わたし、
中イキって、したことがないんです。
中イキって、
突かれながら、イクことです。
ひとりのときは、イケるんですよ。
それなのに、
彼に突かれているときは、
イケないんです。
何が、違うのかしら?
わたしの指なんて、
彼のあれに、較べると、
細いのに。
同じように、出し入れしているのに。
自分で、していると、
イケるんです。
以前、
彼に、口で、してあげていたとき、
「入れているのと、
口で、されるのって、違うの?」
って聞いたことがあります。
「違うよ」
「どう違うの?」
「楽だよ」
「楽って?」
「寝てればいいんだから」
彼が、
そう答えたとき、
淋しさを感じたんです。
だって、
そういう意味なら、
女だって、寝てればいいんです。
でも、
女は、寝ているだけじゃないですよ?
彼を受け入れようとしているんです。
ひとつになろうとしているんです。
だって、
わたしが、わたしのままだったら、
淋しいですよ。
もっと言えば、
わたしたちが、
わたしたちのままだったら、
淋しいです。
わかるかしら?
たとえば、
わたしが、
クリトリスをいじるのだって、
わたしを開くためなんです。
クリトリスをいじっていると、
わたしの中で、
わたしじゃないものが
光り始めるんです。
わたしという輪郭が溶けるんです。
もともと、
わたしは、
わたしじゃないって感覚です。
女で、
イクとき、
自分を感じている人なんて、いません。
むしろ、
わたしじゃなくなりたくて、
イクんです。
開くんです。
ですから、
彼に抱かれるのだって、
わたしたちが、
わたしたちじゃなくなるためです。
彼と溶けあいたいんです。
だって、
わたしたちが、
わたしたちのままだったら、
淋しいでしょ?
わたしってものが、拒絶なんですから。
だから、
わたしって、淋しいんです。
淋しくないですか?
ー つづく ー
淋しいんだ?![]()
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