天国と地獄の長い箸 | 天下泰平

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〜 滝沢泰平 公式ブログ 〜

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 むかし、ある男がえんま大王様に会いに行き、天国と地獄というのは、どういう世界なのかを聞きました。

すると、えんま大王様は、男に、天国のようすと地獄のようすをそれぞれ見せてくれました。

まず地獄では、ちょうど食事の時間だったので、人々が、ながーいはしを持って大きいなべの前にあつまっていました。

この地獄では、ながーいはしで食事をしなければならない決まりなのです。

人々はながーいはしで、なべの中のごちそうをとって食べようとするのですが、あまりにながーいので、どうしても自分の口にごちそうがとどきません。

それでみんな、何も食べられずおなかをすかせ、やせこけて、他の人の食べ物を横取りしようとしてけんかばかりしていました。

えんま様は、次に天国を見せてくれました。

天国も食事の時間でしたので、人々は、地獄のと同じ、ながーいはしをもって、地獄のと同じ、大きいなべの前にあつまっていました。

天国でも、ながーいはしで食事をしなければならない決まりなのです。

天国の人々は、おだやかな顔をして楽しそうにごちそうを食べていました。

ながーいはしで、おたがいに仲良く他の人とごちそうを分けあっているのです。

こうして地獄にいる人々は自分のことばかり考えているために、いつまでもけんかをして何も食べられず、天国の人々はおたがいを思いやっているので仲良くくらせるのだ、とえんま大王様が教えてくれました。

 この「天国と地獄の長い箸」の話は、最近では小学校やビジネスマンの自己啓発講座などでもよく紹介されているようであり、天国と地獄の違いについてを非常にわかりやすく説明している逸話です。

ついつい天国や地獄というのは、それぞれがまったく異なった場所・空間が存在しているイメージが強いのですが、このイラストや物語にも出ているように、天国も地獄も実際は同じ場所で同じ環境(条件)のところであり、違うのはそこにいる人々の意識だけであるようです。

つまり「あなたからどうぞ」という自分よりも相手を思いやる気持ちがあるかないかの僅かな違いで、その場所、その世界は180度真逆の状況になります。

そこにいる人々が天国意識を持つか地獄意識を持つか……残念ながら戦争を中心とした争いごとばかりを続けている今の我々地球人は地獄意識の集合体であり、その結果、今の世の中、地球は地獄となっています。

このまま地獄の世界をとことん突き進むのか、それとも180度方向転換をして天国の世界へと切り替えるのか、今はそんな分岐点にやってきているのだと思います。

そして、その惑星に住む住人の意識が地獄意識である限りは、いくら目立った戦争をしなくとも、また武器や兵器がこの世からなくなったとしても、絶対に本当の世界平和などはやって来ず、本気でこの世界を良くしたい、平和にしたいと思ったら、ただ戦争反対や核兵器廃絶をやみくもに訴えるのではなく、まずは自分自身を含めた一人ひとりの意識の改革を真剣にやっていかないと、原因の世界は変わりません。

以前に【精鋭の魂たち】という記事でそのことについて少し書きましたが、ブログを始めた一つの理由もその仕組みに気づいたからであります。

一番最初の記事【Peaceful World!】

でも、ここ数年、特に311以降は天国意識を持つ日本人は少なからず増えてきているように感じます。ブログを通してお会いする方々なんかは、ほとんどが天国意識の方であり、自分のことよりも相手や世の中のことを考えている素晴らしい人格者の方が多いように思えます。

中には「私はそんな人間ではないし、とてもそんな人間にもなれそうにもない」と控え目に思う人もいるかもしれませんが、この「天国と地獄の長い箸」で出てきた長い箸は誰もが必ず持っているものであり、ただ使い方を自分のために使う相手のために使うかの違いだけなので、決して意識を切り替えるのは複雑な話ではありません。

ただ、言葉や頭で理解するのは簡単でも、これを心や魂に落とし込んで無意識に実行できるようにするのは容易なことではありません。

というのも、人間というのは、自分の中で何かが足りない場合には、本能的に自分のために箸を使おうとプログラムされており、まずは自分自身のエネルギータンクが満タンでないと天国意識を持つのは難しいです。

自分の場合、このエネルギータンクのことを「愛情タンク」と呼んでおり、これは本来は親が子育ての中で子供の「愛情タンク」を満タンにしていくことが大事であると昔の記事でご紹介しました。

宇宙家族会議
(前略)
この『愛情タンク』が満タンでないと「Give & Give」の心が生まれません。

常に何か満ち足りていなく、家族や人々、社会から求めてしまうようになり、本来の使命に向かえない子供になってしまいます。

人類の持つ本来の使命は、詳細は個々それぞれ違っても、大枠は基本的に「人や世の中のために貢献する」ことです。

それが、宇宙の理(ルール)の1つであると思いますし、これからの時代はその流れに背いて生きていくことは難しくなると思います。

だから、具体的に子供が何をやっていくかはわかりませんが、その下地作りとして、親が『愛情タンク』を満タンにしないと発進することが出来ません。(転載終了)

子供の場合はある程度大人のサポートが必要ですが、大人であれば自分の力で自分のタンクは満タンにすることができます。

ありがちな精神論ですが、結局は自分を許し、認め、受け入れ、愛することです。ホ・オポノポノの魔法の言葉である「ありがとう」「ごめんね」「許して」「愛してる」なんて確かに最高の愛の給油方法ですね。

とにかく、顕在意識でも潜在意識でも、自分自身が満たされていない限りは、いくら相手のため、世の中のためと行動を実践していても、どこかで無理が生じてしまうわけであり、結局は自分自身が破綻して、さらなる自己嫌悪に繋がるという悪循環が生まれます。

潜在意識では準備がまだ出来ていないのに、顕在意識では「とにかく貢献したい」という気持ちだけが先走って空回りをしてしまっている人は、こういった事情が多いのかもしれません。気持ちはわかりますが、まずは周りのことよりも自分を大切にすることが大事ですね。

また、反対に顕在意識でも潜在意識でも自分のことしか考えておらず、まさに地獄意識そのものの人もたまにいますが、そういった人々が次の時代へと残るには、かなり強烈なショック治療が必要となるかもしれません…。

いずれにしても、自分の中の「愛情タンク」が満タンになると天国意識になり、すると「Give & Give」の精神が生まれて、自然と「あなたからどうぞ」と長い箸をあらゆる場面で使えるようになります。そして、すべて良いことも自分に返ってきますし、天国意識は「吸引サイクル」ですから、心身ともに元気にもなれますよ。

ただ、今までの世の中は、地獄を作りたい人々が必死になってこの「愛情タンク」が満タンにならないように、むしろエネルギーを抜き取るような仕組みを作っていたので、よほどの人でないと満タンになるのは難しかったかと思います。

まぁ、この辺の仕組みも変わってきているので、これからは比較的容易に満タンにできるようになるかと思います。特に日本人は…。

ところで、このブログは天下泰平であり、平和をキーワードにしているのでサブタイトルにも世界平和を意味する「Peaceful World+」という言葉が使われているのですが、この語尾の「+」の意味はあまり知らない人も多いかと思います。

「+」は調和を意味しており、記号の通り「+」の中には「-」が隠れていて「-」を包み込み、受け入れて一体化するのが本当の「+」であるということが1つの意味です。

そして、もう1つは、この世界には「-」というのは存在せず、一見「-」と思えるものは実は「|」が隠れているだけであり、人もモノも宇宙もすべてが完璧な調和である「+」であるということを意味しています。

つまり、人間でいえば、この隠れている「|」「愛情タンク」になり、これが満たされてくると少しずつ「|」の線が長くなっていき、やがて満タンになると「+」の本当の自分に戻るということです。ここで大事なのは「戻る」ということであり、創造主の分霊である私たちは、本来は最初から完璧なのです。だから「私なんかとても…」とすぐに決めつけず、自分に自信がない方は、まずはこの辺をよく考えながら日々内観をしてくださいね。本当の自分が何者なのか少しずつわかってくると思いますよ。