僕のベッドに、
中学3年生の女の子がいます。
僕は、2年生です。
「私を脱がして?」って言います。
夢のようなんですけど、
夢なんです。
彼女とは、出会ったばかりです。
名前も知りません。
「本当に、
脱がしちゃっていいんですか?」
「だって、
開(ひら)いてほしいもの。
私は、財布よ?」
中学校からの下校途中に、
ピンク色の財布をひろったんです。
彼女は、
その財布だって言うんです。
「人間に、見えますけど?」
「財布に見えない?」
「見えないです」
彼女が、
脚を開いたまま、
あそこを、指で、なぞります。
パンツを穿(は)いていないんです。
「ほら、財布でしょ?」
「財布?」
「開いてみたら、わかるわよ。
お金が入っているんだから」
「中に、
お金が入っているんですか?」
「入っているに決まっているでしょ?
財布なんだから」
でも、開けないんです。
指を入れようとしてみても、
入りません。
「どうやったら、開くんでしょ?」
「だから、
脱がしてってば」
「服を脱がすと、
開くんですか?」
「だって、
服を、物だと、思っているでしょ?」
「・・・服は、物ですね」
「幼稚ね」
「どこが、ですか?」
「原子核という粒のまわりを、
電子の粒がまわっているって、
考えているってことだもの」
「まわってないんですか?」
「可能性の雲として、あるだけなの」
「可能性の雲?」
「粒じゃないのよ」
「粒じゃない?」
「あっちに5%、
こっちに8%って確率で、
あるだけなの。
そんなの、物じゃないでしょ?」
「でも、
物は、ちゃんと、ありますけど?」
彼女は、
ベッドで、後ろ手をついて、坐って、
脚を開いたままです。
長い髪を垂らして、
僕を見つめます。
「それは、
物は、
あなたではないって思っているからよ」
「物は、僕じゃないですよ」
「物は、あなたよ」
「どうして、ですか?」
「物は、あなたの意識なの」
あまりに、わからなくて、
僕は、言葉を失います。
「わからない?」
「わからないです」
「だから、脱がしてよ?
教えてあげるから」
でも、
脱がして、
裸になって、
何を教えてくれるって言うんでしょ?
ー つづく ー
僕らは、
粒で、できていません![]()
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