全裸で、

M字に脚を開いて、

指で、

女性器をいじるんです。

 

 

抵抗できませんよね?

 

 

来てくれる?

 

 

うん」って、

うなずいちゃったんです。

 

 

仕事中なのに、です。

 

 

そのとたん、

僕は、つむじ風に巻かれるんです。

 

 

ふわりと浮いて、

ぐるぐる巻かれて、

依頼主さんの家から、

飛んで行きます。

 

 

依頼主さんは、

引っ繰り返っています。

 

 

僕は、掃除屋で、

風呂掃除を依頼されて、

風呂場にいたんです。

 

 

どこ行くんだよ?

 

 

その子のところよ

 

 

僕を運んでいるのは、風の精霊です。

 

 

その子って?

 

 

助けてって頼まれたでしょ?

 

 

そう言われてみると、

死のうとしている子がいるって、

花の精霊から頼まれました。

 

 

目の前で、

女性器をいじられて、

すっかり忘れちゃったんです。

 

 

来てって、そっち?

 

 

どっちだと思ったの?

 

 

僕は、てっきり・・・

 

 

てっきり?

 

 

そう思いますよね?

 

 

・・・だったら、

なんで、いじってたんだろ?

 

 

いじってた?

 

 

いじってたろ?

 

 

どこを?

 

 

あそこを

 

 

あそこって?

 

 

蘭の花みたいなところだよ

 

 

じゃ、蘭の花でしょ。

 

花の精霊なんだもの

 

 

蘭の花?

 

花をいじっていただけ?

 

 

僕が、

勝手に、

期待していただけかもしれないです。

 

 

到着したのは、

植物園みたいな家です。

 

 

さらに、

隣の家も、前の家も、後ろの家も、

花だらけです。

 

 

辺り一帯が、植物だらけです。

 

 

ちょっとしたジャングルです。

 

 

蔦(つた)だらけの門の前で、

花の精霊が、手招きます。

 

 

こっちよ?

 

 

家の中に入るのか?

 

 

入らなかったら、

助けられないでしょ?

 

 

ここへ、呼べないのか?

 

 

花の精霊が、

重たげな目蓋(まぶた)で、僕を見ます。

 

 

呼べるくらいなら、

苦労しないでしょ?

 

 

僕を、呼んだじゃないか?

 

 

だから、頼んだのよ

 

 

僕は、気づきます。

 

 

・・・そっかぁ。 

普通の人は、自然霊と話せないんだ?

 

 

急いで?

 

死のうとしてるの

 

 

どうして死のうとしているんだ?

 

 

人間たちが勝手だからよ

 

 

勝手だから・・・死ぬ?

 

 

もともとは、私たちだけだったのよ。

 

それなのに、多いって、勝手でしょ?

 

 

「は

 

死のうとしているのは、誰なんだ?

 

 

だから、ここの子だってば

 

 

もしかして、女の子?

 

 

女の子よ。あなたぐらい

 

 

ダメだよ

 

 

どうして?

 

 

僕は、

人間の女の子と話したことがないんだ。

 

話せないよ

 

 

僕は、

自然霊とは話せるんですけど、

人間とは話せないんです。

 

 

女の子なんて、絶対にムリです。

 

 

 

ー つづく ー

 

 

 

 自然霊とは話せても、

女の子とは話せないんですねウインクラブラブ