2人の少女が悪魔に身体を乗っ取られて・・・「エクソシスト 信じる者」を観て | パンクフロイドのブログ

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エクソシスト 信じる者 公式サイト

 

チラシより

ヴィクターは12年前に妻を亡くして以来、1人で娘のアンジェラを育てている。ある日、アンジェラと親友のキャサリンが森へ出かけたきり行方不明となるが、3日後に無事保護される。しかし、その日から彼女たちの様子がどこかおかしい。突然暴れ出し、叫び、自傷行為を行うなど常軌を逸した行動を繰り返す2人・・・。ヴィクターはかつて憑依を目撃した経験者クリス・マクニールに助けを求め、悪魔祓いの儀式を始めるが、それは想像を絶する危険な試みだった。懸命に見守る親達を嘲笑い悪魔は問いかける。1人は生き残り、1人は死ぬ。どちらかを選べと--。

 

製作:アメリカ

監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン

脚本:ピーター・サットラー デヴィッド・ゴードン・グリーン

原案:スコット・ティームズ ダニー・マクブライド デヴィッド・ゴードン・グリーン

撮影:マイケル・シモンズ

美術:ブランドン・トナー・コノリー

音楽:アンマン・アッバシ デヴィッド・ウィンゴ

出演:レスリー・オドム・Jr アン・ダウド ジェニファー・ネトルズ

        ノーバート・レオ・バッツ リディア・ジュエット オリヴィア・オニール

        エレン・バースティン

2023年12月1日公開

 

エレン・バースティンが1作目の母親クリス・マクニールを50年振りに演じることで話題になっている本作ですが、彼女以外にも1作目を意識させる作りをしています。

 

悪魔に憑依された少女を救おうとする話の基盤は勿論の事、クリスが行方不明中の娘のリーガンを案じている設定、異国の地の出来事が発端となる点、マイク・オールドフィールドの「チューブラ・ベルズ」が流れるなど、1作目を踏まえた上で期待の高まる要素が随所に盛り込まれています。

 

しかも、クリスが今度は悪魔と直接対峙しようとするのですから、否応なしに気分が高揚してきます。ただし、その後の展開を目にすると、やや拍子抜けの感が無きにしもあらず・・・。

 

今回の悪魔との対決では、悪魔祓いの専門家ではなく、素人が結集して事に当たる点が、1作目との違いを見せています。クリスはバチカンの公認を得た専門家の上に、途中からはその筋の神父も参戦してくるのですが、基本勝負の鍵を握るのは、ヴィクターや過去に中絶経験を持つ看護師などの素人集団です。

 

この勝負では、悪魔が彼らの過去を持ち出し、揺さぶりをかけて動揺させようとします。13年前にヴィクターは身重の妻とハイチに出かけた折、震災に見舞われた末に、妻と生まれてくる娘のどちらかを失う選択を迫られました。ヴィクターがどちらを選んだのかは示されないまま、今回の悪魔祓いでも究極の二者択一をしなければならなくなります。

 

ヴィクターがどんな選択をするのか、興味はMAXに達しますが、「えっ、そっちの方向に行く?」と逃げを打った感じになるのが惜しまれます。ただ、そうしないと更に後味が悪くなるので、仕方ないことは理解できるのですが・・・。一応最後に“あの人”が登場したことによって、後味の悪さはいくばくか中和されたものの、ハッピーエンドまでには至りませんでした。

 

作品自体はホラー映画としてしっかりした作りをしていただけに、犠牲者は出ても1作目のようなスッキリした終わり方になっていなかったのが勿体なかったですね。