障がい児のママ&パパ専門カウンセラー
山本峰司(たかし)です。
長男と次男が口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)という病状です。
次男はダウン症,、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)もあります。
そして、妻も口唇口蓋裂です。
ボクは、この短い人生の中で自分が主人公にならなければ損をする、と思っています。
与えられた環境のなかで、大変なことや嫌なこと、理不尽や不愉快、悔しいこと、頭にきて腹が立ちまくること、たっくさんあります。
それは、もしかしたら「不幸」かもしれません。
でも、どんな環境にいても、人生の主人公は自分自身でしかありません。
生まれてくる環境を選ぶことはできません。そして、自立するまでには親の力がとても影響を受けます。どんな環境で育てられたのかは、選ぶことはできません。
しかし、どんな学校へ行き、どんな仕事につくかは、自分で選べます。選べないと言われる方も中にはいるかもしれません。
どんな人とおつきあいし、結婚するかも、自分で選べる時代です。こちらも、上記同様選べないという人もいるかもしれません。
どんな環境に生まれ、育ち、どんな仕事をして、どんな人と結婚して生きていても、いまの環境は自分が選択した結果であることがほとんどだと思います。
どこかでつまづいたきっかけがあって、そこから人生が転落していたとしたら、それは本当にツラいものです。
それでも、「いま」、「ここから」自分自身が切り拓いていくしかないのだ、と思うのです。
ところで、ボクが、「主人公になる」ということを教わったのは、障がいを持つ人との関わりの中でなのです。初めて就職したのは、「作業所」と呼ばれる通所型の障害者施設です。
そこで、「仲間たちが主人公」というキャッチフレーズがありました。
「仲間」とは、作業所に通う障がいを持つ本人=利用者です。
そこでは、誰のための施設であるか、ということを常に考えて行動することが求められ、利用者の方々のねがいや思いに寄り添い、その実現のためのお手伝いをさせていただいたのです。
しかしながら、それはとても大きな意味を持っていました。
障がいを持っていない自分自身が「主人公になる」ことを考えざるを得なかったからです。
ボクが職員になったのは、1993年4月にその作業所が法人化した時です。それまで数年間は月給10万円で上司の人たちは汗を流していたのです。
法人化に伴い、給与制度や退職金、有給休暇などの制度が整いましたが、それでもバブル崩壊直後で、同期の友人に比べると給与は安かったのです。
自分が福祉の道で歩もうと決めたのに、給与が安いという不満があったのです。
一方で、月に10,000円に満たない「給与」しかもらっていない利用者の方々に、主人公になれることのお手伝いをしている自分がいたのですが、それは矛盾を感じざるを得なくて苦しかったのです。
福祉に対する予算が少ないなかで、その施設に文句をいっても何も変わりません。労働組合もありましたが、社会福祉法人の施設であり利用者の障がいの程度や人数等で入ってくる収入(税金)は決まっていたのです。
自ら行動してたくさんの人を巻き込み、福祉制度をよくしていくことなしには、給与はあがらないことに気づいたのです。
だから、給与がでなくても、障がいを持つ人たちが暮らしやすくなるために署名を集めたり、制度改善の要望を出したりする「運動」にも関わるようになりました。
また、人間関係でも随分悩み、傷つき、うまくいきませんでした。
でも、うまくいかないのは、自分が他人か環境のせいにばかりしていることを学びました。
自分が人生の主人公になっていないからです。
そして、自分から積極的に考え、行動するようになってから人生は楽しく、好転してきました。
だからといって、環境や他人に不満や難しいも問題がない、といえば嘘になります。
でも、どんな環境におかれても、文句を言ったり、批判・否定する前に、まずは自分が変わることで状況が変わることはたくさん経験してきたのです。いつも文句や批判・否定モードの場合は、心もざわついています。しかし、一旦その嫌な状態や雰囲気をのみ込んで、自分が切り拓こうとするプロセスのなかで、成長させていただいたように感じるのです。
障がいを持つ人たちが、「主人公になる」 そのお手伝いをさせていただきながら、生き生きとされたり笑顔が増えたり、うれし涙を流されたり・・・
そこには、想像をはるかに超える努力やねがいに対する強い想い、そして、やりきれない悔しさを乗り越えようと歯を食いしばった姿があったのです。
そして、自分が主人公になることの意味を見つけ、その喜びを得ることができたのです。それは、これで終わり、ということではなく、これからもずっとめざしていくことが、またわくわくしてくるのです。
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