番外編〜野生動物を飼育するということ〜 | お魚と作るアクアリウム

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身の丈をわきまえた(知識、経済力、管理能力)範囲で、無理のないアクアリウムをモットーに。海水水槽でミドリフグ(2017.8.9)、淡水水槽でキャリコブッシープレコ(2022.5.1)などを飼育中。

ワモンアザラシのミゾレ 

※画像はイメージです






 大阪「海遊館」で産まれ人工哺育で育ったミゾレは繁殖のため昨年より北海道「おたる水族館」へ出張してくれていました。


しかし、最近亡くなってしまったとのことです…とても悲しいニュースです。


産まれた後から海遊館さんが動画を撮影しYouTubeに載せてくれており、成長の様子を共に喜び可愛がり、拝見しておりました。


会った事はないけれど、ミゾレが亡くなってしまったと知り、心にぽっかり穴が空いてしまいました。


野生動物を飼うということ


 これはとても難しい事です。

我々〝人間の為に人間が見た目、性格を遺伝させ長い年月をかけて操作し作出してきた〟犬や猫。


彼らについては研究が進んでおり、行動学から医学まで、どんどん進歩しています。


 では、野生動物はどうでしょう。

まだまだ、解明されていない事で溢れています。


全部追っている訳ではありませんが、動物園、水族館では拒食から弱ってしまい治療の甲斐なく…というケースを個人的にはよく見かけます。


動物園、水族館、我々飼い主の元で…日々突然死であったりだとか、アクアリストでいうワイルド種でも病気なのは分かるが何の病気なのか、また体調を崩しているが治療法がわからない等…日常茶飯事です。


我々飼い主のみならず、研究機関、繁殖機関としての役割もある動物園や水族館ですら命を救えない現実があります。


 しかし一方で、ミゾレのように人が関わらなければ産まれた後に亡くなっていたケースもあります。ミゾレは海遊館の方々の手で赤ちゃんの時に救われ、育てられ命を救われたのです。


おたる水族館へ移動したから亡くなったんだ、海遊館でずっと過ごさせていたら元気だったんじゃないか。そういう意見が飛び交うと思うのです。


ですが、当事者の水族館スタッフの皆様が言うならまだしも、外野は黙ってろ。 おっと、詳しく事実がわからない我々一般人が何を想像するも自由ではありますが、本当、想像に過ぎないのです。


一番悲しい、虚しい、どうしてこんな事に…と心を痛めておられるのは水族館スタッフの皆様なのではないでしょうか。


動物園、水族館のあり方



動物園、水族館は繁殖のために園、館の間を動物を輸送する事がよくあります。輸送についてのストレスは相当なものと思いますが…それについては動物園、水族館で飼育されている子達には避けて通れない道なのかもしれません。


動物園、水族館は観客に動物を見せびらかして「うぇ〜い、可愛いやろ〜?」とやっているだけではないので。


何度も言いますが研究機関であったり繁殖機関であったりします。種の保存という部分も動物園、水族館のお仕事です。


我々観客はどうしても、〝動物を鑑賞する場所〟という認識が強くなってしまい、繁殖させる為に移動なんて可哀想という人も中には居るでしょう。


そもそも動物を閉じ込めているなんて可哀想…と。

でも様々な動物を目の前で実際に見る事ができるのは、動物園、水族館のおかげなのもまた事実です。


動物園も水族館ももし、存在しなかったら…我々は生涯動物の種類もろくに知らず、生態も知らずに死んでゆくのでしょう。


まあ…動物について知らなくても生きていけない訳ではありませんが……


このあたりについては、そもそも動物飼育は人間のエゴなので議論をするとキリがなくなります。




あー…自分もルリヤッコの水槽を大きくしてやらねば―……30キューブはやはり無謀ですね。2日に1回水換えしないと維持できない。


参照


動物にとって快適な環境を全力で提供するのは飼い主の義務だと思うのです。閉じ込めてるんだから尚更。


30キューブでクマノミ飼育してる人なら見たことあるけど、30キューブでルリヤッコ飼育してる人は見たことないもんなあ…水質もあるけど狭いんだろうな。飼育下では体長10cmいかないらしいんだけども。探索大好きっ子だから狭いとストレスなんだろう。



最後に


 ミゾレ、沢山の人達の愛情を受けて育てられて楽しい気持ち、幸せは感じられましたか。


短い生涯になってしまったけれど、ミゾレは頑張って生きてきたね。沢山の経験をしたね。


でも、頑張り過ぎないで今度はゆっくり休んでね。

お腹空いて食べられるようになったら好きなものを食べるんだよ。


元気でね…!



海遊館、おたる水族館の皆様、

ミゾレの貴重な姿を沢山発信してくださり、また飼育にご尽力くださり誠にありがとうございました…!