う~ん、そう来たか・・・「ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者」を観て | パンクフロイドのブログ

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ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者 公式サイト

 

チラシより

クリスマスも近いある日。アシュリー(オリビア・デヨング)は、ベビーシッターのアルバイトでルーク(リーヴァイ・ミラー)の家を訪れる。もうすぐ13歳のルークは年上のお姉さん、アシュリーに興味津々。ルークはアシュリーの興味をひこうとするが、彼氏との別れ話で頭がいっぱいのアシュリーは子供のルークに興味が持てない。そんな中、アシュリーに不審な電話が!家の外には不審者の影!アシュリーは年下のルークを守ろうとするのだが・・・。

 

製作:アメリカ オーストラリア

監督:クリス・ペコバー

脚本:ザック・カーン クリス・ペコバー

撮影:カール・ロバートソン

美術:リチャード・ホッブス

音楽:ブライアン・カチカ

出演:オリビア・デヨング リーヴァイ・ミラー エド・オクセンボールド バージニア・マドセン

        パトリック・ウォーバートン アレックス・ミキッチ デイカー・モンゴメリー

2020年12月4日公開

 

留守番を任された13歳の少年と年上のベビーシッターのお姉さんが、家に侵入してきた者に脅かされる話と思って観ていると、途中から意表を突く展開に驚かされます。したがって、アシュリーが侵入者の正体を見破ってから以降の話は、ネタバレに繋がるので一切語れないのがもどかしいです。

 

ただし、アシュリーが近々引っ越しのため、この土地を離れることが決まっており、この部分が映画の肝であることは明かしても構わないでしょう。彼女の引っ越しがなければ、この夜の惨劇は起らなかったかもしれませんし、少なくとも先延ばしされていたように思います。

 

ルークは若干中二病を拗らせた少年で、両親のいない夜にアシュリーとより親密な関係になりたいと思っています。アシュリーと一緒にホラー映画のビデオを観ながら、彼女が怖がって密着する形に持って行こうとするのは如何にも中坊らしい発想。また、アシュリーがボーイフレンドとは既に関係を持ったと勝手に決めつけ、現在の彼氏のリッキー(アレックス・ミキッチ)や元カレのジェレミー(デイカー・モンゴメリー)に敵意を隠そうとしない辺りが童貞のイタさを感じさせます。

 

二人が留守番をしているうちに、アシュリーに無言電話がかかってきたり、注文していないピザが届いたり、閉めた筈の勝手口が開いていたりと、不審な出来事が起こり始めます。ここらあたりはホラー映画の王道の描写になっていて、ニヤニヤしながら観ていたのですが、前述したように侵入者の正体が判明してからが本番となります。

 

ある意味、銃が蔓延するアメリカらしい映画であり、一般家庭に銃が置いてあるのが珍しくないからこそ成立する物語ですね。伏線の張り方も良くできていて、鉛筆の使い方なぞはなかなか巧いです。武器にもなるし、終盤悪党が追い詰められる道具にもなっています。

 

また、犯罪者の目論見は成功したかに思わせて、最後の最後である人物が中指を突きたてたことによって脆くも崩れ去る辺りは、相手が邪悪な存在だけに快感は増します。ここで終わらせても良いと思うのですが、作り手はその直後にヒネリを加えて、不穏な空気感を醸し出すので大団円とも言えません。とにかく予備知識を持たずに観た方が、ずっと楽しめる映画であることは間違いありません。