僕の影を何枚も撮ったあとに、

ふっふっふっ・・・

って笑います。

 

 

見ます?

 

 

影を、ですか?

 

 

彼女は、

自分で、カメラを覗いて、

興奮しています。

 

 

こんな、いい影、

私も、

初めて!

 

 

一応、

僕も、見せてもらいます。

 

 

土手の芝生に、

ただ、影が映っています。

 

 

僕は、

土手の上に坐って、

川を眺めていたんです。

 

 

ね?

 

いいでしょ?

 

 

普通に、影だけど?

 

 

だったら、ほかの影と、

較べてみる?

 

 

彼女が、

僕のとなりに、坐ります。

 

 

一緒に、

カメラを覗かせます。

 

 

彼女との距離が近いです。

 

 

初めて会った距離じゃないです。

 

 

これ、

さっき、そこで、

散歩していた犬の影です

 

 

犬って、言われないと、

わからないけど?

 

 

これは、

その犬を散歩させていた

人の影です

 

 

・・・そうなんだ

 

 

あなたの影とは、

違うでしょ?

 

 

形が?

 

 

向きが、かしら?

 

 

それは、

どっちを向いていたか、

でしょ?

 

 

じゃ、

この木の影、

どっちを向いていると、

思います?

 

 

写真を選んで、

カメラを覗かせます。

 

 

木が、向くって?

 

 

う~ん、

木って、

どっちを向いているのかしら?

 

 

どっちも、

向いてないと思うけど?

 

 

彼女が、

透明感のある、

つぶやきをします。

 

 

そうかな?

 

 

いつも、

影の写真ばっかり

撮っているんですか?

 

 

彼女が、

振り返って、

土手の向こうの下を

指さします。

 

 

私、

すぐ、そこの、

大学の、学生なんです。

 

この春からです

 

 

僕も、です

 

 

授業は?

 

 

サボって

 

 

彼女が、

仲間を見つけたみたいに

笑います。

 

 

私も。

 

だって、

こんな、天気のいい日に、

教室に、

じっとなんか、

してられないでしょ?

 

サボってよかった。

 

だって、

最高の影に出会えたもの

 

 

幸せそうに、僕の影を見ます。

 

 

僕も、

見るんですけど、

普通の影です。

 

 

どこが、

どう、いいのか、

わからないんです。

 

 

 

ー つづく ー

 

 

 

何を、

どう好きかを、

聞いても、

わからないってありますよねウインクラブラブ