地震なら、
揺れは、数分ですよね?
ところが、
ずっと揺れているんです。
街は、
すべてが破壊されて、瓦礫の海です。
黒色と灰色の波が、
そこら中で、
建設現場のような音を立てて、
渦巻いています。
彼女は、
白のビキニ姿で、
白いサーフボードに立って、
瓦礫の街で、
波乗りしています。
僕は、
彼女の後ろで、
彼女のお尻の下で、
サーフボードに、
しがみついています。
建物が倒壊して、
白い煙が立つと、
白いウサギに変わります。
彼女が、指さします。
「あのウサギをつかまえて!」
「なんで?」
だって、
巨大地震の最中ですよ。
ウサギなんか、
つかまえている場合じゃないです。
「あなた、だからよ!」
「僕、ウサギじゃないです」
「あなただって、わからないから、
逃げ回るのよ」
「つかまえて、どうするんですか?」
「あなただって、わかるためよ!」
「僕?」
「だって、あなたの夢なのよ?
あなたの夢には、あなたしかいないでしょ?
それが、わかったとき、
動いていないあなたも見つかるの」
必死に逃げる白いウサギを、
彼女は、
サーフボードで追いかけます。
「ほら! つかまえて!
動きを止めるの!
本当のあなたは、
動いてなんかないんだから!」
僕は、
言われるままに、
つかまえようとします。
ところが、
ウサギは、方向転換して、
跳ねて、逃げます。
彼女も、
サーフボードの向きを変えます。
僕の方が落ちそうになります。
「逃げ回っているのが、
あなただって、
わからなければ、
つかまえられないわよ!」
でも、
大地が揺れている状態なんです。
そのうえ、
ウサギは、右に、左に、
跳ねて、逃げます。
サーフボードに
しがみついているだけでも大変です。
ウサギをつかまえたとたん、
僕は、
サーフボードから転げ落ちます。
転げ落ちた僕の上に、
倒壊する建物が、
落ちて来ます。
僕は、
死に物狂いで、
逃げます。
跳ねているんです。
僕が、
白いウサギになっているんです。
ー つづく ー
ウサギになって、
跳ねてみたいです![]()
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