前回のRock In My Life【お茶の間ロック編】で不覚にも紹介が漏れていたバンドが2組あったので本題の前に。漏れたのは多分コレクションの中にシングルレコードがなかったから。LPレコードはあるのだけど。



まずはLAZY。

バンド名をディープパープルの名曲LAZYとしているとおり、ハード・ロック・バンドとして結成されているが、そんな本人たちの意思とは裏腹に和製ベイ・シティ・ローラーズみたいな売り出され方をされたのは時代が時代だからか。売れれば好きなハードロックをやらせてもらえるなんて話があったらしいが。


メンバーはミッシェル、スージー、ファニー、ポッキー、デイビーなんて呼ばれ方をされていたのが懐かしい。


デビューシングルHey!I Love You!の他、赤頭巾ちゃん御用心、ハローハローハロー、ベイビー・アイ・メイク・ア・モーション、感じてナイト辺りは、同じ年代の方なら案外口ずさめるのでは?

アイドル期終盤のヘヴィメタル宣言を経てリリースされたアルバム宇宙船地球号は、ハードロック、ヘヴィメタルをあまり聴かない自分であっても、これは屈指の名作だと唸ったものだが、残念ながらこのアルバムでバンドは解散。その後のメンバーそれぞれの活躍は皆さんの知るところ。



続いて柳ジョージ&レイニー・ウッド。



これまで紹介してきたバンド群とはちょっと離れたところに位置するバンドであるが、雨に泣いてるのヒットでよくテレビの音楽番組に登場していた。


柳ジョージは音楽スタイルにその風貌も相まって和製エリック・クラプトンなんて呼ばれ方もされていたが、このバンドもテレビでは柳ジョージ一人だけがクローズアップされて、他のバンドメンバーにスポットライトが当てられなかったのが残念だった。



さて本題。
昨日は札幌在住のパンクロッカー八田ケンジのパーソナルバンドKENZI & THE TRIPSの40周年ツアー~ラスト・ケントリ・セトリは初期で!~の最終公演を愉しむため狸小路近くのライブハウス KLUB COUNTER ACTIONへ。


ツアータイトルが「セトリは初期で」ってくらいだから初期ナンバーのオンパレードなのは明らかなので、昼から30周年のリキッドルームでのスペシャルライブのDVDで気分を盛り上げる。

いつもどおり徒歩で会場へ向かうも開場にはまだ早く、何年か前まですすきのラフィラで営業していた浜のだいどころの新店舗でハイボールを一杯だけひっかけてから会場へ。


会場に着くとすでに入場を待つ列。



さすが地元だけあって満員御礼か?と思ったらそうでもなかったり。それでも1年半前にARBのキースと共演したソロでのアコースティックライブよりは断然の入りでしたが。


バーカウンター前のテーブルでハイボールを一杯やってるうちに開始の時間。

ホールに入ると前列にまだまだ余裕がある。せっかくなので前方まん中KENZIの正面2列目へ。60歳近くの同年代は後方や壁際で観るのが楽なのか、昔のように前後左右ギューギュー押し合いへし合いなんてことはなく、こんな好位置でも楽々観戦!

 

SEのDo You Remember Rock’n’roll Radioからそのままこの曲でライブは始まった。ベースのサモン以外は、ギターのアキヲ、ドラムのマーキーと初見のメンバー。不覚にもこの二人が今までどんなバンドで活躍していたのかは知らず。

この日のライブは二部構成。ケンジ本人も言ってたが一部のラストで早くもライブ終盤での盛り上がり曲BRAVO JOHNNYは今夜もHAPPYが演奏されたのはレア。


後半は、地元札幌だし、もしや初期メンバーのベーシスト上田ケンジでも登場か?という淡い期待は期待で終わり、前半と同じメンバーで始まる。60歳を迎えたケンジに2時間近いハードなステージは過酷すぎるからなのか、単に10分近くの休憩を挟んだだけのものだった。


曲順こそ違えど、この日のセトリは30周年のスペシャルライブとほぼ同様のインディーズ期のファーストと、メジャー期のファーストからのナンバーのオンパレード。その中でも異色を放ったのは、メジャーでのセカンドアルバムSweet Dreams,Baby!からのBOY’S COLORと1988の二曲。
このアルバムは通しで聴くことは少なかったが、BOY’S COLORはあの頃の音楽番組でよくPVが流れてたし、1988だけは毎日のように繰り返し聴いてた曲。ってことで、一気にあの頃にフラッシュバック!なんてことはなかったのだが、滅多にライブで聴くことがなかったこの2曲がプレイされたことが単純に嬉しかっただけ。


20代前半に出会った曲の連続だったからなのか、KENZIの目の前、しかも動いても余裕な感じの周りとの距離のせいなのか、はたまたドンパ(北海道弁で同じ歳の意味)のケンジのキレに刺激されたからなのか、自分でも予想外なほどに気持ちが昂ったライブ。こんな感じはもしかすると10代の頃以来?なんて感じの恥ずかしさ満天の60歳目前でのライブでした。

そんなライブのオオトリで歌われたBAILEY。


教えてほしいのさ 世界の国の中で

一番偉い民族は何人だい!

国を守ることは大切だろうけど

国は血なんか流さない 下を見ればただの土だろう


40年経っても世界の状況は何一つ変わらない。愉しさ以上に、実は少しだけ考えされたりもしたライブでもあったのだ。



終演後は、開始前同様バーカウンター前のテーブルに陣取り、このライブハウスの運営者で全国区のパンクバンドSLANGのボーカリストKO氏が10代の頃にKENZIのライブに行った時の思い出を誰かと話しているのに耳を澄ましながら、ビールとハイボールを一杯ずつ。

帰りも気持ちがいいので45分ほど歩いて家に向かったのでした。


ツアータイトル頭のラスト・ケントリで、もしやこれでケントリも最期?なんて思ったりもしていたが、ケンジの口からは「まだまだやるよ」なんて言葉もあったので、どうやらそれは杞憂だったようだ。じゃ、ラストの意味は?ってところだが、ライブも愉しかったし、ケントリもまだ続くようだし、そんなことはどうでもいいことなのかもね。


次にケントリのライブを観る時は自分も60歳を過ぎているはずで、いつまでこんな感じでライブを愉しめるかわからないが、愉しめるうちはもっといろんなライブに行ってこよう。なんてことを思った土曜の夜でした。


そういえば、ラストにベースのサモンが投げたピックを拾えたのもラッキー。周りでは、どこだ、どこだと探してる方が多数。もう拾ったよとは言えずに、そろりとホールを抜けだした自分でした。



今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。