土佐湾でのホエールウオッチング、二日目の朝です! すでに桟橋には二隻のクルーザーが待機。
この日は地元・高知のPR隊の取材班も同行しての出航となり、船上はにぎやかな雰囲気に包まれます。
出航して一時間が経過、ポイントまではまだ距離があります。
しかし昨日はハナゴンドウとの遭遇もあったし、そろそろ観察の準備を始める頃です。
ワタシは船の右舷側を注視していたところ・・・
左舷前方から「出た!クジラー!!」の声! あわてて左舷側へ駆け寄ると、なんと目の前に!
噴気孔の前方に、鼻先へと続く中央の隆起線が見られます。
ニタリクジラには中央の隆起線の左右に各一本の副隆起線がありますが、この個体では副隆起線が短いようであまり目立ちません。
背びれの後ろ側には非常に特徴的な切り欠きが見られます。
観察員さんによれば、まだ湾の内側でこのような、体格の大きなクジラの出現があることは、極めて異例とのことでした。
「もしかしたら、新記録かも」と。
さて、出航から異例の早さでクジラと遭遇したあと、その幸運と引き換えのようにまったく発見のないまま、時間が過ぎて行きました。
出航から3時間が経過。 気温も上がり、船の上では皆の顔に疲労の色も見え始めていました。
オオミズナギドリたちが飛び去って行きます。
クジラが食事している場所では鳥も集まり「鳥山」が出来ることもありますが、ここでは何も見つけられないようです。
いきなり、水面上が騒がしくなって来ました!
イルカの群れです!^ ^
美しい流線型の身体は、明確なツートンカラーに彩られています。
とても活発なイルカの群れ! 見ているこちらも、釣られて身体が動き出してしまいそうになります。
子育て中の群れは約50頭。 海面上に飛び跳ねながら、すごいスピードで泳いで行きます。
ワタシは上から一瞬見えた体側の明るいグレー色から、マイルカでもハンドウイルカでもない・・ハセイルカ?と思いました。
どうやら土佐沖で通常見られるイルカではないようで、観察員さんも種の同定に慎重になっていました。
そして「マダライルカです!」の声。
識別の決め手は細長いくちばしと、その先端の白い部分が唇に沿って伸びるところとのこと。
(つづく)