チラシより
誇り高き戦闘一族から追放され、宇宙一危険な「最悪の地」に辿り着いた若き戦士・デク。次々と敵に襲われる彼の前に現れたのは、上半身しかないアンドロイド・ティア。「狩り」に協力すると陽気に申し出る彼女にはある目的があって---。「究極の敵」を狩って真の「プレデター」になれるのか、それとも「獲物」になってしまうのか。規格外のコンビが挑む、究極のサバイバルSFアクションが今始まる!
製作:アメリカ
監督:ダン・トラクテンバーグ
脚本:パトリック・アイソン ダン・トラクテンバーグ
撮影:ジェフ・カッター
美術:ラ・ビンセント
音楽:セーラ・シャクナー ベンジャミン・ウォルフィッシュ
出演:ディミトリアス・シュスター=コロアマタンギ エル・ファニング
2025年11月7日公開
シリーズを重ねていくと、マンネリという問題は避けて通れなくなります。そこで作り手は様々な工夫を凝らしていく訳ですが、『プレデター』の最新作は、思い切ってプレデターを狩る側から狩られる側へと、発想の転換を図りました。果たしてこの判断が吉と出るか?凶と出るか?
ヤウージャ族の若きプレデターのデクは、身体が小さく戦闘力も弱いことから、一族の恥と見られていて、族長である父親にも見放され抹殺されようとしていました。兄のクウェイは父親の考えを見越し、弟を最も危険な惑星に送り、そこで最強の捕食者であるカリスクを捕獲させ、父親に戦士として認めさせようとします。
ところが、父親から弟を処刑するよう命じられたにも関わらず、クウェイはその命令に背いたため殺されてしまいます。デクは兄への罪の意識を持ちながら、父親に一人前の戦士として認めてもらおうと、最悪な地でカリスクの狩りを始めようとします。
しかし、標的がどこに居るかも分からない状況の上に、弱肉強食の地では獲物を狙うクリーチャーで溢れており、デクは次々と襲われる羽目になります。デクがあわや!となった時、下半身がちぎれた状態のアンドロイドのティアに救われます。彼女は獲物を狩る手伝いをする代わりに、下半身のある場所まで連れて行って欲しいとデクに頼みます。
デクは当初、一人で狩りをする一族の掟に従い、ティアからの申し出を拒否しますが、彼女が惑星の生態系に詳しく土地艦もあることから、“道具”と割り切って折り合いをつけます。一方、ティアの双子の姉・テッサは、ウェイランド・ユタニ社の意向に沿って、カリスクを捕獲しようとしていました。
以上がこの映画の大まかなあらすじ。話自体は良く練られていて、伏線の回収も丁寧で、こちらが思っていた以上に面白くできています。エル・ファニングが上半身だけという設定も、妙にエロティックに感じられます。
ただし、これを『プレデター』と言われると、疑問符がつくのも事実。プレデターはあくまで狩ることが魅力であり(終盤は狩る側に回っていますが・・・)、特に前半は襲われ続ける描写に違和感が否めませんでした。また、終り頃は完全にイイ奴に成り下がっていて(笑)、あの風貌でそんな振る舞いをされてもねぇ・・・。他にも『エイリアン』を想起させる描写が随所に見られ、そもそもこの話を『プレデター』にする必要があったのか?とも思えてきます。
それでも前述したように、物語としては良くできていて、『プレデター』シリーズを観て来た人より、全く触れてこなかった人のほうが楽しめるかもしれませんね。













