サーフボードを抱えて、

ビキニ姿の女の子が、

誰かを待つようにして、

立っています。

 

 

でも、

建物が建ち並ぶ街中ですよ?

 

 

白い水着ですから、

まるで下着姿です。

 

 

きっと、

迎えのクルマでも待っているのでしょう。

 

 

これから海に行くのだと思います。

 

 

それにしても、

こんな格好で、

家から出て来たんでしょうか?

 

 

胸も大きいし、

スタイルもいいので、

目のやり場に困ります。

 

 

もしかすると、

雑誌の撮影なのかもしれません。

 

 

チラチラ盗み見ながら、

通り過ぎようとします。

 

 

ところが、

突然、呼び止められます。

 

 

「ちょっと、どこ行くのよ?」

 

 

僕は、

辺りを見回します。

 

 

僕が呼ばれるわけがないからです。

 

 

「遅いわよ!

 

何してたの?」

 

 

「・・僕ですか?」

 

 

「あなたに決まっているでしょ?」

 

 

僕じゃないに、

決まっているんですけどね。

 

 

だって、

知らない女の子です。

 

 

「何でしょうか?」

 

 

「いつまで待たせるのよ?」

 

 

僕は、

僕の顔を指さします。

 

 

「僕?」

 

 

「待ちくたびれたわよ」

 

 

「人違いですよ?」

 

 

ところが、

僕の名前を呼びます。

 

 

僕の方がびっくりです。

 

 

「どうして、

僕の名前を知っているんですか?」

 

 

「だって、

あなたの夢だもの」

 

 

「夢って?」

 

 

「夢を知らないの?」

 

 

確かに、街中で、

ビキニって、夢のようです。

 

 

僕は、

街を見回します。

 

 

いつも通り、

クルマが走って、

人々が行き交っています。

 

 

おかしいのは、

彼女だけなんです。

 

 

「・・・どうしてビキニなんですか?」

 

 

「波を待っているからでしょ」

 

 

「波?」

 

 

「動いていないあなたを見つけるためよ」

 

 

「動いていない僕って?」

 

 

「だって、

あなた、動いてないでしょ?」

 

 

「そっちが、

呼び止めるから」

 

 

「じゃ、見つけてよ」

 

 

「何を?」

 

 

「だから、

動いていないあなたよ」

 

 

ところが、

突然、地面が揺れ出します。

 

 

街も揺れます。

 

 

僕は、叫びます。

 

 

「地震だ!」

 

 

とんでもない揺れなんです。

 

 

 

ー つづく ー

 

 

 

街の中だと、かえってHですウインクラブラブ