉があるんです。
この世界は、
彼女が見ていた世界です。
彼女、そのものです。
彼女の中だから、
僕は、
するんです。
彼女を、
裸になって、全身全霊で、
求めるんです。
もともと、
僕らには、
絆があったんです。
僕らは、
互いの中に、生きているんです。
僕らには、
最初からは、
絆なんてないと、
思い込んでいただけなんです。
the end
あなたとの絆に感謝です![]()
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