毎週花粉症の話で恐縮だが、この一週間は今までにないくらいの重い症状で咳も止まらず喉も痛み出し、仕事途中に休みを取って病院に行ったほど。一体今年はどうなってるんだ?と思っていたら、昨日の朝刊に今年のシラカバ花粉は昨年の十倍の量との記事が。そりゃあ症状も爆上がりだよなと妙に納得。


それはそれとして、今週は自分のロック史を振り返るRock In My Lifeの第四回目を。


アイドルロックでロックの扉を開けた70年代後半(自分は丁度中学生)は、徐々にテレビの音楽番組にロックバンドが出演するようになり、お茶の間にも普通にロックミュージックが届くようなった時期だったと思う。

その前からダウンタウンブギウギバンドがスモーキン・ブギや港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカのヒットで、ちょくちょくテレビで見かけるようになったが

なんと言ってもロック御三家といわれた原田真二、チャー、世良公則&ツイストの登場が決定的だったと言ってもいいだろう。



キャンディ、てぃーんず・ぶるーす、シャドー・ボクサー、タイムトラベルをヒットさせた原田真二。


他の2組より少しスイートに感じたのは、ピアノを弾きながら歌うスタイルで、しかも甘いマスクに甘い声だから。

テレビではあまり目にすることはなかったが、ピアノをギターに持ち替えてヒットした曲を歌う原田真二にはロックアーティストそのものを感じることができる。



ギタリストとしてすでに名を馳せていたチャーが歌謡界のフィールドに飛び込んだのは、当時は本人の本意ではなかったかもしれないが、この時代の流れにうまく乗ってくれたお陰で、自分を含め、多くの若者をギターの虜にさせた功績は計り知れない。

オリンピックホワイトのフェンダー・ムスタングは今でもほしいくらい。

ちょっとした事件があってお茶の間から消えてしまった後、ジョニー・ルイス&チャーとして復活した際のデビュー・アルバムFREE SPIRITを聴いたときは、気絶すほど悩ましい、逆光線、闘牛士のヒット曲とは一線を画すロックサウンドに、これがチャーが本当にやりたかったロックなんだと感動した覚えがある。

と言っても、闘牛士は今でもライブで演奏されることが多いし、あの時代があってこそ今のチャーがあるのは間違いない。




ポプコン~世界歌謡祭のグランプリを経てあんたのバラードでデビューした世良公則&ツイストを初めて観たときは衝撃。アップテンポな曲ではないのに、大股を開いた派手なアクション。ローティーンをロックの世界に引きずり込むには充分すぎるほどのインパクトだった。

その後宿無し、銃爪とロックぽさも増していくが、テレビでは世良ばかりにカメラが向けられ、バンドの演奏シーンがなかなか映らないのが不満だった。こっちは世良個人ではなくロックバンドのツイストが見たいんだと。

そういえば、ボトルネックで弾くスライドギターなるものを初めて知ったのは、ツイストに途中から加入した松浦善博(その後、BeModernもプロデュースしてましたね)のギタープレイでだった。


ベーシストの鮫島秀樹はツイスト解散後ハウンド・ドックのメンバーとして活動を続け、今でもベーシストの第一人者として活躍している。


ポプコン~世界歌謡祭といえば、円広志、クリスタルキング、伊丹哲也&Side by Side、TOM・CAT等グランプリをとるだけあっていい曲なのは間違いなくテレビでもよく目にしたが、どれも一発屋で終わってしまったイメージが大きい。

ポプコンでグランプリ受賞とはならなかったがレコードデビューを果たしたキャデラック・スリムの孤独のメッセージ(ポリスのとは同名異曲)は、ツイスト以来のロックテイストな佳曲!と思ったものの、やはりこの一曲で消えてしまったのが残念。




さて、このロック御三家はテレビの歌謡番組の他、月刊明星&平凡なんかのアイドル雑誌にも頻繫に登場して女性ファンも多かったことから、多くのロックファン、同業のミュージャンたちからは毛嫌いされていたようだが、今でもそれぞれロックのフィールドで活躍を続けているのは、歌謡界の中に身を置きながらも、そのベースにあるロックスピリットだけは手放さなかった証だろう。


テレビ出演を頑なに拒否していた甲斐バンドもCM曲のヒーローの大ヒットで一躍有名になったことからお茶の間ロックの枠に入れてもいいバンドの一つだろうし

CM曲のヒットで名を馳せたといえばセクシャルバイオレット№1の桑名正博も外せないところ。

彼もチャー同様、歌謡界に身を置く前はファニー・カンパニーというバンドですでにロック界でその名を知らぬ人はいないくらいの活躍をしていましたね。(東のキャロル、西のファニカンなんて言われてました)

自分としては、セクシャルバイオレットNo.1の前にリリースされた哀愁トゥナイトの方が好きだったりして。



同じように本格的なロックバンドとして活躍しながらも、活動のフィールドを広げるためにテレビ界に進出したバンドにクリエーションが挙げられる。




他にも、ガンダーラ、モンキー・マジック、銀河鉄道999とテレビ番組の主題歌を次々とヒットさせたゴダイゴ(Go Die GO)も、元ゴールデン・カップスのミッキー吉野を中心に本格的なロックバンドとして結成され、ヒット前にリリースされたアルバムは聴きごたえ十分。

自分もコンサートに行くほどまで好きではあったが、そのコンサートのビューティフル・ネームという曲で♪ウーワ・ウーワ、ラ・ラ・ラ♪と会場

中に歌わせるシーンで急に冷めてしまったという・・・ by 中3の自分。



他には、勝手にシンドバットで衝撃的なデビューを果たしたサザンオールスターズなんかもバンド演奏をテレビで見ることができたということで、自分の中では広義の意味でお茶の間ロック。


まぁ、彼らをロックと呼ぶ呼ばないの議論はあったものの、ロックを聴き始めた自分にとって、お茶の間に鎮座するテレビで、演奏する多くのバンド、ミュージシャンを目にすることができたのは、その後もロックを聴き続ける大きな原動力になったのは間違いのないことだろう。


最近、テレビで目にする多くのロックバンドの名も曲も知らず、ついついこんなのロックじゃないと呟いている自分であるが、あの頃、お茶の間に登場するバンド群を見て同じように呟いていたしたり顔のロックファンと同じことになっていやしないか?と反省しきりの今日この頃である。


実は、あのARBもデビューしたての頃は、ヤングおー!おー!なんかの番組に出たりして、少しだけアイドルチックな枠でお茶の間に登場していたのは見逃してはいけない…。


今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。